上高地の紅葉

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【2025】上高地の紅葉の見頃時期、見どころを解説

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上高地とは?神々が降り立つ地の紅葉・黄葉

上高地の紅葉
長野県松本市、北アルプスの懐に抱かれた日本を代表する山岳景勝地「上高地」。その名は、かつて「神が降り立つ地」として「神降地」と記されたことに由来すると言われています。手つかずの雄大な自然が広がるこの場所は、秋になると神々しいほどの色彩に包まれ、一年で最も美しい季節を迎えます。

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「神降地」とも呼ばれる日本を代表する山岳景勝地

標高約1,500mに位置する上高地は、その貴重な自然環境から、国の文化財(特別名勝・特別天然記念物)にも指定されています。透き通ったエメラルドグリーンの水をたたえる梓川(あずさがわ)、その向こうにそびえる3,000m級の穂高連峰、そして広大な原生林。その全ての要素が完璧に調和した風景は、まさに圧巻の一言です。

年間120万人以上が訪れるこの場所は、訪れる人々の心を洗い、明日への活力を与えてくれる、特別なパワースポットでもあります。

主役は赤色ではない!黄金色に輝く「カラマツの黄葉」

「紅葉」というと燃えるような赤色を想像しがちですが、上高地の秋の主役は、赤色ではありません。

10月中旬以降、クライマックスを飾るのは、針葉樹でありながら紅葉(黄葉)する、珍しい木「カラマツ」です。上高地の森の多くを占めるこのカラマツが一斉に色づくと、渓谷全体がまばゆいばかりの「黄金色」に染め上げられます。

山の斜面を黄金色に染める「黄葉(こうよう)」と、所々にアクセントを加えるカエデ類の「紅葉(こうよう)」が織りなす、ダイナミックな色彩のコントラストこそ、上高地の秋が持つ最大の魅力なのです。

【最重要】上高地は「通年マイカー規制」です

上高地への旅行を計画する上で、絶対に知っておかなければならない最も重要なルールがあります。それは、上高地へ至る道が「通年マイカー規制」の対象であるということです。つまり、自家用車やバイク、自転車で上高地へ直接乗り入れることは一切できません。これを知らずに現地へ向かうと、ゲートの前で引き返すことになってしまいます。

なぜマイカーで行けないのか?

マイカー規制が行われている主な理由は2つあります。

  1. 貴重な自然環境の保護:
    上高地は「中部山岳国立公園」の特別保護地区に指定されています。排気ガスや騒音を最小限に抑え、国の特別名勝・特別天然記念物でもある、脆弱で貴重な自然環境を守るために、厳しい車両規制が敷かれています。
  2. 交通渋滞の解消:
    かつてマイカーの乗り入れが可能だった時代、上高地へ続く一本道は慢性的な大渋滞に悩まされていました。現在の規制は、限られた道と駐車場で、多くの観光客がスムーズに訪れることができるようにするための、重要な仕組みなのです。

麓の駐車場でバス・タクシーへの乗り換えが必須

では、どうやって上高地へ向かうのか。答えは、麓にある指定の駐車場に車を停め、そこから専用の「シャトルバス」または「タクシー」に乗り換えるという方法です。

乗り換えの拠点となる駐車場は、長野県側と岐阜県側の2か所にあります。

  • 長野県・松本方面から:「さわんど駐車場」でシャトルバス・タクシーに乗り換え
  • 岐阜県・高山方面から:「あかんだな駐車場」でシャトルバス・タクシーに乗り換え

どちらの方面から訪れるかによって利用する駐車場が変わります。詳しいアクセス方法は後の章で解説しますが、まずは「麓の指定駐車場で必ず乗り換える」というルールを、必ず覚えておいてください。

【2025年】上高地の紅葉・黄葉の見頃はいつ?

標高1,500mに位置する上高地は、秋の訪れが平地よりもずっと早く、その見頃も短いのが特徴です。また、主役となる木々の種類によって、見頃の時期が「赤の季節」と「黄色の季節」の二段階に分かれます。この違いを理解して、お目当ての絶景を狙いましょう。

【9月下旬~】カエデ・ナナカマドの紅葉がスタート

上高地に最初に秋の彩りをもたらすのが、カエデやナナカマドといった木々の「紅葉(こうよう)」です。9月下旬頃から色づき始め、10月上旬から中旬にかけてピークを迎えます。

まだ緑色が残る針葉樹や、これから色づくカラマツの森の中に、燃えるような赤色がアクセントとして映える、コントラストが美しい季節です。特に、梓川沿いのカエデの赤は見事です。

【10月中旬~下旬】カラマツの黄葉がピーク!黄金色の上高地へ

上高地の秋のクライマックスであり、最も象徴的な風景が広がるのが、カラマツの「黄葉(こうよう)」です。カエデ類の紅葉が終わりに近づく10月中旬頃から、上高地の森の大部分を占めるカラマツが一斉に黄金色へと染まっていきます。

見頃のピークとなる10月中旬から下旬にかけては、穂高連峰の険しい岩肌と、谷を埋め尽くす黄金色のカラマツ林とのコントラストが、息をのむほどの絶景を創り出します。この「黄金色の上高地」こそ、多くの人が憧れる秋の風景です。

2025年のピーク予想と最新情報の確認方法

この記事を執筆している2025年10月6日現在、まさにカエデやナナカマドの紅葉が見頃のピークを迎えており、カラマツの黄葉もいよいよ本格的に始まろうとしています。

2025年のカラマツ黄葉のピークは、10月の第3週から第4週(10月18日~31日頃)となる可能性が高いでしょう。

山間部の紅葉状況は日々変化します。お出かけ前には、以下の方法で必ず最新情報を確認してください。

  • 上高地 公式サイト:
    トップページで、「本日の上高地」として、河童橋や大正池のライブカメラ映像と、最新の紅葉状況が毎日更新されます。最も信頼できる情報源です。
  • 公式SNS(XやInstagram):
    公式サイトと連動し、日々の美しい写真が投稿されます。
  • SNSのハッシュタグ検索:
    「#上高地」や「#上高地紅葉」、「#カラマツ黄葉」で検索すると、訪れた人のリアルタイムな投稿を見ることができます。

紅葉の見どころと定番ハイキングコース

上高地には、その壮大な自然美を堪能できる見どころが点在しています。特に、バスの終点である上高地バスターミナルの一つ手前の「大正池」でバスを降り、そこから河童橋、さらに奥の明神池を目指して歩くのが、秋のハイキングの王道コース。ここでは、そのルートに沿って、絶対に外せない3つの絶景スポットをご紹介します。

【大正池】焼岳と立ち枯れの木々が映る絶景

上高地散策のスタート地点として最適なのが「大正池」です。大正時代の焼岳(やけだけ)の噴火によって生まれたこの池は、水面に立ち枯れの木々が佇む、幻想的な風景で知られています。

風のない早朝には、鏡のような水面に、今も噴煙を上げる焼岳と、黄金色に染まったカラマツの黄葉がくっきりと映り込みます。朝もやがかかる時間帯は特に神秘的。ここから始まるハイキングへの期待感を高めてくれる、上高地を代表する景色の一つです。

【河童橋】上高地のシンボルと穂高連峰の大パノラマ

大正池から梓川沿いの遊歩道を約1時間歩くと、上高地のシンボルであり、最も賑わう中心地「河童橋(かっぱばし)」に到着します。

この吊り橋の上から眺める景色こそ、多くの人が上高地と聞いて思い浮かべる風景でしょう。目の前には、岩肌もあらわな奥穂高岳や前穂高岳といった3,000m級の穂高連峰がそびえ立ち、その下をエメラルドグリーンの梓川が流れます。秋には、山肌を埋め尽くすカラマツの黄葉が、この雄大な景色に最高の彩りを添えます。

【明神池】神聖な空気が漂うパワースポット

時間に余裕があれば、ぜひ河童橋からさらに1時間ほど歩いて、穂高神社奥宮の神域にある「明神池(みょうじんいけ)」まで足を延ばしてみましょう。

ひょうたん形をした大小二つの池からなる明神池は、常に伏流水が湧き出ているため、驚くほど透明度が高く、周囲の木々を美しく映し出します。静寂と神聖な空気に包まれたこの場所は、上高地随一のパワースポットとも言われています。燃えるようなカエデの赤色と、カラマツの黄金色が水面に揺らめく光景は、まさに神々しいほどの美しさです。(※明神池の拝観には拝観料が必要です)

アクセス方法を徹底解説【松本方面/高山方面】

上高地へのアクセスは、「通年マイカー規制」というルールを理解することが第一歩です。自家用車は麓の指定駐車場に停め、そこからシャトルバスかタクシーに乗り換える必要があります。ここでは、長野県側(松本方面)と岐阜県側(高山方面)の2つの主要ルート、そして便利な直行バスについて詳しく解説します。

【長野県・松本方面から】沢渡(さわんど)駐車場ルート

首都圏や関東方面から訪れる場合に利用するのが、こちらのルートです。

まず、車の場合は長野自動車道「松本IC」で降り、国道158号線を上高地方面へ約1時間。電車の場合は、JR「松本駅」から松本電鉄に乗り換え、終点の「新島々駅」で下車します。

車・電車いずれの場合も、乗り換え拠点となるのが「さわんど駐車場」エリアです。ここに車を停めるか、新島々駅からのバスで到着した後、上高地行きのシャトルバスまたはタクシーに乗り換えます。さわんどから上高地バスターミナルまでは約30分です。

【岐阜県・高山方面から】あかんだな駐車場ルート

名古屋・関西方面から訪れる場合に利用するのが、こちらのルートです。

車の場合は、東海北陸自動車道「高山IC」で降り、国道158号線を平湯温泉方面へ約1時間。目指すのは、乗り換え拠点となる「あかんだな駐車場」です。

ここに車を停め、上高地行きのシャトルバスまたはタクシーに乗り換えます。あかんだな駐車場から上高地バスターミナルまでは約35分です。

首都圏・関西圏からの直行バスについて

車の運転や乗り換えの手間を省きたい方には、都市部から上高地へ直接向かう「直行バス」が最も便利です。

東京(新宿)や大阪(梅田)、京都、名古屋といった主要都市から、上高地バスターミナル行きの高速バスが毎日運行しています。夜行便を利用すれば、早朝に上高地に到着し、一日を有効に使うことができます。

紅葉シーズンの週末は大変人気が高く、満席になるのが早いため、旅行の計画が決まり次第、早めに予約することをおすすめします。

【要注意】11月15日の閉山式と冬期閉鎖

上高地への秋の旅行を計画する上で、紅葉の見頃と同じくらい、いや、それ以上に重要なのが「閉山日」の存在です。上高地は一年中いつでも訪れることができる場所ではありません。厳しい冬の間は完全に閉鎖されるため、訪問できる期間には限りがあります。

上高地に入れるのは11月15日まで!

上高地へのシャトルバスやタクシーが運行し、一般の観光客が入山できるのは、毎年11月15日までと決まっています。

この最終日には、河童橋のたもとで、冬の間の安全を祈願する「閉山式」が執り行われます。この日を境に、上高地へ至る釜トンネルのゲートは固く閉ざされ、翌年の春まで長い冬の眠りにつきます。

紅葉の見頃が10月下旬にピークを過ぎ、11月上旬にはカラマツも落葉して冬の気配が漂い始めます。11月中旬に旅行を計画している方は、閉山日に間に合うかどうか、日程を慎重に確認してください。

閉山期間と来シーズンの開通について

11月16日から翌年の4月中旬までの約5か月間、上高地は冬期閉鎖となります。この期間は、シャトルバスやタクシーは一切運行されず、ホテルや食堂、ビジターセンターといった全ての施設が営業を終了します。

雪に閉ざされた冬の上高地は、十分な装備と技術、経験を持つ冬山登山者だけの世界であり、一般の観光客が立ち入ることはできません。

再び上高地への扉が開かれるのは、例年4月17日の開通日です。そして、4月27日には本格的なシーズンの幕開けを告げる「開山祭」が開催されます。

服装・持ち物と混雑情報

標高1,500mに位置する上高地は、秋の気候も平地とは大きく異なります。また、日本を代表する観光地だけに、紅葉のピークシーズンは大変な混雑に見舞われます。安全・快適に絶景を楽しむために、服装の準備と混雑への対策は万全にしておきましょう。

10月でも服装は「真冬」の準備を!

紅葉シーズンである10月の上高地は、平地の感覚で訪れると、その寒さに驚くことになります。日中の日差しの中は暖かく感じても、朝晩は気温が0℃近くまで下がり、霜が降りることも珍しくありません。10月下旬には雪が舞うこともあります。

服装は、体温調節がしやすい「重ね着」が基本ですが、必ずフリースや薄手のダウンジャケットといった、しっかりとした防寒着を用意してください。特に早朝から訪れる場合は、手袋、ニット帽、ネックウォーマーといった冬用の小物も必須です。靴は、長い距離を歩くため、履き慣れたトレッキングシューズやウォーキングシューズがおすすめです。

週末のバス乗り場は大混雑!回避のポイント

紅葉がピークを迎える10月中旬~下旬の週末は、上高地へ向かうシャトルバス乗り場が大変混雑します。特に、午前8時~10時頃は、バスに乗るまでに長い行列ができます。

そして、最も混雑するのが、帰りの上高地バスターミナルです。午後3時以降は、駐車場へ戻るバスを待つ人々で長蛇の列となり、1時間以上待つことも覚悟しなければなりません。この混雑を避けるためには、

  1. 可能な限り平日に訪れる。
  2. 週末であれば、朝一番(午前6時~7時台)のバスで向かう。
  3. 帰りは、混雑のピークとなる午後3時より前にバスターミナルに戻るか、逆に最終バス近くまで滞在する。

といった対策が有効です。

まとめ|神々しいほどの黄金色の世界の上高地へ

上高地の紅葉この記事では、2025年の上高地の紅葉・黄葉について、見頃の時期や見どころ、そして最も重要なアクセス方法や服装の注意点まで詳しく解説しました。

「神降地」の名にふさわしい、神々しいほどの絶景が広がる上高地。その秋の主役は、渓谷全体を黄金色に染め上げるカラマツの黄葉です。見頃となる10月中旬から下旬にかけては、穂高連峰の険しい岩肌と、黄金色の森、そして梓川の青い水のコントラストが、訪れるすべての人を魅了します。

訪問の際は、「通年マイカー規制」のため、麓の駐車場で必ずシャトルバスに乗り換えること、そして10月でも服装は真冬の準備が必要であることを忘れないでください。また、11月15日には閉山となるため、訪問できる期間は限られています。

ぜひこの記事を参考に万全の準備をして、日本が世界に誇る山岳リゾートで、一生心に残る感動的な秋の風景に出会ってみてはいかがでしょうか。

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