【2025】鳳鳴四十八滝の紅葉の見頃時期や見どころを解説

【2025年】鳳鳴四十八滝の紅葉の見頃時期はいつ？

仙台と山形を結ぶ国道48号線沿い、作並温泉（さくなみおんせん）エリアに位置する「鳳鳴四十八滝（ほうめいしじゅうはちたき）」。仙台市中心部からもアクセスしやすく、ドライブコースの定番スポットとして人気です。

「四十八滝」とは、文字通り48の滝があるという意味ではなく、広瀬川（ひろせがわ）の上流部が約2.5kmにわたり、大小さまざまな滝や淵（ふち）が連続している様子を表しています。「鳳鳴」とは、滝の音が伝説の鳥・鳳凰（ほうおう）の鳴き声に似ていることから名付けられたとされています。

新緑の季節も美しいですが、この渓谷が最も輝くのが秋の紅葉シーズン。ゴツゴツとした岩肌の渓谷を、白い水しぶきを上げる滝の流れと、燃えるような赤や黄色に染まった木々が彩る光景は、まさに圧巻の渓谷美です。

2025年にこの美しい紅葉を楽しみたいと計画されている方へ、まずは最も重要な「紅葉の見頃時期」について、例年の傾向から詳しく解説します。

2025年の見頃予想：10月下旬～11月上旬

結論からお伝えすると、2025年の鳳鳴四十八滝の紅葉の見頃は、例年通り10月下旬から11月上旬になると予想されます。

鳳鳴四十八滝は、仙台市中心部と比べると標高が高く、山形県との県境にも近い山間部に位置しています。そのため、紅葉の色づきが平野部よりも早いです。

例年10月中旬頃から、渓谷を彩るカエデやウルシ、ブナ、ナラといった木々が色づき始め、10月下旬にピーク（最盛期）を迎えます。この時期は、渓流のエメラルドグリーンと、赤・黄・橙が織りなす錦秋のコントラストが最も鮮やかになるベストシーズンです。

11月上旬に入ると徐々に落葉が始まり、晩秋の趣へと移り変わっていきます。2025年の紅葉狩りを計画するなら、「10月20日過ぎから11月10日頃まで」を目安にすると、美しい景色に出会える可能性が最も高いでしょう。

仙台市中心部より一足早い色づき

紅葉狩りの計画で注意したいのが、同じ仙台市内でも場所によって見頃の時期が全く異なる点です。

例えば、仙台市中心部の瑞鳳殿（ずいほうでん）や青葉通りのケヤキ並木の見頃は、例年11月中旬から下旬です。しかし、山間部にある鳳鳴四十八滝は、それらのスポットよりも約2週間から3週間も早く紅葉のピークを迎えます。

「仙台市内の紅葉にはまだ早い」と思って油断していると、鳳鳴四十八滝のベストシーズンを逃してしまうことになります。「市街地が色づく前に、一足早く紅葉を楽しめるスポット」として覚えておきましょう。逆に、市街地の紅葉が見頃を迎える頃には、鳳鳴四十八滝はすでに落葉している可能性が高いため、訪問時期を間違えないよう注意が必要です。

鳳鳴四十八滝 必見の紅葉見どころ3選

国道48号線沿いというアクセスの良さにありながら、ダイナミックな渓谷美と紅葉の競演が楽しめる鳳鳴四十八滝。その美しさを堪能できるビュースポットは、主に国道沿いと、そこから続く遊歩道に集約されています。

気軽に車から降りて眺めることも、少し歩いて渓谷の迫力を間近に感じることもできるのが、このスポットの魅力です。ここでは、鳳鳴四十八滝の紅葉を最大限に楽しむための、必見の見どころを3つの視点からご紹介します。

見どころ①：大小の滝群と紅葉が織りなす渓谷美

鳳鳴四十八滝の最大の見どころは、その名の通り「滝」と「紅葉」のコラボレーションです。ゴツゴツとした無骨な岩肌を、広瀬川の清流が白い水しぶきを上げて流れ落ちていきます。

紅葉シーズンになると、この渓谷の両岸を覆い尽くすように、カエデやウルシ、ナラなどの木々が赤や黄色に鮮やかに色づきます。

まるで水墨画のような渓谷の岩肌に、鮮烈な紅葉の色彩が加わる様は圧巻です。白い滝の流れ、エメラルドグリーンの淵（ふち）、ゴツゴツした岩の黒、そして燃えるような紅葉。これら全てが一つの視界に収まるダイナミックな景観こそが、鳳鳴四十八滝の醍醐味です。

見どころ②：遊歩道と「広瀬橋」から眺める絶景

国道沿いの駐車場から、渓谷側へと続く短い遊歩道があります。ここを数分歩くと、渓谷に架かる古いコンクリート製のアーチ橋「広瀬橋」（※現在は歩行者専用）にたどり着きます。

この橋の上は、渓谷の紅葉を見渡すための絶好の展望台です。橋の上から上流側を眺めれば、紅葉に彩られた渓谷と、その奥に連なる滝群を一望できます。下流側を見れば、穏やかな川の流れが紅葉を映しながら続いているのが見えます。

車の音も届きにくく、滝の音と川のせせらぎだけが響く空間で、ゆっくりと渓谷美を堪能できるスポットです。遊歩道自体も紅葉のトンネルのようになっており、散策するだけでも秋の深まりを感じられます。

見どころ③：国道48号線沿いの手軽なビュースポット

「時間がない」「歩くのはちょっと…」という方でも、鳳鳴四十八滝の紅葉は楽しめます。国道48号線の山形方面に向かう車線沿い（駐車場のある側）には、「滝見台」として整備された歩道があります。

駐車場に車を停めて、わずか数十秒歩くだけで、この滝見台から眼下に広がる渓谷と紅葉の絶景を眺めることができます。国道沿いとは思えないほどのダイナミックな景観が目の前に広がり、その手軽さに驚くはずです。

ドライブの途中に車を停めて、気軽に絶景を楽しめるビュースポットとして非常に優秀です。ただし、交通量の多い国道沿いですので、車や歩行者には十分注意してください。

紅葉シーズンの混雑状況とおすすめの服装

国道48号線沿いという抜群のアクセスを誇る鳳鳴四十八滝。その手軽さゆえに、紅葉シーズンは多くの人がドライブの途中に立ち寄ります。

しかし、「国道沿いだから簡単」と油断していると、思わぬトラブルに見舞われることも。特に注意が必要なのが「駐車場の混雑」と「服装（寒さ対策と靴）」です。

鳳鳴四十八滝は山形県境にも近い山間部に位置しており、仙台市街地とは環境が大きく異なります。快適に紅葉狩りを楽しむために、この2つのポイントをしっかり押さえておきましょう。

週末の混雑は？国道沿いの駐車場に注意

鳳鳴四十八滝の紅葉狩りにおける最大のネック、それが「駐車場のキャパシティ」です。

国道48号線（山形方面行き車線側）に無料駐車場が整備されていますが、その台数はわずか10台程度しかありません。紅葉が見頃を迎える10月下旬から11月上旬の土日・祝日は、この駐車場が終日満車に近い状態になることも珍しくありません。

お昼前後のピークタイム（午前11時～午後2時頃）には、駐車場の空きを待つ車が国道にはみ出しそうになることもありますが、交通量が非常に多い幹線道路であるため、路上での長時間の待機は危険であり、推奨されません。

ただし、滝見台や遊歩道はそれほど広大ではなく、長居する人は少ないため、観光客の回転は比較的早いのが救いです。タイミングが良ければ、少し待つだけで停められることもあります。

混雑を確実に避けたいのであれば、「平日に訪れる」のが最も賢明です。週末しか行けない場合は、交通量が増え始める前の「午前10時前」か、日帰り客が帰り始める「午後3時半以降」といった、ピークタイムを外した訪問を強くおすすめします。

渓谷は冷える！散策に適した服装と靴

服装に関しても、市街地と同じ感覚で訪れると後悔することになります。ポイントは「防寒」と「足元」です。

■防寒対策
鳳鳴四十八滝は標高が高く、山間部の渓谷沿いに位置しています。常に仙台市中心部よりも3度～5度は気温が低いと考えてください。さらに、川沿いは日陰になる時間も長く、ひんやりとした風が吹き抜けるため、体感温度は実際の気温よりもさらに低く感じられます。

見頃を迎える10月下旬～11月上旬は、平地の晩秋から初冬の装いが必要です。フリースやセーターの上に、風を通さないウィンドブレーカーやマウンテンパーカーといったアウターは必須です。特に朝晩に訪れる場合は、マフラーや手袋、ニット帽があっても大げさではありません。

■靴選び
国道沿いの滝見台から眺めるだけならどんな靴でも問題ありませんが、鳳鳴四十八滝の醍醐味である遊歩道や「広瀬橋」まで足を延ばす場合は、靴選びが重要です。

遊歩道は整備されているものの、場所によっては階段があったり、紅葉の落ち葉が積もって滑りやすくなっていたりします。朝晩は朝露や湿気で濡れていることも。安全に散策を楽しむため、必ず歩きやすいスニーカーやウォーキングシューズを選んでください。ヒールのある靴や、底がツルツルした革靴、サンダルなどは非常に危険ですので絶対に避けましょう。

鳳鳴四十八滝へのアクセス・駐車場情報

鳳鳴四十八滝は、仙台と山形を結ぶ主要幹線道路「国道48号線」沿いという、ドライブの途中に気軽に立ち寄れる抜群の立地が魅力です。

しかし、その手軽さゆえに見落としがちな注意点も存在します。特に駐車場はキャパシティが非常に小さいため、事前に情報を知っておくことが快適な紅葉狩りの鍵となります。

ここでは、車でのアクセス方法と、公共交通機関を利用したアクセス方法について詳しく解説します。

車でのアクセス方法（仙台・山形方面から）

鳳鳴四十八滝へのアクセスは、車が最も一般的です。

■仙台方面から
仙台市中心部からは、国道48号線（作並街道）をひたすら山形方面へ直進します。作並温泉街を過ぎてすぐの場所（ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所の手前）にあります。
所要時間は、仙台市中心部から約40分～50分程度です。東北自動車道を利用する場合は「仙台宮城IC」で降り、国道48号線に合流するのが便利です。

■山形方面から
山形市中心部からは、同じく国道48号線を仙台方面へ直進します。関山トンネルを抜け、宮城県に入ってすぐの場所です。
所要時間は、山形市中心部から約30分～40分程度です。

国道沿いにあるため、どちらの方向から来ても見つけやすいですが、景色に見とれて通り過ぎないよう注意しましょう。

無料駐車場の場所と台数（約10台）

紅葉シーズンの訪問で、最も注意が必要なのがこの駐車場です。

滝のビュースポット（滝見台）に隣接して無料駐車場がありますが、その収容台数はわずか10台程度しかありません。紅葉シーズンの週末は、この狭い駐車場が満車になっている可能性が非常に高いです。

■駐車場の場所と注意点
駐車場は、国道48号線の「仙台方面から山形方面へ向かう車線側（左手）」にあります。仙台方面から来た場合は、そのまま左折して入ることができます。

一方で、山形方面から来た場合、駐車場は対向車線（右手）側になります。国道48号線は交通量が非常に多い幹線道路であり、対向車線を横切って右折で駐車場に入るのは非常に危険です。

山形方面から来訪した際は、無理な右折は絶対にせず、一度滝を通り過ぎてから「ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所」やその先の安全な場所でUターンし、仙台方面からの車線に戻ってから駐車場に左折で入るようにしてください。

公共交通機関（JR・バス）でのアクセス

車の運転ができない場合や、駐車場の混雑を避けたい場合は、公共交通機関でのアクセスも可能です。

■JR（仙山線）
最寄り駅は、JR仙山線の「作並駅」です。しかし、作並駅から鳳鳴四十八滝までは約5kmの距離があり、徒歩で向かうのは現実的ではありません（徒歩約1時間）。駅からのタクシー利用なども考慮する必要があります。

■バス（推奨）
車以外で最も現実的かつ便利なのが、仙台市営バスの利用です。

JR仙台駅西口バスプール（10番乗り場など）から、「作並温泉」行きのバスに乗車します。約60分～70分で、最寄りのバス停「鳳鳴四十八滝入口」に到着します。バス停からは徒歩すぐ（約1分）で滝見台にアクセスできます。

本数は1～2時間に1本程度と多くはありませんが、仙台駅から乗り換えなしで直接アクセスできるため非常に便利です。訪問前に必ず最新の時刻表を確認しておきましょう。

あわせて寄りたい！周辺のおすすめ観光・温泉スポット

鳳鳴四十八滝（ほうめいしじゅうはちたき）は、国道48号線沿いにあり、気軽に立ち寄れるのが魅力のスポットです。そのため、ここだけを目的地にするよりも、周辺の魅力的な観光地と組み合わせたドライブコースの一部として訪れるのが最もおすすめです。

このエリアは、仙台の奥座敷とも呼ばれる「作並・定義（じょうぎ）エリア」に属しており、紅葉狩りとあわせて楽しめる温泉や、人気の観光施設が目白押しです。

鳳鳴四十八滝で渓谷美を堪能した後に、ぜひ足を延ばしてほしい定番の立ち寄りスポットを3つ厳選してご紹介します。

【定番】作並温泉（さくなみおんせん）で日帰り入浴

鳳鳴四十八滝を訪れたなら、すぐ近くにある「作並温泉」は外せません。滝からは車でわずか数分の距離にあり、「仙台の奥座敷」として古くから親しまれている名湯です。

「美女づくりの湯」とも称されるほど泉質が良いことで知られ、広瀬川の渓谷沿いに風情ある旅館が立ち並んでいます。多くの旅館では「日帰り入浴」を受け付けており、気軽に立ち寄ることが可能です。

紅葉シーズンの渓谷ドライブで少し冷えた体を、温泉でゆっくりと温めるのは最高の贅沢です。特に、渓谷の紅葉を眺めながら入れる露天風呂は格別。鳳鳴四十八滝の「動」の景色を楽しんだ後は、作並温泉の「静」の景色と癒やしを満喫してみてはいかがでしょうか。

ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所

お酒が好きな方や、大人の社会科見学に興味がある方には、「ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所」がおすすめです。鳳鳴四十八滝のすぐ近く、国道48号線を挟んでほぼ向かい側という、絶好のロケーションにあります。

緑豊かな峡谷に抱かれたこの蒸溜所は、ウイスキーの製造工程を見学できる（※要予約）だけでなく、その美しい赤レンガの建物群と紅葉のコントラストが非常に美しいことでも知られています。秋の季節は、まるでヨーロッパの古城のような雰囲気。

見学後にはウイスキーの試飲（無料）も楽しめます。ドライバーの方は飲めませんが、併設されたショップで限定ウイスキーやオリジナルグッズを購入するだけでも楽しめます。紅葉ドライブの知的なアクセントとして、ぜひ立ち寄ってみてください。

定義如来西方寺（定義さん）

もし時間に余裕があれば、国道48号線から少し山側へ足を延ばし、「定義如来西方寺（じょうぎにょらいさいほうじ）」、通称「定義さん」を訪れるのも素晴らしいプランです。

鳳鳴四十八滝からは車で約30分ほどの距離。縁結びや安産祈願で有名な古刹ですが、宮城県内屈指の紅葉の名所としても絶大な人気を誇ります。

荘厳な五重塔や本堂を彩る圧巻の紅葉はもちろん、名物の「三角定義あぶらあげ」は、揚げたてをその場で味わえる絶品グルメ。鳳鳴四十八滝で「渓谷の紅葉」を楽しんだ後、定義さんで「お寺の紅葉と名物グルメ」を楽しむという、紅葉尽くしの一日を過ごすことができます。

まとめ：2025年は作並ドライブで鳳鳴四十八滝の紅葉を楽しもう

今回は、仙台と山形を結ぶ国道48号線沿いにある絶景スポット「鳳鳴四十八滝（ほうめいしじゅうはちたき）」の、2025年の紅葉情報について詳しくご紹介しました。

アクセス抜群の国道沿いとは思えないほどのダイナミックな渓谷美と、白い水しぶきを上げる滝群、そして燃えるような紅葉が織りなすコントラストは、まさに圧巻の一言。作並エリアのドライブで、気軽に秋の絶景を楽しめるスポットとして非常におすすめです。

最後に、鳳鳴四十八滝の紅葉狩りを成功させるための重要なポイントをおさらいします。

• 2025年の見頃は「10月下旬～11月上旬」と予想されます。仙台市中心部より2～3週間早いので注意。
• 最大の魅力は、滝群と紅葉が織りなす迫力満点の渓谷美です。遊歩道や「広瀬橋」からの眺めがおすすめです。
• 駐車場は約10台と非常に少ないため、週末は混雑覚悟。平日の訪問や、午前中の早い時間帯が狙い目です。
• 山形方面から車で来る際は、危険な右折横断での駐車場進入は絶対に避けましょう。
• 渓谷沿いは市街地より寒いため、アウターなどの防寒対策と、遊歩道を歩くためのスニーカーは必須です。
• すぐ近くの「作並温泉」や「ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所」とセットで訪れるのが定番コースです。

2025年の秋は、ぜひ仙台・山形間のドライブがてら鳳鳴四十八滝に立ち寄り、手軽に楽しめる迫力満点の紅葉を満喫してみてはいかがでしょうか。