【2025年】那智の滝周辺の紅葉の見頃時期

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の核心部に位置し、日本三名瀑のひとつにも数えられる那智の滝。落差133メートルを誇る雄大な滝と、朱色の三重塔が織りなす風景はあまりにも有名ですが、秋にはこの絶景に紅葉が加わり、さらに特別な美しさを見せてくれます。ここでは、2025年に那智の滝周辺の紅葉を最高の状態で楽しむための見頃時期と、その独特の魅力について解説します。
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例年の見頃と2025年の紅葉予想
那智の滝周辺は、和歌山県内でも比較的温暖な南部に位置するため、紅葉の色づきは山間部の名所と比べるとやや遅めです。例年、11月下旬頃からカエデやウルシなどが色づき始め、見頃のピークを迎えるのは11月下旬から12月上旬にかけてとなります。晩秋の澄んだ空気の中で、荘厳な滝と紅葉の共演を楽しむことができます。
2025年の見頃も、例年通り11月下旬から12月初旬と予想されます。近年の気候変動により多少前後する可能性はありますが、11月の終わり頃に訪れれば、美しい紅葉に出会える可能性が高いでしょう。より確実な情報を得るためには、お出かけ前に熊野那智大社や那智勝浦観光機構の公式サイトなどで最新の色づき状況を確認することをおすすめします。
滝・三重塔・常緑樹とのコントラストが魅力
那智の滝周辺の紅葉の魅力は、単にカエデの赤色が美しいということだけではありません。最大の魅力は、「白い滝」「朱色の三重塔」「深い緑の原生林」そして「赤や黄色の紅葉」という、多彩な色彩が見事に調和した、他に類を見ない景観にあります。
那智山一帯は常緑樹が多く、山全体が真っ赤に染まるわけではありません。しかし、その深い緑があるからこそ、点在するカエデやウルシの赤色が際立ち、より一層鮮やかに目に映るのです。日本一の落差を誇る滝の迫力、歴史ある三重塔の荘厳さ、そして原生林の生命力と、錦秋の彩りが織りなす風景は、まさに「聖地」と呼ぶにふさわしい、神々しくも美しい絶景と言えるでしょう。
【絶景】那智の滝と紅葉 おすすめ見どころスポット5選
世界遺産の聖地・那智は、雄大な自然と歴史的な建造物が調和した、他に類を見ない紅葉スポットです。特に、日本一の落差を誇る那智の滝と紅葉の組み合わせは必見。ここでは、訪れたら必ず立ち寄りたい、那智の秋を象徴する5つの絶景スポットをご紹介します。
1. 三重塔と那智の滝の展望広場:誰もが知る定番の絶景ポイント
那智の風景として最も有名なのが、朱色の三重塔(青岸渡寺)と那智の滝を一望できる、この展望広場からの眺めでしょう。誰もが写真や映像で一度は目にしたことのある、まさに日本の絶景を代表する構図です。秋には、この定番の風景に紅葉が加わります。深い緑の原生林の中に、滝の白、塔の朱、そしてカエデの赤や黄が点在し、色彩豊かなコントラストを描き出します。特に午前中は太陽の光が順光となり、より鮮やかな写真を撮影することができます。記念撮影には絶対に外せない、王道のスポットです。
2. 熊野那智大社:世界遺産の朱色の社殿に映える紅葉
熊野三山の一つであり、全国の熊野神社の総本宮でもある「熊野那智大社」。那智の滝を神として祀るこの古社は、鮮やかな朱塗りの社殿が印象的です。秋になると、境内にあるカエデの木々が色づき、朱色の社殿に美しい彩りを添えます。標高約500メートルに位置するため、境内からは那智の原生林や、遠くには太平洋までを見渡すことができ、その雄大な景色と共に紅葉を楽しむことができます。神聖な空気の中で、歴史と自然が織りなす秋の風景を堪能してください。
3. 青岸渡寺(せいがんとじ):西国三十三所一番札所と紅葉の調和
熊野那智大社に隣接し、西国三十三所観音霊場の第一番札所としても知られる天台宗の古刹「青岸渡寺」。豊臣秀吉が再建したと伝わる本堂(重要文化財)は、那智山で最も古い建物であり、その歴史の重みを感じさせます。秋には、この趣ある本堂の周辺や、三重塔へと続く道沿いの木々が色づき、落ち着いた雰囲気の中で紅葉を楽しむことができます。三重塔の展望広場からの眺めとあわせて、ぜひこちらのお寺にも立ち寄り、静かに秋の深まりを感じてみてください。
4. 飛瀧神社(ひろうじんじゃ)(那智の滝 拝所):滝壺近くで感じる秋の気配
那智の滝そのものをご神体とする「飛瀧神社」は、滝壺のすぐ近くに設けられた拝所です。展望台から遠望するのとは異なり、ここでは滝の轟音と水しぶきを間近に感じながら、その圧倒的な迫力を体感することができます。秋には、滝の周辺にある木々がわずかに色づき、荘厳な滝の風景に季節の彩りを添えます。滝壺周辺は常緑樹が多いため紅葉は控えめですが、滝から流れ落ちる水の清らかさと、ひんやりとした空気の中に、秋の気配を感じ取ることができるでしょう。
5. 大門坂(だいもんざか):世界遺産の苔むした石畳と紅葉
熊野那智大社への表参道であり、世界遺産にも登録されている「大門坂」。苔むした石畳と、樹齢数百年の杉木立が続くこの古道は、熊野古道の中でも特に美しい区間として知られています。秋になると、石畳の両脇にあるカエデなどが色づき、歴史ある古道に彩りを与えます。深い緑の杉木立と、鮮やかな紅葉、そして陽光に照らされた石畳が織りなす光景は、神秘的で厳かな雰囲気。往時の熊野詣に思いを馳せながら、紅葉の中を歩く時間は、特別な体験となるはずです。
那智の滝 紅葉ライトアップやイベント情報(2025年)
世界遺産の荘厳な雰囲気の中で楽しむ那智の紅葉。この特別なシーズンに合わせて、ライトアップや特別なイベントは開催されるのでしょうか。事前に確認しておきましょう。
紅葉ライトアップは実施される?
夜間に紅葉が照らし出される幻想的な風景を期待される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現在のところ、熊野那智大社や青岸渡寺の三重塔周辺で、紅葉そのものを対象とした特別な夜間ライトアップは行われていません。
ただし、那智の滝自体は、年間を通じて日没から夜(通常は22時頃まで)にかけてライトアップされています。闇夜に133メートルの白い滝筋が荘厳に浮かび上がる姿は、昼間とはまた違った神秘的な迫力があります。紅葉シーズンに訪れる場合、日中の紅葉を楽しんだ後、日没後にライトアップされた滝を拝観するというプランも可能です。ただし、周辺は非常に暗く、冷え込みも厳しくなるため、足元と防寒には十分な注意が必要です。
秋のイベント情報(熊野那智大社など)
紅葉が見頃を迎える11月下旬から12月上旬にかけて、紅葉に特化した「もみじまつり」のような大規模な観光イベントは、現在のところ那智山周辺では予定されていません。
熊野那智大社では、年間を通じて様々な祭典や神事が執り行われています。秋にも例祭などが斎行される可能性がありますが、これらは主に地域の信仰に基づくものであり、観光客向けのイベントとは異なります。もし特定の祭典に合わせて訪れたい場合は、熊野那智大社の公式サイトで祭事のスケジュールを確認することをおすすめします。
那智の秋の魅力は、イベントの賑やかさよりも、むしろ世界遺産の聖地ならではの静かで厳かな雰囲気の中で、雄大な自然と歴史、そして紅葉が織りなす絶景をじっくりと味わうことにあります。日中の素晴らしい景色を心ゆくまでお楽しみください。
那智の滝の紅葉を快適に楽しむためのポイント
世界遺産の聖地で、雄大な滝と紅葉の絶景が楽しめる那智。その感動を最大限に味わうためには、いくつかの準備をしておくと安心です。特に、多くの参拝者や観光客が訪れること、そして山の中腹に位置する地形的な特徴を踏まえた対策が、当日の快適さを大きく左右します。
混雑状況とおすすめの時間帯
熊野三山の一つとして年間を通じて多くの参拝者が訪れる那智ですが、紅葉が見頃を迎える11月下旬から12月上旬の週末や祝日は、特に混雑が予想されます。熊野那智大社や青岸渡寺、そして三重塔と滝を望む展望広場周辺は、多くの人で賑わいます。
この混雑を避け、静かな雰囲気の中で聖地の秋を堪能したいのであれば、「平日に訪れる」のが最も良い選択です。もし週末しか行けない場合でも、比較的空いている午前中の早い時間帯、できれば午前10時前には到着して散策を開始することをおすすめします。朝の清々しい空気の中、順光で見る滝と三重塔、紅葉の景色は格別です。
服装と持ち物|石段や坂道、天候の変化に備えて
那智の滝周辺の散策は、平坦な場所ばかりではありません。熊野那智大社や青岸渡寺へ続く長い石段、世界遺産・大門坂の石畳など、高低差があり、歩きごたえのある道のりが含まれます。また、山の天気は変わりやすいため、服装と持ち物には注意が必要です。
【服装のポイント】
- 履き慣れた歩きやすい靴は必須:これが最も重要です。長い石段や坂道を上り下りするため、スニーカーやウォーキングシューズなど、クッション性があり滑りにくい靴は絶対に必要です。ヒールのある靴やサンダルは避けましょう。
- 体温調節しやすい服装(重ね着):11月下旬とはいえ、天気が良ければ日中は歩くと汗ばむこともあります。しかし、日陰に入ったり、夕方になったりすると急に冷え込むことも。カーディガンやフリース、ウィンドブレーカーなど、簡単に着脱できる服装で、こまめに体温調節ができるようにしておくと快適です。
【あると便利な持ち物リスト】
- リュックサック:両手が空くと、石段などで手すりを使ったり、バランスを取ったりしやすくなり安全です。
- 雨具:山の天気は変わりやすいため、折りたたみ傘だけでなく、レインウェアもあると安心です。
- 飲み物:石段の上り下りは意外と体力を消耗します。水分補給用に持参しましょう。
- 現金:拝観料やお守り、御朱印、バスの運賃、お土産物屋さんなどで現金が必要になる場面があります。
- タオル:汗を拭いたり、急な雨の際に役立ちます。
- カメラ:滝、三重塔、紅葉が織りなす絶景を記録するために、ぜひお持ちください。
那智の滝へのアクセス方法と駐車場情報
世界遺産の聖地であり、日本を代表する絶景スポットでもある那智の滝。その雄大な景色を目指すには、アクセス方法の事前確認が欠かせません。山間部に位置するため、公共交通機関を利用する場合はバスへの乗り継ぎが必須となり、車の場合は道中の運転に注意が必要です。紅葉シーズンは特に混雑も予想されるため、最適な方法を計画しましょう。
公共交通機関(電車・バス)でのアクセス
公共交通機関を利用する場合、JRきのくに線(紀勢本線)の「紀伊勝浦駅」が起点となります。大阪・名古屋方面からは特急列車を利用すると便利です。駅からは、那智山方面へ向かう路線バスに乗り換えます。
JR紀伊勝浦駅からの路線バスが基本ルート
紀伊勝浦駅の駅前から出ている熊野御坊南海バスの「那智山」行きに乗車します。
- 主な下車バス停:
- 「大門坂」:熊野古道・大門坂を歩いて登りたい方。
- 「那智の滝前」:那智の滝(飛瀧神社)に最も近いバス停。
- 「那智山」(終点):熊野那智大社・青岸渡寺に最も近いバス停。三重塔と滝の展望広場へもここからが便利です。
- 所要時間:紀伊勝浦駅から「那智の滝前」まで約25分、「那智山」まで約30分。
バスの時刻表と注意点
バスはおおむね1時間に1~2本程度運行されていますが、特に紅葉シーズンは多くの観光客が利用するため、混雑することがあります。また、帰りのバスの時刻は必ず事前に確認しておきましょう。熊野御坊南海バスのウェブサイトで最新の時刻表を確認し、時間に余裕を持った計画を立てることが重要です。
車でのアクセスと駐車場情報
車でのアクセスは、周辺の観光地とあわせて巡る場合などに便利ですが、紅葉シーズンは駐車場の混雑に注意が必要です。
大阪方面からは阪和自動車道「南紀田辺IC」を経由し国道42号線を南下、または紀勢自動車道「すさみ南IC」を利用します。名古屋方面からは伊勢自動車道・紀勢自動車道「熊野大泊IC」を経由し国道42号線を南下するのが一般的です。
駐車場の場所・料金・混雑対策
那智山周辺には、目的地に応じていくつかの駐車場があります。
- 那智の滝前駐車場:飛瀧神社の入口付近に有料駐車場(1回800円程度)があります。収容台数はそれほど多くありません。
- 那智山駐車場:熊野那智大社・青岸渡寺に近いエリアに、有料・無料の駐車場が点在しています。
紅葉が見頃となる11月下旬から12月上旬の週末は、これらの駐車場が午前中の早い時間帯から満車になる可能性が非常に高いです。特に滝前駐車場は混雑が激しいため、那智山駐車場に停めて、そこから徒歩やバスで移動することも検討しましょう。混雑を避けるためには、平日に訪れるか、週末であれば朝早くに到着するなどの対策が有効です。
【注意】紅葉シーズンの道路状況
那智山へ向かう道は、カーブが多く道幅が狭い箇所もある山道です。紅葉シーズンは交通量が増加するため、通常よりも時間がかかることを想定し、安全運転を心がけてください。
まとめ:2025年は世界遺産の聖地・那智で「滝・三重塔・紅葉」の三重奏を楽しもう

ここまで、2025年の那智の滝周辺の紅葉について、見頃の時期から必見の見どころ、アクセス方法や服装の注意点まで詳しくご紹介しました。
那智の秋の魅力は、単に紅葉が美しいというだけではありません。それは、日本一の落差を誇る「那智の滝」の荘厳さ、朱色が鮮やかな「三重塔」の優美さ、そして世界遺産の聖地に色を添える「紅葉」という、三つの要素が見事に調和した、唯一無二の絶景にあります。深い緑の原生林を背景に、白・朱・赤・黄が織りなす色彩のハーモニーは、訪れる人々の心に深い感動を与えてくれるでしょう。
熊野那智大社や青岸渡寺といった歴史ある寺社仏閣、そして熊野古道・大門坂の神秘的な雰囲気も、那智の紅葉をより一層特別なものにしています。
訪れる際には、長い石段や坂道に対応できる歩きやすい靴と服装、そしてバスの時刻表の事前確認が欠かせません。しっかり準備を整えて、2025年の秋は、世界遺産の聖地・那智で、自然と歴史、そして錦秋の彩りが織りなす「三重奏」を心ゆくまで堪能してみてはいかがでしょうか。