妻籠宿の紅葉

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【2025】妻籠宿・馬籠宿の紅葉の見頃時期、見どころを解説

妻籠宿・馬籠宿とは?中山道の歴史と紅葉に触れる旅

妻籠宿の紅葉
江戸と京を結んだ五街道の一つ「中山道(なかせんどう)」。その道中に、今もなお江戸時代の面影を色濃く残す宿場町があります。それが、長野県にある「妻籠宿(つまごじゅく)」と、岐阜県にある「馬籠宿(まごめじゅく)」です。秋になると、歴史的な町並みと周囲の山々が紅葉に染まり、一年で最も美しい季節を迎えます。

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江戸時代の面影を色濃く残す「重要伝統的建造物群保存地区」

妻籠宿と馬籠宿の最大の魅力は、その徹底的に保存された歴史的な景観です。両宿場町は、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

特に妻籠宿は、全国で初めてこの選定を受けた場所として知られ、日本の町並み保存運動の先駆けとなりました。電線を地中化し、江戸時代の旅籠(はたご)や茶屋の姿をそのままに残した町並みを歩けば、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。

二つの宿場町の魅力と違い

隣接する二つの宿場町ですが、それぞれに異なる魅力があります。

  • 妻籠宿(長野県):
    比較的平坦な地形にあり、しっとりと落ち着いた雰囲気が漂います。より素朴で、江戸時代の宿場町のリアルな姿を感じたい方におすすめです。
  • 馬籠宿(岐阜県):
    「坂のある宿場町」として有名で、約600mにわたる急な石畳の坂道に沿って町が形成されています。坂の上からの眺めは素晴らしく、より華やかで観光地らしい賑わいがあります。

この二つの宿場町を結ぶ中山道の古道を歩くのが、秋のハイキングコースとして絶大な人気を誇ります。

【2025年】妻籠宿・馬籠宿の紅葉の見頃はいつ?

江戸情緒あふれる宿場町が、一年で最も美しい色彩に包まれる季節。中山道ハイキングを計画するなら、やはり紅葉のピークを狙いたいものです。ここでは、例年の傾向から導き出す2025年のベストシーズンと、お出かけ前に役立つ最新情報の確認方法について詳しく解説します。

10月下旬から11月中旬がベストシーズン

妻籠宿・馬籠宿周辺の紅葉は、例年10月中旬頃から標高の高い場所(馬籠峠など)で色づき始め、宿場町全体が見頃のピークを迎えるのは10月下旬から11月中旬にかけてです。

この時期になると、歴史的な建物の黒い板壁や格子戸に、燃えるようなカエデの赤や、ケヤキ・柿の木の黄色が鮮やかに映え、宿場町は一層趣深い雰囲気に包まれます。中山道のハイキングコースも、美しい紅葉のトンネルとなります。

2025年のピーク予想と最新の色づき状況の確認方法

2025年10月上旬現在、秋の気温は平年並みに推移する見込みです。そのため、紅葉の色づきも例年通りに進むと予想されます。2025年のピークは、11月上旬の文化の日を挟んだ連休あたりとなる可能性が高いでしょう。

より正確な情報を得るためには、お出かけ前に以下の方法で最新の状況を確認するのがおすすめです。

  • 各観光協会の公式サイト:
    妻籠宿は「南木曽町観光協会」、馬籠宿は「中津川市観光協会」のサイトで、紅葉の見頃情報が写真付きで詳しく更新されます。最も信頼できる情報源です。
  • SNS(InstagramやX):
    「#妻籠宿」や「#馬籠宿」、「#中山道」などのハッシュタグで検索すると、訪れた人のリアルタイムな投稿を見ることができます。現在の色づき具合や、ハイキングコースの状況などを判断するのに非常に役立ちます。

【ハイライト】中山道ハイキングで楽しむ峠越えの紅葉

妻籠宿と馬籠宿を訪れたなら、ぜひ体験したいのが、二つの宿場町を結ぶ「中山道ハイキング」です。江戸時代の旅人と同じ古道を歩き、峠を越えるこのコースは、秋になると美しい紅葉に包まれます。ここでは、ハイキングコースの詳細と、楽しむためのポイントを解説します。

コースの所要時間・距離・難易度

妻籠宿と馬籠宿を結ぶ中山道ハイキングコースの概要は以下の通りです。

  • 距離:約9km
  • 所要時間:約2時間半~3時間(休憩時間含まず)
  • 難易度:初心者向け

道はよく整備されており、急な登りも馬籠峠の前後だけなので、普段着に近い服装で、気軽に楽しむことができます。特に、坂道の馬籠宿からスタートし、長い下り坂となる妻籠宿へ向かうルートが、体力的な負担が少なくおすすめです。

ハイキングの服装と持ち物のポイント

服装は、動きやすく、体温調節がしやすい重ね着が基本です。秋の峠道は日中でも肌寒く感じることがあるため、一枚羽織るものがあると良いでしょう。

靴は、必ず履き慣れたスニーカーやウォーキングシューズで。石畳や土の道が続くため、ヒールやサンダルは危険です。

持ち物は、飲み物やタオル、急な雨に備えた折りたたみ傘など。山道では熊が出没する可能性もゼロではないため、熊よけの鈴を身につけておくと、より安心です。

【便利なサービス】
妻籠・馬籠の両観光案内所間では、有料の「手荷物運搬サービス」(期間限定)があります。大きな荷物を預けて、身軽な格好でハイキングを楽しめる、非常に便利なサービスです。

紅葉の見どころとおすすめ撮影スポット

妻籠宿、馬籠宿、そして二つを結ぶ中山道。それぞれの場所で、趣の異なる美しい秋の風景に出会うことができます。ここでは、散策やハイキングの途中でぜひ足を止めたい、見どころと撮影スポットをご紹介します。

【妻籠宿】うだつの上がる町並みと紅葉

江戸時代の宿場町の姿を完璧に保存した妻籠宿は、町並み全体が紅葉の見どころです。黒い板壁の古い家々と、その軒先や背景の山々を彩る赤や黄色のコントラストは、まるで時代劇のワンシーンのよう。

裕福な家の証であった「うだつ」が上がる家並みを探したり、国の重要文化財である「脇本陣奥谷(わきほんじんおくや)」の囲炉裏端から、庭園の紅葉を眺めたりと、歴史情緒あふれる秋の散策が楽しめます。

【馬籠宿】石畳の坂道と水車小屋

馬籠宿のハイライトは、なんといっても石畳が美しい坂道の風景です。坂の下から見上げる、あるいは坂の上の見晴台から見下ろす宿場町の全景は、絶好の撮影スポット。坂道の両脇に並ぶ家々の格子戸や軒先の干し柿、そして鮮やかな紅葉が一体となった、絵画のような景色が広がります。

坂の中腹にある大きな水車小屋も人気の撮影ポイント。ゴトン、ゴトンと音を立てて回る水車と、その脇で色づくモミジの組み合わせは、日本の秋の原風景を感じさせてくれます。

【道中】男滝・女滝や馬籠峠からの眺め

妻籠宿と馬籠宿を結ぶ中山道の道中にも、見どころはたくさんあります。ハイキングコースの中間地点あたりには、「男滝(おだき)・女滝(めだき)」という二つの滝があります。流れ落ちる滝の音を聞きながら、紅葉に囲まれて一休みするのに最適な場所です。

また、コースの最高地点である「馬籠峠」の展望台からは、紅葉に染まる木曽の山々を見渡すことができます。江戸時代の旅人も眺めたであろう景色に、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

旅の楽しみ!名物「五平餅」などの食べ歩きグルメ

中山道ハイキングや宿場町の散策でお腹が空いたら、ぜひ地元の名物グルメを味わってみましょう。妻籠宿・馬籠宿の街道沿いには、手軽に楽しめる美味しいものがたくさん。美しい紅葉と共に、その土地ならではの味覚を堪 यात्रियोंするのが、旅の醍醐味です。

香ばしいタレが絶品!「五平餅」

木曽路を代表する郷土料理といえば、何といっても「五平餅(ごへいもち)」です。うるち米を炊いて潰し、平たい串に付けて炭火で焼き上げます。

お店によって少しずつ味が違いますが、クルミや胡麻、エゴマなどをすり潰して作る、甘辛い味噌ダレが特徴。注文すると、その場でタレを付けて香ばしく焼いてくれます。アツアツの五平餅を片手に、歴史ある町並みを歩くのは最高の体験です。

秋の味覚「栗きんとん」

馬籠宿がある岐阜県中津川市周辺は、栗の名産地として知られています。そのため、秋になると多くのお店に「栗きんとん」が並びます。

栗きんとんは、栗と砂糖だけを原料に、茶巾で絞って作られる、シンプルながらも上品な和菓子。その年に収穫されたばかりの「新栗」で作られるこの時期の栗きんとんは、栗本来の豊かな風味と、ほっくりとした自然な甘みが格別です。まさに秋限定の、旬の味覚です。

素朴な味わい「おやき」

妻籠宿がある長野県側の名物が「おやき」です。小麦粉やそば粉の皮で、野沢菜やきのこ、かぼちゃといった具材を包んで、焼いたり蒸したりした素朴な郷土料理です。

野菜がたっぷり入った惣菜系のものから、あんこが入った甘いものまで、種類は様々。一つでも食べ応えがあり、ハイキング中のエネルギー補給にもぴったり。温かいおやきは、秋の肌寒い日に心も体も温めてくれます。

アクセス・駐車場情報と二宿間の移動方法

妻籠宿と馬籠宿は、それぞれ長野県と岐阜県に位置するため、アクセス方法が少し異なります。特に、二つの宿場町の間をハイキングする際には、移動手段の計画が非常に重要になります。ここでは、各宿場町へのアクセスと、便利な移動方法について解説します。

【車】中央道「中津川IC」からのアクセスと駐車場

二つの宿場町を巡るには、車でのアクセスが最も自由度が高く便利です。中央自動車道の「中津川IC」で降り、馬籠宿までは約20分、妻籠宿までは約40分で到着します。

駐車場は、妻籠宿・馬籠宿ともに、複数の市営・町営駐車場(無料・有料あり)が整備されています。ただし、紅葉シーズンの週末は大変混雑し、中心部に近い駐車場は早い時間帯に満車になることもあります。

【電車・バス】JR「南木曽駅」「中津川駅」から

公共交通機関を利用する場合、目指す宿場町によって最寄り駅が異なります。

  • 妻籠宿へ行く場合:
    JR中央本線「南木曽(なぎそ)駅」で下車。駅前から路線バス(おんたけ交通)に乗り、約10分で到着します。
  • 馬籠宿へ行く場合:
    JR中央本線「中津川駅」で下車。駅前から路線バス(北恵那交通)に乗り、約25分で到着します。

【重要】妻籠・馬籠間を結ぶ路線バス

中山道ハイキングを片道だけ楽しむ場合、二つの宿場町を結ぶ路線バスの存在が非常に重要になります。

例えば、「馬籠宿に車を停め、バスで妻籠宿へ移動し、ハイキングで馬籠宿へ戻ってくる」といった計画が可能です。

ただし、この路線バスは運行本数が1時間に1本程度と非常に少ないため、利用する場合は、事前に必ず時刻表を確認し、バスの時間に合わせてハイキングの計画を立てることが必須です。特に、最終バスの時刻にはくれぐれもご注意ください。

まとめ|江戸情緒あふれる宿場町で、秋色の古道歩きへ

妻籠宿の紅葉
この記事では、2025年の妻籠宿・馬籠宿の紅葉について、見頃の時期や二つの宿場町の魅力、そしてハイライトである中山道ハイキングまで詳しく解説しました。

江戸時代の面影を色濃く残す、歴史的な町並みが広がる妻籠宿と馬籠宿。見頃となる10月下旬から11月中旬にかけては、宿場町全体が燃えるような色彩に包まれ、一年で最も美しい季節を迎えます。

二つの宿場町を結ぶ中山道の古道を、紅葉に染まる森の中を歩くハイキングは、ここでしかできない特別な体験です。散策の合間には、名物の「五平餅」などの食べ歩きグルメも忘れずに。

ぜひこの記事を参考に、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような美しい町並みと、日本の秋の原風景に出会う、素晴らしい旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

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