2025年 秋葉ダム周辺の紅葉の見頃はいつからいつまで?

静岡県浜松市天竜区、雄大な天竜川の流れをせき止めて造られた秋葉ダム。その周辺は天竜奥三河国定公園にも指定されており、手つかずの自然が残る美しいエリアです。特に秋には、ダム湖の静かな水面と、周囲の山々が燃えるように色づく紅葉のコントラストが見事な景色を描き出します。2025年の秋、この絶景を最高のタイミングで楽しむには、いつ頃訪れるのが良いのでしょうか。例年の傾向と、最新の情報を確認する方法を詳しく解説します。
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例年の見頃は11月中旬~11月下旬
秋葉ダム周辺の紅葉は、例年11月中旬頃に色づきが本格化し、11月下旬にかけてピークを迎えます。浜松市の中でも北部の山間地に位置するため、市街地よりも一足早く秋の深まりを感じることができます。
この時期になると、ダムの周辺に植えられている「秋葉ダム千本桜」の桜の葉をはじめ、カエデやウルシ、ナラといった木々が一斉に色づき、山全体が赤・黄・橙の美しいグラデーションに染まります。特に、風のない晴れた日には、紅葉した山々がエメラルドグリーンのダム湖面に鏡のように映り込み、息をのむような絶景が広がります。最も鮮やかな紅葉を楽しみたいのであれば、11月20日前後を狙って訪れるのがおすすめです。
2025年の色づき状況の確認方法
紅葉の見頃は、その年の秋の気温の推移によって毎年少しずつ変わります。特に、朝晩の冷え込みが強い年ほど、色鮮やかな紅葉が期待できると言われています。2025年のベストタイミングを逃さないためには、お出かけ前に最新の情報を確認することが重要です。
現地の情報を得るには、浜松市の公式観光サイト「はままつナビ」や、天竜区の行政ウェブサイトなどをチェックするのがおすすめです。紅葉シーズンが近づくと、見頃情報が掲載されることがあります。また、SNSで「#秋葉ダム」や「#天竜川の紅葉」といったハッシュタグで検索すると、最近訪れた人の投稿写真など、リアルタイムに近い状況を確認できることもあります。11月に入ったら、これらの情報をこまめにチェックして、最高の紅葉狩りの計画を立てましょう。
天竜川の紅葉の名所「秋葉ダム」とは?
静岡県浜松市天竜区、一級河川・天竜川の中流部に建設された「秋葉ダム」。ただの治水や発電のための施設というだけではなく、その雄大な自然景観から、多くの観光客や写真愛好家が訪れる紅葉の名所として知られています。ここでは、秋葉ダムが持つ魅力と、なぜ紅葉の名所として人気なのかを解説します。
天竜奥三河国定公園に位置するダム
秋葉ダムは、愛知県と静岡県にまたがる広大な「天竜奥三河国定公園」の区域内に位置しています。国定公園に指定されていることからも分かるように、その周辺は手つかずの豊かな自然環境が保護されているエリアです。秋葉ダムは、1958年(昭和33年)に完成した電源開発株式会社が管理する発電用のダムで、日本の高度経済成長を支えてきた重要な産業遺産でもあります。
ダイナミックなコンクリートの建造物であるダムと、背景に広がる奥深い山々の自然が見事に調和し、ここでしか見ることのできないユニークな景観を生み出しているのが、秋葉ダムの大きな魅力です。
エメラルドグリーンの湖面と紅葉のコントラスト
秋葉ダムが紅葉の名所として多くの人々を惹きつける最大の理由は、その色彩の美しさにあります。ダムによって形成された「秋葉湖」は、天竜川の清流が生み出す、深く澄んだエメラルドグリーンの水を湛えています。
秋になり、見頃の時期を迎えると、この静かな湖面を囲むように、周囲の山々が赤や黄色、オレンジ色に鮮やかに染め上がります。風のない穏やかな日には、色づいた山々が湖面に映り込み、「水鏡」となって息をのむような絶景を描き出します。深い緑色の水と、燃えるような紅葉のコントラストは、まるで一枚の絵画のよう。この圧倒的な色彩の競演が、秋葉ダムを特別な紅葉スポットにしているのです。
秋葉ダム周辺の紅葉、3つの絶景見どころポイント
天竜川の雄大な自然に抱かれた秋葉ダム周辺には、ただ漠然と眺めるだけでなく、特に絵になる風景や、感動的な光景に出会えるスポットが点在しています。ダム湖の周りを散策しながら、ぜひ注目していただきたいおすすめの見どころを3つに絞ってご紹介します。
見どころ①:湖畔を彩る「秋葉ダム千本桜」の紅葉
「秋葉ダム千本桜」は、その名の通り、春には約1000本のソメイヨシノが咲き誇るお花見の名所として知られています。しかし、この場所の魅力は春だけではありません。秋になると、桜の葉が一斉に赤やオレンジ色に色づき、春とはまた違った趣のある美しい景色を見せてくれます。
ダム湖畔に沿って続く桜並木が、まるで紅葉のトンネルのようになり、散策する人々の目を楽しませてくれます。エメラルドグリーンの湖面と、桜紅葉の優しい色合いが織りなす風景は、カエデの紅葉とは一味違う、穏やかで風情のある秋の景色です。
見どころ②:赤い吊り橋「秋葉橋」と紅葉の競演
ダムの下流側には、天竜川をまたぐように架かる赤い吊り橋「秋葉橋」があります。この橋は、秋葉ダム周辺の景観のアクセントとなっており、紅葉シーズンには絶好の写真撮影スポットとして人気を集めています。
橋の鮮やかな赤色と、背景に広がる山々の紅葉、そして眼下を流れる天竜川の深い緑色が織りなすコントラストは、まさに絶景。橋の上から渓谷の紅葉を眺めるのも良いですし、少し離れた場所から紅葉に囲まれた赤い橋という構図で写真を撮るのもおすすめです。人工物である橋の色が、自然の色彩をより一層引き立ててくれます。
見どころ③:ダイナミックなダム放流と渓谷美
秋葉ダムは発電を目的としたダムのため、常にではありませんが、時折ダムのゲートから水を放流することがあります。もしそのタイミングに立ち会うことができれば、それは運が良ければ出会える特別な光景です。
轟音とともに純白の水しぶきを上げて流れ落ちる水の迫力は、まさに圧巻の一言。この「動」のダム放流と、静かに色づく「静」の紅葉が一体となった風景は、他ではなかなか見ることのできない、非常にダイナミックで感動的なものです。自然の美しさと、巨大建造物が持つ機能美、そして水の力が融合した、忘れられない光景となるでしょう。(※放流は不定期です。)
秋葉ダムへのアクセス・駐車場情報
浜松市北部の山間部に位置する秋葉ダム。その雄大な自然景観を楽しむためには、アクセス方法の事前確認が欠かせません。主に車でのアクセスが中心となりますが、公共交通機関を利用する方法もあります。それぞれのアクセス方法と、駐車場の情報について詳しく解説します。
車でのアクセス|最寄りICからのルート
秋葉ダムへのアクセスは、自家用車やレンタカーを利用するのが最も便利で一般的です。最寄りのインターチェンジは、新東名高速道路の「浜松浜北IC」です。
新東名高速道路「浜松浜北IC」から約30分
ICを降りた後、国道152号線(飛龍街道)を天竜方面へ北上します。道中は天竜川沿いの景色を楽しみながらドライブすることができます。東名高速道路を利用する場合は、「浜松IC」や「袋井IC」からとなり、所要時間は約45分~50分が目安です。
駐車場の場所と料金について
秋葉ダムのすぐそばには、見学・観光客向けの駐車場が整備されています。駐車スペースはダムの堤体や秋葉橋の近くに点在しています。
駐車料金は無料で、時間を気にせずにゆっくりと紅葉狩りや散策を楽しむことができるのが嬉しいポイントです。ただし、駐車可能な台数はそれほど多くありません。紅葉が見頃を迎えるシーズンの週末は、混雑して駐車スペースを見つけるのが難しくなることもありますので、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。
公共交通機関でのアクセス方法
公共交通機関を利用してアクセスすることも可能ですが、運行本数が非常に少ないため、綿密な計画が必要不可欠です。
まず、遠州鉄道「西鹿島駅」まで向かいます。西鹿島駅は、JR浜松駅前の新浜松駅から出ている遠州鉄道(通称:赤電)の終点です。
遠州鉄道「西鹿島駅」から遠鉄バスで約30分
西鹿島駅のバスロータリーから、遠鉄バス秋葉線「春野車庫」行きなどに乗車し、「秋葉ダム」バス停で下車します。
【重要】
この路線バスは、平日は1日に数本、土日祝日はさらに本数が少なくなるなど、利用できる便が極端に限られています。訪れる際は、必ず事前に遠鉄バスの公式ウェブサイトで往復の時刻表を確認し、帰りのバスの時間から逆算して行動計画を立ててください。乗り遅れると次の便まで数時間待つことや、その日の便がないという事態も考えられますので、最大限の注意が必要です。
あわせて訪れたい!周辺のパワースポット「秋葉山本宮秋葉神社」
「秋葉ダム」という名前の由来にもなっている「秋葉山本宮秋葉神社(あきはさんほんぐうあきはじんじゃ)」は、ダムを訪れた際にぜひとも足を延ばしたい、全国的にも有名なパワースポットです。ダムで絶景を楽しんだ後は、この神聖な場所で心を清め、さらなるご利益をいただいてみてはいかがでしょうか。
火の神様として知られる「秋葉さん」
秋葉山本宮秋葉神社は、全国に点在する秋葉神社の総本宮であり、「秋葉さん」の愛称で古くから火防(ひぶせ)・火の神様として全国的な信仰を集めてきました。祀られているのは火の神である「火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)」で、火災から人々を守るご利益があるとされています。実は、東京の「秋葉原(あきはばら)」の地名の由来も、明治時代にこの秋葉神社から神様を分霊してお祀りしたことから来ているという、非常に由緒正しい神社なのです。
上社と下社のご利益と見どころ
秋葉神社は、天竜川のほとりにある「下社(しもしゃ)」と、標高866mの秋葉山山頂にある「上社(かみしゃ)」の二つに分かれています。下社はアクセスしやすく、気軽に参拝できるのが魅力です。
一方、車で山道を登った先にある上社は、荘厳な空気が流れる天空の聖域。山頂の社殿へと続く参道に立つ、青空に映える「幸福の鳥居」と呼ばれる黄金の鳥居は、必見のフォトスポットです。ここまで登ってきた参拝者を迎えるかのように輝く鳥居は、まさにご利益をいただけそうな雰囲気に満ちています。
秋葉神社から望む紅葉の景色
秋葉山の上社は、紅葉の名所としても知られています。山頂に位置するため、天気が良ければ遠州平野や遠州灘まで一望できる素晴らしい眺望が広がります。紅葉シーズンには、このパノラマがさらに特別なものになります。
眼下には、赤や黄色に染まった山々が、まるで紅葉の絨毯のようにどこまでも続いています。秋葉ダムで下から見上げた紅葉とは全く違う、見下ろす視点からの雄大な紅葉は、また格別な感動があります。ダムの景色と神社の景色、両方を楽しむことで、天竜の秋の魅力をより深く感じることができるでしょう。
天竜川の紅葉をさらに楽しむ!周辺観光スポット
秋葉ダムや秋葉神社で天竜の秋を満喫した後は、もう少し足を延ばして、さらにディープな天竜川の魅力を発見してみませんか。秋葉ダムの周辺には、同じく紅葉が美しい景勝地や、地元の味覚を楽しめる立ち寄りスポットが点在しています。ここでは、ドライブの途中にぜひ訪れたい、おすすめのスポットを2ヶ所ご紹介します。
船明ダム(ふなぎらダム)周辺の紅葉
秋葉ダムから天竜川を少し下流へ下った場所にあるのが「船明ダム」です。秋葉ダムと同様に発電を目的としたダムですが、その景観はまた違った趣があります。船明ダムによってできた「船明湖」は、湖面が広く穏やかで、カヌーやボート競技のメッカとしても知られています。
秋には、この広々とした湖を囲む山々が一斉に色づき、秋葉ダムとはまた違う、より開放的で雄大な紅葉風景を楽しむことができます。湖畔には公園も整備されており、車を停めてゆっくりと景色を眺めるのに最適です。ドライブコースとしても人気で、変化に富んだ天竜川の紅葉を最後まで満喫できます。
道の駅 天竜相津花桃の里
天竜川沿いのドライブで、休憩や食事に立ち寄るなら「道の駅 天竜相津花桃の里」がおすすめです。その名の通り、春には約250本の花桃が咲き誇る美しい場所ですが、秋には紅葉に包まれた癒やしの空間となります。
施設内には、地元の食材を活かした料理が味わえる食堂や、新鮮な野菜や果物、天竜の特産品が並ぶ物産館があり、ドライブ途中の休憩やランチ、お土産探しに最適です。展望テラスからは、紅葉に染まる天竜川の美しい流れを眺めることもできます。天竜の自然の恵みを「食」と「景観」の両方から楽しめる、旅の満足度をさらに高めてくれるスポットです。
まとめ:天竜川の雄大な自然と紅葉に癒される旅へ

今回は、2025年の秋葉ダムと天竜川周辺の紅葉について、見頃の時期から見どころ、アクセス方法、そしてあわせて訪れたい周辺スポットまで詳しくご紹介しました。
浜松市の奥座敷ともいえる天竜エリアは、手つかずの雄大な自然が最大の魅力です。秋のベストシーズンである11月中旬から下旬にかけて、その景色は一層輝きを増します。深く澄んだダム湖の水面に映り込む、燃えるような紅葉は、訪れる人々の心を捉えて離さない圧倒的な美しさです。
ダム湖畔の散策や、赤い吊り橋からの眺め、そして少し足を延せば、火の神様が鎮座する秋葉山からの雄大なパノラマも待っています。下から見上げる紅葉と、山頂から見下ろす紅葉、その両方を楽しめるのがこのエリアの醍醐味と言えるでしょう。
アクセスは少し不便な面もありますが、それだからこそ守られている静かで美しい自然があります。日々の喧騒を離れ、天竜川の悠久の流れと、生命力あふれる紅葉の美しさに包まれれば、心も体もリフレッシュできるはずです。この記事を参考に、ぜひ2025年の秋は、天竜の奥深い自然に癒される旅へとお出かけください。