京都の紅葉は好きだけど人混みは苦手…そんなあなたへ
燃えるような赤、目に鮮やかな黄色、そして常緑樹の深い緑が織りなす息をのむようなコントラスト…。古都・京都の秋は、お寺の境内や美しい庭園が錦に染まり、一年で最も美しい季節と言っても過言ではありません。
テレビや雑誌で見るその絶景に憧れて京都を訪れたものの、待ち受けていたのは想像を絶するほどの、人、人、人。有名な紅葉スポットへ向かうバスは満員で、お目当てのお寺に着いても拝観受付には長蛇の列。美しい庭園も人でごった返し、写真を一枚撮るのにも一苦労…。これでは、せっかくの美しい景色を心から楽しむどころか、人混みに疲れてしまいますよね。
「京都の紅葉は大好きだけど、あの混雑だけは本当に苦手…」「誰にも邪魔されず、静かな空間でゆっくりと紅葉を眺めたい」そんな風に感じている方は、きっと少なくないはずです。
ご安心ください。実は、世界的に有名な観光スポットから少し視点を変えるだけで、まるで別世界のような静けさの中で、心ゆくまで紅葉を堪能できる穴場スポットが京都には数多く隠されています。地元の人々が静かに秋を楽しむお寺や、中心部から少し足を延ばすだけで出会える手つかずの自然など、まだまだ知られていない魅力的な場所がたくさんあるのです。
この記事では、そんな「人混みを避けたい」と願うあなたのために、編集部が厳選した京都の穴場紅葉スポットをエリア別・目的別にご紹介していきます。今年の秋こそ、喧騒から離れて、あなただけの特別な時間と景色を見つけにいきませんか?
-
-
【2026】京都府でおすすめの紅葉名所7選と見頃時期予想
【2025】京都府のおすすめ紅葉名所7選 1.嵐山(あらしやま)|渡月橋と紅葉が織りなす絶景 京都を代表する観光地のひとつ、嵐山は紅葉の名所としても全国的に有名です。秋になると、嵐山の山々が赤や黄に染 ...
続きを見る
【失敗しない】京都の穴場紅葉スポットの選び方3つのポイント
「穴場」といっても、やみくもに探すのは大変です。そこで、まずは混雑を避けて静かに紅葉を楽しむための、基本的な考え方と選び方のポイントを3つご紹介します。このポイントを押さえるだけで、あなたの京都紅葉狩りは格段に快適になるはずです。
-
ポイント1:京都市内中心部から少し離れてみる
清水寺や嵐山、東福寺といった超有名スポットは、どうしても観光客が集中します。これらの多くは、交通の便が良い京都市内の中心部や主要な観光エリアに位置しています。そこで、まず試してほしいのが「エリアをずらす」という考え方です。例えば、大原や鞍馬のある「洛北エリア」や、善峯寺などがある「洛西エリア」、宇治や長岡京を含む「京都府南部」まで少し足を延ばしてみてください。市内中心部からバスや電車で30分〜1時間ほど移動するだけで、観光客の数はぐっと減り、落ち着いた雰囲気の中で紅葉と向き合うことができます。移動時間はかかりますが、その分、静かで贅沢な時間を手に入れることができるでしょう。
-
ポイント2:早朝やライトアップ終了間際など「時間帯」をずらす
もし訪れたい場所が決まっているなら、「訪れる時間帯を工夫する」のが非常に効果的です。多くの観光客が活動を始めるのは、午前10時頃から。つまり、お寺の開門と同時に訪れることができる早朝の時間帯は、人も少なく、澄んだ空気の中で静かに紅葉を鑑賞できる絶好のチャンスです。朝日を浴びてキラキラと輝く紅葉は、格別の美しさ。また、夜間ライトアップを行っている場所であれば、終了時間間際も狙い目です。夕食のために人が帰り始める時間帯を狙うことで、幻想的な夜の紅葉をゆったりと楽しめる可能性が高まります。
-
ポイント3:「見頃のピーク」をあえて外すのも一つの手
誰もが「一番の見頃」を狙ってくるため、紅葉のピーク時期はどうしても混雑が激しくなります。そこでおすすめなのが、ピークの時期をあえて少しだけ前後にずらして訪れるという方法です。色づき始めの、緑から黄色、赤へと移り変わるグラデーションの時期も、生命力にあふれていて大変美しいものです。また、ピークを少し過ぎた「散り紅葉」の時期も趣があります。地面が真っ赤な絨毯のように染まる「敷き紅葉」は、この時期ならではの絶景。見頃のピークにこだわらないだけで、混雑を避けられるだけでなく、また違った紅葉の魅力を発見できるかもしれません。
【エリア別】京都の静かな穴場紅葉スポット7選
ここからは、具体的な穴場紅葉スポットを「洛北」「洛西」「京都府南部」そして「番外編」のエリアに分けて7つ厳選してご紹介します。いずれも、京都市内中心部の喧騒を忘れさせてくれる、落ち着いた雰囲気の場所ばかりです。あなたの好みに合うスポットがきっと見つかるはずです。
【洛北エリア】静寂な時間が流れる大人の隠れ家
比叡山の麓に広がる洛北エリアは、洗練された雰囲気を持つお寺が点在し、静かに紅葉を楽しみたい大人にぴったりの場所です。
1. 圓光寺(えんこうじ):額縁庭園「十牛之庭」で見る紅葉の芸術

徳川家康が開いたことで知られる圓光寺。ここの一番の見どころは、書院から眺める「十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)」です。柱と敷居を額縁に見立てて眺める紅葉は、まるで一枚の絵画のような美しさ。赤や黄色に染まったカエデと、緑の苔とのコントラストが見事です。また、境内奥の山を登れば京都市内を一望でき、紅葉の時期は特に絶景が広がります。近年人気が高まっていますが、秋の拝観には予約が必要な場合があるため、比較的ゆったりと鑑賞できるのが魅力です。
2. 蓮華寺(れんげじ):水面に映るリフレクション紅葉が美しい

八瀬のほど近く、こぢんまりとしながらも美しい庭園を持つのが蓮華寺です。書院の前に広がる池泉鑑賞式の庭園は、水面に映り込む「逆さ紅葉」が息をのむほどの美しさ。特に、散った紅葉が水面を彩る「散りもみじ」の時期は格別です。訪れる人もまばらで、縁側に座って静かに庭を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまいます。派手さはありませんが、心から落ち着ける空間を求める方には最高の穴場と言えるでしょう。
【洛西エリア】自然豊かで広大な敷地を独り占め
京都市の西側に位置する洛西エリアは、山々に囲まれた自然豊かな場所。広大な敷地を持つお寺が多く、のびのびと紅葉狩りを楽しめます。
3. 善峯寺(よしみねでら):山全体が燃えるような圧巻のパノラマ紅葉

西山の山中に位置する善峯寺は、広大な境内が紅葉で埋め尽くされる圧巻のスケールを誇ります。特に、境内から見下ろす景色は絶景の一言。京都市内を背景に、山全体が錦に染まるパノラマビューは、他では味わえない感動があります。国の天然記念物である「遊龍の松」と紅葉のコラボレーションも見事です。境内は非常に広く高低差もあるため、歩きやすい靴は必須ですが、その分、混雑を感じさせないのが嬉しいポイントです。
4. 光明寺(こうみょうじ):別名「もみじの寺」の美しい参道

長岡京市にある光明寺は、総門から続く「もみじ参道」が有名です。数百本のカエデがトンネルのようになり、見頃の時期には参道が真っ赤な絨毯で敷き詰められたかのような光景が広がります。京都市内からは少し距離があるため、嵐山のような大混雑になることは少なく、比較的ゆっくりと紅葉のトンネルを散策できます。特に早朝の人が少ない時間帯は、幻想的な雰囲気を独り占めできるかもしれません。
【京都府南部】歴史と紅葉のコントラストに浸る
宇治や木津川などを含む京都府南部エリアは、歴史深いお寺が多く、観光客も比較的少ないため、穴場探しにはもってこいのエリアです。
5. 酬恩庵一休寺(しゅうおんあんいっきゅうじ):一休さんゆかりの寺で心静かに楽しむ

「一休さん」こと一休宗純が晩年を過ごしたことで知られるお寺。苔の緑が美しい方丈庭園と、石畳の参道を彩る紅葉のコントラストが見事です。境内は凛とした空気に包まれており、騒がしい観光地とは一線を画す静けさがあります。紅葉を楽しみながら、一休さんのとんち話に思いを馳せてみるのも一興。歴史を感じながら、心静かな時間を過ごしたい方におすすめです。
6. 浄瑠璃寺(じょうるりじ):池と三重塔が織りなす浄土庭園の紅葉

奈良との県境に近い木津川市にある浄瑠璃寺。池を挟んで東に薬師如来、西に九体阿弥陀如来を安置する庭園は、極楽浄土を表現していると言われています。秋には、池の周りのカエデが色づき、国宝の三重塔と見事に調和した、これぞ日本の秋、というべき美しい風景が広がります。アクセスが良いとは言えませんが、その分訪れる人は限られており、まるで時間が止まったかのような穏やかな空間で紅葉を堪能できます。
【番外編】少し足を延して見つける自然の絶景
7. 笠置山自然公園(かさぎやましぜんこうえん):ハイキングと共に楽しむ紅葉

京都府の南端、笠置町にある自然公園です。後醍醐天皇ゆかりの笠置寺を中心としたエリアで、もみじ公園では見事な紅葉が楽しめます。巨大な奇岩が点在する山道を歩く、ちょっとしたハイキング気分も味わえるのが魅力。お寺の紅葉とは一味違った、ダイナミックな自然の中での紅葉狩りが楽しめます。ここまで足を延ばす人は少ないため、混雑とは無縁の時間を過ごせること間違いなしです。
【目的別】こんな京都の穴場紅葉スポットもおすすめ
エリアで探すだけでなく、「夜のライトアップが見たい」「車でドライブがてら行きたい」といった目的からスポットを選ぶのもおすすめです。ここでは、特定のシチュエーションに合わせた、とっておきの穴場紅葉スポットをご紹介します。
ライトアップが美しいのに混雑が少ない穴場は?
夜の闇に紅葉が浮かび上がるライトアップは、昼間とは全く違う幻想的な雰囲気が魅力です。しかし、有名どころは大変な混雑。そこでおすすめなのが、東山にある「青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)」です。皇室とゆかりの深い格式高い門跡寺院で、秋の夜間特別拝観では、約1000個の照明が庭園を優しく照らし出します。特に、青い光で満たされた「青の不動明王」の空間は、他では見られない神秘的な美しさ。宸殿から眺める相阿弥作の庭と紅葉のコントラストも見事です。清水寺や高台寺のような大混雑と比べると、比較的落ち着いて鑑賞できることが多く、大人の夜の紅葉散策にぴったりの場所と言えるでしょう。
車・ドライブで行ける郊外の穴場スポット
公共交通機関の混雑を避け、自分のペースで移動したい方には、ドライブでの紅葉狩りがおすすめです。そんな方に最適なのが、洛西エリアの「善峯寺(よしみねでら)」です。山の中腹に位置しているため、車でのアクセスが基本となりますが、広々とした駐車場が完備されているのが嬉しいポイント。広大な境内からは京都市内を一望でき、紅葉のパノラマビューはまさに絶景です。また、嵐山から少し足を延ばす「高雄エリア」へ向かうドライブウェイも紅葉のトンネルが美しく、道中そのものを楽しむことができます。目的地だけでなく、そこへ至るまでの景色も楽しめるのが、ドライブ紅葉狩りの醍醐味です。
拝観料無料・格安で紅葉狩りができる穴場スポット
「気軽に紅葉を楽しみたい」「たくさんの場所を巡りたいので、費用は抑えたい」という方には、拝観料が無料または格安のスポットがおすすめです。まず外せないのが、京都市の中心部に広がる「京都御苑(きょうとぎょえん)」です。広大な敷地内にはカエデやイチョウの木々が点在し、予約や料金も不要で、誰でも自由に散策できます。地元の人々がウォーキングや休憩に訪れる憩いの場で、のんびりとした雰囲気の中、紅葉を楽しめます。また、左京区にある「真如堂(しんにょどう)」もおすすめです。境内は無料で散策でき、三重塔と紅葉の美しいコントラストを堪能できます(※庭園と書院の拝観は有料)。お金をかけずに、古都の秋の風情を存分に感じられる貴重な場所です。
京都の紅葉を穴場スポットで満喫するための注意点とコツ
せっかく穴場スポットを訪れるなら、準備を万全にして心ゆくまで楽しみたいですよね。特に郊外や山間部のスポットは、市内中心部とは少し勝手が違うこともあります。ここでは、静かな紅葉狩りを最高のものにするための、知っておくと役立つ注意点とコツをまとめました。
服装と持ち物について
穴場スポットが多い郊外や山間部は、京都市内中心部よりも気温が2〜3度低いことがよくあります。また、朝晩の冷え込みは想像以上になることも。体温調節がしやすいように、カーディガンや薄手のダウンなど、簡単に羽織れる上着を一枚持っていくと安心です。また、善峯寺や笠置山自然公園のように、境内が広かったり、坂道や砂利道が多かったりする場所も少なくありません。ヒールやサンダルは避け、履き慣れたスニーカーやウォーキングシューズを選ぶのが鉄則です。両手が空くリュックサックやショルダーバッグだと、散策や写真撮影もスムーズにできますよ。
公共交通機関の賢い使い方
中心部から離れたスポットへは、バスや電車を乗り継いで向かうことが多くなります。特にバスは、週末でも1時間に1〜2本という路線も珍しくありません。訪れたい場所が決まったら、必ず事前に時刻表を調べて、移動計画を立てておきましょう。帰りのバスの最終時間も忘れずに確認してください。また、利用する路線によっては、バスの一日乗車券などを活用すると、運賃を気にせず移動できてお得になる場合があります。自分のルートに合わせて、最適な切符を探してみるのもおすすめです。
最新の紅葉状況を確認する方法
紅葉の色づき具合は、その年の気候によって大きく左右されます。「せっかく行ったのに、まだ早すぎた…」「もう見頃が終わっていた…」なんてことにならないために、お出かけ前には最新の情報をチェックしましょう。一番確実なのは、訪れる予定のお寺や観光協会の公式ウェブサイトや、公式のSNS(X(旧Twitter)やInstagramなど)を確認することです。リアルタイムに近い色づき状況を発信しているところも多く、最も信頼できる情報源と言えます。これらの情報を参考に、最高のタイミングを狙って訪れてください。
まとめ:静かな京都の穴場で、あなただけの特別な紅葉体験を
今回は、「京都の紅葉は見たいけれど、人混みは避けたい」という切実な願いを叶えるための、選りすぐりの穴場紅葉スポットをご紹介してきました。
多くの人が有名な観光地に集中する中、少しエリアをずらしたり、訪れる時間を工夫したりするだけで、驚くほど静かで穏やかな秋の京都に出会うことができます。洛北エリアの洗練された庭園、洛西エリアの雄大な自然、そして京都府南部に佇む歴史深いお寺。そのどれもが、有名な観光地の喧騒の中では決して味わうことのできない、特別な時間と感動を与えてくれるはずです。
静かな場所で紅葉と向き合えば、風に揺れる葉の音や、鳥のさえずり、お香の香りまで、五感のすべてで秋の風情を感じ取ることができるでしょう。それは、ただ美しい景色を「見る」だけではない、心に深く刻まれる体験となります。
この記事を参考に、今年の秋はぜひ、あなただけの「お気に入りの場所」を見つけに出かけてみてください。人混みを離れた静かな古都で過ごす時間は、きっと忘れられない最高の思い出になることでしょう。あなたの京都の旅が、素晴らしいものになることを心から願っています。