河口湖の紅葉とは?世界遺産・富士山と紅葉の絶景

数ある日本の紅葉名所の中でも、別格の存在感を放つのが「河口湖」の紅葉です。その理由は、世界遺産・富士山という、日本が世界に誇る絶対的なシンボルとの共演が見られることにあります。ここでは、河口湖の紅葉がなぜこれほどまでに人々を魅了するのか、その2つの大きな魅力をご紹介します。
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日本を象徴する「富士山と紅葉」の王道スポット
日本の秋を象徴する風景として、誰もが一度は思い浮かべるのが「富士山と紅葉」ではないでしょうか。河口湖は、その最も美しく、最も有名な景色に出会える「王道」のスポットです。
雄大にそびえる富士山の姿を背景に、湖畔の木々が燃えるような赤や鮮やかな黄色に染まる光景は、まさに圧巻の一言。特に、空気が澄んだ秋晴れの日には、山頂に雪を頂いた富士山と、錦秋の紅葉が織りなす、完璧なコントラストの絶景が広がります。
湖面に映る「逆さ富士」と「逆さ紅葉」
河口湖の紅葉をさらに特別なものにしているのが、湖の水面に映り込む美しいリフレクションです。
風のない穏やかな日には、富士山の姿が水面に映る「逆さ富士」を見ることができます。そして秋には、それと同時に、湖畔を彩る木々の紅葉が映り込む「逆さ紅葉」も現れます。
この二つが同時に見られるのは、気象条件に恵まれた時だけの貴重な瞬間。現実の風景と水鏡の風景が一体となった、天地対称の幻想的な世界は、多くの写真家や観光客が追い求める、究極の絶景です。
【2025年】河口湖の紅葉の見頃はいつ?
富士山と紅葉の絶景を求めて河口湖を訪れるなら、一年で最も美しい時期を狙いたいものです。ここでは、例年の傾向から導き出す2025年のベストシーズンと、お出かけ前に必ずチェックしたい最新情報の確認方法を詳しく解説します。
11月上旬から下旬がベストシーズン
河口湖の紅葉は、例年10月下旬頃から湖畔の木々が色づき始め、見頃のピークを迎えるのは11月上旬から11月下旬にかけてです。
約1か月にわたって紅葉が楽しめるのが特徴で、特に湖の北岸エリアに植えられたモミジが深紅に染まるこの時期は、毎年開催される「富士河口湖紅葉まつり」とも重なり、一年で最も多くの観光客で賑わいます。
2025年のピーク予想と最新の色づき状況の確認方法
2025年10月上旬現在、秋の気温は平年並みに推移する見込みです。そのため、紅葉の色づきも例年通りに進むと予想されます。2025年のピークは、11月中旬頃となる可能性が高いでしょう。特に、紅葉まつりのメイン会場である「もみじ回廊」が最も美しくなる時期です。
より正確な情報を得るためには、お出かけ前に以下の方法で最新の状況を確認するのがおすすめです。
- 富士河口湖 総合観光情報サイト:
富士河口湖町が運営する公式サイトで、紅葉まつりの情報と合わせて、日々の色づき状況が写真付きで詳しく更新されます。最も信頼できる情報源です。 - ライブカメラ:
河口湖周辺には複数のライブカメラが設置されています。現在の天気や富士山の見え方、そして紅葉の全体的な色づき具合をリアルタイムで確認できます。 - SNS(InstagramやX):
「#河口湖」や「#もみじ回廊」、「#河口湖紅葉まつり」のハッシュタグで検索すると、訪れた人の最新の写真を見ることができます。ライトアップの様子などを確認するのにも役立ちます。
【最大の見どころ】富士河口湖紅葉まつりと「もみじ回廊」ライトアップ
河口湖の秋を象徴するのが、毎年紅葉のピークに合わせて約1か月にわたって開催される「富士河口湖紅葉まつり」です。そのメイン会場となるのが、湖の北岸にある「もみじ回廊」。昼間の美しさはもちろん、夜のライトアップは必見の価値あり。ここでは、2025年の開催が期待されるイベントの魅力について、詳しくご紹介します。
2025年の開催期間とイベント内容(予想)
「富士河口湖紅葉まつり」は、例年、紅葉の見頃となる10月下旬から11月下旬までの約1か月間、開催されます。2025年も、この期間に合わせての開催が予想されます。
期間中は、メイン会場である「もみじ回廊」のライトアップが毎晩行われるほか、週末を中心に様々なステージイベントなども企画されます。詳細な日程は、富士河口湖 総合観光情報サイトなどで発表されるため、お出かけ前に必ず最新情報をご確認ください。
約60本の古木が創り出す、光の紅葉トンネル
紅葉まつりの最大の見どころ、それが「もみじ回廊」の夜間ライトアップです。梨川(なしがわ)という小さな川の両岸に植えられた、約60本もの大きなモミジの古木が、夜になると一斉にライトアップされます。
下からの光を浴びて、葉の一枚一枚が燃えるように輝き、約150mにわたって続く「光の紅葉トンネル」が出現します。頭上を覆う深紅の天井と、足元に敷き詰められた落ち葉の絨毯が光に照らされる光景は、息をのむほど幻想的。ライトアップは、例年日没から午後10時まで行われます。
出店やイベント情報
まつり期間中、もみじ回廊の周辺には「もみじ市」と呼ばれる出店エリアが設けられ、お祭り気分を盛り上げます。
地元の特産品や農産物、そして温かい食べ物や飲み物を販売する屋台がずらりと並び、多くの人で賑わいます。ライトアップされた紅葉の下で、美味しいものを片手にそぞろ歩きするのも、このイベントならではの楽しみ方。週末には、特設ステージでのコンサートなども開催され、河口湖の秋の夜を華やかに彩ります。
紅葉の見どころと絶対に外せない撮影スポット
富士山と紅葉の絶景を求めて河口湖を訪れたなら、「どこで」「何を」見るかが重要です。紅葉まつりのメイン会場である「もみじ回廊」はもちろん、少し足を延せば、また違った表情の絶景に出会えます。ここでは、絶対に外せない5つの見どころをご紹介します。
【もみじ回廊】紅葉まつりのメイン会場
「富士河口湖紅葉まつり」のメイン会場であり、河口湖の紅葉を象徴する場所が「もみじ回廊」です。梨川(なしがわ)という小さな川の両岸に、約60本もの大きなモミジの古木が植えられており、見頃の時期には燃えるような赤色のトンネルを作り出します。
昼間は太陽の光を浴びて鮮やかに輝き、夜はライトアップされて幻想的な姿を見せる、まさに主役級のスポット。地面に敷き詰められた落ち葉の絨毯もまた格別です。
【大石公園】コキアの紅葉と富士山
もみじ回廊から車で西へ数分の場所にある「大石公園」も、秋に必見のスポットです。ここでの主役は、モミジではなく「コキア」。夏の間は緑色だった丸くて可愛らしいコキアが、10月中旬から下旬にかけて、燃えるような真っ赤に染まります。
真っ赤なコキアの絨毯と、青い河口湖、そして雄大な富士山という三色のコントラストは、他では見られない絶景です。モミジのピークより少し早い時期に見頃を迎えるため、10月下旬に訪れるのがおすすめです。
【もみじトンネル】富士山を切り取る絶景フレーム
写真好きの間で「聖地」とも言われるのが、河口湖北岸道路にある「もみじトンネル」です。ここは、道路に覆いかぶさるように伸びたモミジの枝葉が、まるでトンネルや額縁のように、真正面に見える富士山を切り取ってくれる絶景の撮影ポイントです。
ただし、ここは交通量も多い一般道です。撮影に夢中になるあまり車道に出たり、迷惑駐車をしたりするのは絶対にやめましょう。安全に十分配慮して、譲り合いながら撮影を楽しんでください。
【河口湖遊覧船】湖上からの紅葉狩り
視点を変えて、湖の上から紅葉を楽しむのもおすすめです。河口湖遊覧船「天晴(あっぱれ)」に乗れば、約20分間の船旅で、湖上からの特別な景色を満喫できます。
湖を取り囲む山々の紅葉と、遮るもののない雄大な富士山の姿を360度のパノラマで楽しむことができます。湖面に映る「逆さ紅葉」や、普段は見られない角度からの絶景に出会えるかもしれません。
【河口湖美術館通り】アートと楽しむ紅葉散策
「もみじ回廊」の周辺は、「河口湖音楽と森の美術館」や「河口湖美術館」などが点在するアートなエリアです。美術館通りと呼ばれる湖畔の道は、美しいモミジ並木になっており、紅葉まつりの喧騒から少し離れて、静かに散策するのに最適です。
美しい紅葉を楽しみながら美術館を巡り、「芸術の秋」を満喫する、という知的な休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
アクセス・駐車場情報|紅葉まつり期間中の注意点
富士山麓の絶景を一目見ようと、紅葉まつり期間中は国内外から多くの観光客が訪れ、河口湖周辺は大変な混雑に見舞われます。快適な旅にするためには、アクセスの計画が非常に重要です。ここでは、主な交通手段と、混雑を乗り切るためのポイントを解説します。
【電車・バス】河口湖駅からのアクセスが基本
公共交通機関を利用する場合、富士急行線の「河口湖駅」が全ての起点となります。新宿駅からは、乗り換えなしの特急「富士回遊」を利用するか、JR中央線で大月駅へ行き、富士急行線に乗り換えるのが一般的です。また、バスタ新宿など都内各地から、河口湖駅への高速バスも多数運行しています。
河口湖駅からは、河口湖周遊バス(レッドライン)に乗車し、「久保田一竹美術館」バス停で下車します。所要時間は約25分。バス停の目の前が、紅葉まつりのメイン会場「もみじ回廊」です。
【車】中央道「河口湖IC」から|臨時駐車場と交通規制
車で向かう場合、最寄りのインターチェンジは中央自動車道の「河口湖IC」です。
【最重要注意点】
紅葉まつりのメイン会場である「もみじ回廊」周辺には、観光客が利用できる駐車場はほとんどありません。まつり期間中、特に週末は、湖畔道路で大規模な交通渋滞が発生します。
そのため、まつり期間中は会場から離れた場所に無料の臨時駐車場が複数設けられ、そこから会場まで無料シャトルバスが運行されます。車で訪れる際は、必ずこの臨時駐車場を利用しましょう。
お得な周遊バスの活用法
河口湖の紅葉スポットを効率よく巡るなら、河口湖周遊バス(レッドライン)が大変便利です。河口湖駅を起点に、湖の北岸にある美術館や絶景スポットを結びます。
「2日間乗り放題」などのフリークーポンを購入すれば、料金を気にせず自由に乗り降りができます。「もみじ回廊」はもちろん、「大石公園」(バス停:河口湖自然生活館)や、遊覧船・ロープウェイ乗り場へもこのバス一本で行けるため、公共交通機関で訪れる際の必須アイテムと言えるでしょう。
紅葉シーズンの混雑状況と服装のポイント
世界的な観光地である河口湖の紅葉シーズン、特に「紅葉まつり」の期間中は、大変な混雑が予想されます。また、標高が高い富士五湖エリアの秋は、朝晩の冷え込みにも注意が必要です。ここでは、快適な旅を実現するための具体的なポイントを解説します。
週末は大渋滞!混雑回避のコツ
紅葉まつり期間中の土日・祝日は、河口湖周辺の道路で大規模な交通渋滞が発生します。特に、メイン会場である「もみじ回廊」周辺の湖畔道路は、日中から夜まで車がほとんど動かなくなることも。臨時駐車場も満車になり、シャトルバスを待つ長い列ができることも珍しくありません。
この大混雑を避けるためには、以下の点を心がけましょう。
- 可能な限り平日に訪れる:最も確実で効果的な方法です。
- 公共交通機関を利用する:渋滞や駐車場探しのストレスがない、電車と周遊バスの利用を強く推奨します。
- 車の場合は朝一番に到着する:週末に車で訪れるなら、朝早い時間に到着して駐車場を確保し、日中は周遊バスで移動するのが賢明です。
湖畔の冷え込みに注意!暖かい服装が必須
11月の河口湖畔は、日中は過ごしやすくても、日没後は気温が急激に下がります。標高約830mに位置するため、平地の感覚でいると、その寒さに驚くことになります。
特に、夜のライトアップを見に行く際は、真冬並みの防寒対策が必要です。ダウンジャケットや冬用のコートはもちろん、手袋、帽子、マフラー、カイロといった防寒小物を必ず持参してください。日中から滞在する場合も、夜に備えて暖かい上着を一枚多く準備しておくと安心です。
まとめ|富士山麓で楽しむ、日本一贅沢な紅葉狩りへ

この記事では、2025年の河口湖の紅葉について、見頃の時期や見どころ、そして「富士河口湖紅葉まつり」の楽しみ方まで詳しく解説しました。
世界遺産・富士山と、燃えるような紅葉の共演は、日本を代表する秋の絶景です。その最も美しい姿に出会えるのが、河口湖の紅葉シーズン。見頃となる11月上旬から下旬にかけては、「富士河口湖紅葉まつり」が開催され、多くの人で賑わいます。
特に、夜の「もみじ回廊」ライトアップは、昼間とは全く異なる幻想的な雰囲気で、必見の価値があります。大石公園のコキアや、もみじトンネルといった多彩なスポットを巡れば、様々な表情の「富士山と紅葉」に出会えるでしょう。
週末は大変な混雑が予想されるため、公共交通機関を上手に利用するのが快適に楽しむための鍵です。ぜひこの記事を参考に、日本一贅沢な紅葉狩りへ出かけてみてはいかがでしょうか。