【2025】錦秋湖周辺の紅葉の見頃時期や見どころを解説

【2025年最新】錦秋湖の紅葉の見頃はいつからいつまで？

岩手県和賀郡西和賀町、秋田県との県境近くに位置する「錦秋湖（きんしゅうこ）」。湯田ダムによって形成されたこの雄大なダム湖は、その名の通り「錦（にしき）の秋」と称される、日本でも有数の紅葉スポットとして知られています。

湖を囲む雄大な山々が、赤、黄、褐色と色とりどりに染まり、それが広大な湖面に映り込む様子は圧巻の一言です。この絶景を余すところなく楽しむために、まずは2025年の最新の見頃情報と、例年の傾向について詳しく解説します。

2025年の見頃予想と最新の色づき情報

2025年の錦秋湖の紅葉は、10月中旬から順調に色づきが始まり、現在（2025年10月24日時点）、まさに見頃の「最盛期」を迎えています！

当初の予想通り、10月下旬に入り、朝晩の冷え込みが強まったことで一気に紅葉が進行しました。今週末（10月25日・26日）は、この秋一番の絶景が期待できるでしょう。湖畔のドライブはもちろん、後述する紅葉クルーズやJR北上線の車窓からも、燃えるような紅葉が楽しめます。このピークを逃さないよう、早めの計画をおすすめします。

例年の見頃は10月中旬～11月上旬

錦秋湖の紅葉は、例年10月中旬ごろから色づき始め、10月下旬にピークを迎え、11月上旬までと、比較的長い期間楽しむことができます。

これは、錦秋湖自体が非常に広大であり、周辺の山々にも標高差があるため、色づきのタイミングが場所によって少しずつずれるためです。特に、湖の水面に映る「逆さ紅葉」や、明け方の霧（川霧）と紅葉が織りなす幻想的な風景は、この時期ならではのものです。11月に入ると徐々に落葉が始まりますが、初雪と紅葉が重なる「三段染め」が見られる年もあります。

錦秋湖周辺の紅葉する木の種類

錦秋湖が「錦」と呼ばれるゆえんは、その紅葉の色彩の豊かさにあります。一つの色に染まるのではなく、多様な木々がモザイクのように山肌を彩ります。

主な木の種類は、黄色や褐色に色づく「ブナ」や「ナラ」、「イタヤカエデ」。そして、鮮烈な赤色を担当する「カエデ」類や「ウルシ」です。これらの木々が複雑に混ざり合い、光の当たり方によって刻々とその表情を変えるため、一日中見ていても飽きることがありません。この多彩なグラデーションこそが、錦秋湖の紅葉の最大の見どころです。

錦秋湖ならではの紅葉の見どころ！水没林と鉄道のある絶景

錦秋湖の紅葉が「錦」と称賛されるのには、ただ山が色づくだけではない、この場所ならではの特別な風景があるからです。広大な「湖面」、幻想的な「水没林」、そして湖を渡る「ローカル線」。これらが一体となった景観こそ、錦秋湖の紅葉の真骨頂です。

ここでは、写真愛好家からドライブを楽しむ観光客まで、すべての人を魅了する錦秋湖ならではの見どころを詳しく解説します。

見どころ①：湖面に映る山々の「逆さ紅葉」

錦秋湖は広大なダム湖であり、その水深と広さが、風のない穏やかな日には巨大な「水鏡」となります。紅葉シーズンに天候に恵まれると、湖を囲む山々が燃えるように染まった姿が、そのまま湖面に映り込む「逆さ紅葉」を見ることができます。

特に、風が止みやすい早朝の時間帯が狙い目です。青空と紅葉の鮮やかなコントラストが水面にも広がる光景は、息をのむほどの美しさ。後述する「道の駅 錦秋湖」の展望スペースや、湖畔のビュースポットから、この圧巻のシンメトリーを楽しむことができます。

見どころ②：幻想的な風景「水没林」と紅葉のコラボレーション

錦秋湖を象徴する風景として全国的に有名なのが「水没林」です。これは、ダムの水位変動によって、湖畔の木々（主にヤナギ）が水に浸かって立ち枯れ、幻想的な姿を見せるものです。

一般的に、雪解け水で水位が上がる春の新緑シーズンに最も神秘的な姿を見せますが、秋もまた違った魅力があります。紅葉シーズンは春に比べて水位が低いことが多いものの、水面から木々が立ち並ぶ独特の景観と、その背景に広がる山々の鮮やかな紅葉が組み合わさることで、静かで物悲しくも美しい、独特の雰囲気を醸し出します。水位が高い年に当たれば、紅葉が水没林に映り込む、より一層幻想的な光景に出会えることもあります。

見どころ③：ローカル線「JR北上線」が走る鉄道風景

錦秋湖の紅葉を語る上で絶対に外せないのが、湖畔を走り、湖上を鉄橋で渡る「JR北上線」の存在です。多くの鉄道ファンや写真家が、この絶景を求めて訪れます。

見どころは、湖に架かる「大荒沢橋梁」や「和賀仙人大橋（道路橋）」付近です。紅葉の山々を背景に、エメラルドグリーンの湖面を赤い車体のローカル列車（キハ100系など）がコトコトと渡っていく姿は、まるで絵葉書やジオラマの世界。これぞ「錦秋湖ならでは」の感動的な風景です。ただし、JR北上線は運行本数が非常に少ないため、撮影を狙う方は、事前に必ず時刻表を確認し、シャッターチャンスを逃さないように準備しましょう。

見どころ④：湖畔を走る紅葉ドライブ（国道107号線）

錦秋湖の紅葉は、特別な展望台に行かなくても、車窓から手軽に楽しむことができます。湖に沿って走る「国道107号線」は、それ自体が極上の紅葉ドライブコースです。

山肌を縫うように続く道は、カーブを曲がるたび、トンネルを抜けるたびに、次々と異なる表情の紅葉を見せてくれます。所々にある駐車スペースや、湖を見下ろせるビュースポイントで車を停め、雄大な景色をバックに記念撮影するのもおすすめです。焦らずゆっくりとドライブしながら、錦秋湖の広大さを体感してください。

【2025年】にしわが紅葉まつり＆湖上アクティビティ情報

錦秋湖の紅葉シーズンに合わせて、2025年は新たなイベントが開催されるほか、湖上から紅葉を楽しむアクティビティも（要予約で）体験可能です。ここでは、錦秋湖の秋をさらに満喫するためのイベントとアクティビティ情報をまとめます。

※多くの人が混同しやすい「錦秋湖湖水まつり」は5月のイベントですのでご注意ください。

【2025年10月26日】「にしわが紅葉まつり」が初開催！

2025年、西和賀町で初となる「にしわが紅葉まつり」が開催されます！紅葉がピークを迎える時期に合わせ、錦秋湖の美しい景観をバックに様々な催しが行われます。

• 開催日時：2025年10月26日（日） 10:00～15:00
• 開催場所：西和賀町文化創造館（銀河ホール）及び芝生公園、湖畔ステージ
• イベント内容：紅葉に彩られた錦秋湖を眺めながら、岩手・秋田両県の美味しいものが集まる飲食ブースや、「湯本鬼剣舞」などの団体によるステージイベントが楽しめます。
• 特典：JR北上線を利用して「ほっとゆだ駅」で下車した方には、当日まつり会場で使える300円券が配布される予定です（※なくなり次第終了）。

紅葉ドライブとあわせて、地元のグルメや芸能に触れる絶好の機会となりそうです。

紅葉クルーズは？秋の湖上カヌー・カヤック体験

錦秋湖では、春の新緑・水没林シーズンにカヌーやSUP、湖上遊覧が盛んに行われますが、秋の紅葉シーズンはどうでしょうか。

まず、現地で随時乗船できるような「定期遊覧船」や「紅葉クルーズ」の情報は、2025年10月現在、見当たりません。以前は旅行会社のツアーなどに組み込まれていたこともありますが、通年運航はしていないようです。

しかし、湖上から紅葉を楽しみたい方には「カヌー（カヤック）体験ツアー」という選択肢があります。西和賀町のガイドサービス（「アースクエスト」や「ネビラキ」など）が、6月～11月の期間でツアーを開催しています。「錦秋湖紅葉ツアー」として、3名以上の申し込みで随時開催（料金目安：10,000円/人～）といったプランがあり、秋の錦秋湖を水面から満喫できます。これらはすべて事前予約が必須となりますので、興味のある方は各ガイドサービスの公式情報を必ず確認してください。

注意：「錦秋湖湖水まつり」は5月のイベント

「錦秋湖」と聞くと「湖水まつり」を連想する方も多いですが、「錦秋湖湖水まつり」は、毎年5月の最終土曜日に「錦秋湖マラソン」の前夜祭として開催されるイベントです。

花火大会や春の湖上体験がメインであり、秋の紅葉まつりとは全く別の催しです。名前が似ているため混同しやすいですが、「秋のイベントは『にしわが紅葉まつり』」と覚えておきましょう。

錦秋湖へのアクセス方法とおすすめ駐車場

岩手県と秋田県の県境に位置する錦秋湖は、雄大な自然に囲まれているため、最も便利で自由度の高いアクセス方法は「車」となります。特に、最寄りのインターチェンジからは驚くほど近いため、ドライブ旅行には最適です。

一方で、公共交通機関（電車）での訪問も可能ですが、こちらは「ローカル線ならでは」の注意点がいくつか存在します。ここでは、それぞれのアクセス方法と、観光拠点として最適な駐車場情報について詳しく解説します。

車でのアクセス（秋田道「湯田IC」からすぐ）

車で訪れる場合、高速道路の利用が非常に便利です。最寄りのインターチェンジは秋田自動車道の「湯田IC（ゆだインターチェンジ）」です。

錦秋湖の主要なビュースポットや観光拠点（道の駅など）は、この湯田ICを降りて国道107号線に入れば、車でわずか5分から10分程度で到着します。高速道路の出口からこれほど近い場所に絶景が広がっているのは、大きな魅力と言えるでしょう。

また、錦秋湖の湖畔をなぞるように走る「国道107号線」は、それ自体が素晴らしい紅葉ドライブコースとなっています。湖を見下ろす展望スペースや、JR北上線が見える撮影スポットなどが点在しているため、時間に余裕を持ってドライブを楽しむことをおすすめします。

無料駐車場の場所と収容台数

錦秋湖の紅葉狩りで最もおすすめしたい駐車拠点は、「道の駅 錦秋湖」の無料駐車場です。

ここは湖畔の高台に位置しており、駐車場（普通車・大型車ともに無料）が完備されているだけでなく、展望台、レストラン、お土産処、トイレも併設されています。まさに錦秋湖観光のハブとなる場所です。紅葉シーズンは多くの車で賑わいますが、収容台数も比較的多いため安心です。

この道の駅を拠点に展望台から景色を眺めたり、国道107号線をドライブして他のビュースポット（「オロセのつり橋」付近など）を探したりするのが定番の楽しみ方です。国道沿いにも、路肩が広がった駐車スペースがいくつか設けられています。

公共交通機関でのアクセス（JR北上線「ほっとゆだ駅」）

電車を利用する場合、最寄り駅はJR北上線の「ほっとゆだ駅」となります。この駅は全国でも珍しい、駅舎内に温泉（川尻温泉）があるユニークな駅です。

ただし、電車でのアクセスには大きな注意点が2つあります。

1. 駅からの距離：「ほっとゆだ駅」から錦秋湖の中心的なビュースポットである「道の駅 錦秋湖」までは、約4km～5kmほどの距離があり、徒歩での移動は現実的ではありません。駅からタクシーを利用するか、バスの時刻を事前に調べる必要があります。
2. 運行本数の少なさ：JR北上線は、岩手県の北上駅と秋田県の横手駅を結ぶローカル線であり、運行本数が極めて少ない（1日を通して5～6往復程度）のが特徴です。

「電車で行って、紅葉を見て、次の電車で帰る」というプランは、時刻表を秒単位で確認し、綿密に計画しない限り非常に困難です。公共交通機関で訪れる際は、必ず最新の時刻表を確認し、タクシーの手配なども含めて検討してください。

錦秋湖の紅葉狩り｜服装と立ち寄りたい周辺スポット

錦秋湖の紅葉ドライブは、その絶景と引き換えに、特有の「寒さ」対策が必須です。また、広大な湖の周辺には、冷えた体を芯から温めたり、地元のグルメを味わったりできる、魅力的な立ち寄りスポットが揃っています。

ここでは、快適な紅葉狩りのための服装ガイドと、ドライブプランに必ず組み込みたい、おすすめの周辺スポットをご紹介します。

湖畔は寒い？紅葉狩りに適した服装と持ち物

結論から言うと、錦秋湖の紅葉シーズン（10月下旬～11月上旬）は「平野部とは比較にならないほど寒い」と覚悟してください。西和賀町は日本有数の豪雪地帯であり、標高も高いため、市街地よりも気温が大きく下がります。

特に、湖畔は遮るものがないため、湖面を渡る風が非常に冷たく、体感温度を容赦なく奪っていきます。車から降りて展望台で景色を眺めたり、JR北上線の撮影スポットで列車を待ったりする場面を想定し、万全の準備で臨みましょう。

• アウター：風を通さない、厚手のダウンジャケットや冬用のコートが必須です。
• インナー：フリースやセーターを中に着込み、さらに保温性の高い肌着（ヒートテックなど）を着用する「重ね着」が基本です。
• 小物類：手袋、マフラー（ネックウォーマー）、ニット帽は必ず持参してください。これらがあるだけで体感温度は全く違います。
• 持ち物：貼るタイプのカイロや、温かい飲み物を入れた水筒（魔法瓶）があると非常に重宝します。

ランチ・休憩に最適！「道の駅 錦秋湖」

錦秋湖の紅葉ドライブにおいて、観光の拠点として最も便利なのが「道の駅 錦秋湖」です。湯田ICからも近く、広大な無料駐車場とトイレ、展望スペースが完備されています。

ここは単なる休憩所ではなく、レストラン「レストラン錦秋」では、錦秋湖の絶景をパノラマで眺めながら食事をすることができます。西和賀町特産のそば粉を使った「西和賀そば」や、地元のキノコをふんだんに使ったメニューなど、ご当地グルメを味わうのに最適です。

また、特産品コーナーも充実しており、西和賀町の名物「ビスケットの天ぷら」など、ユニークなお土産も見つかります。紅葉狩りのプランは、まずこの道の駅を起点に考えるのがおすすめです。

冷えた体を温泉で！「湯田温泉峡」のおすすめ日帰り入浴

紅葉ドライブで冷え切った体を温めるのに、これ以上の贅沢はありません。西和賀町は、「湯田温泉峡（ゆだおんせんきょう）」と呼ばれる、県内でも有数の温泉地帯です。

錦秋湖周辺には、日帰り入浴（立ち寄り湯）が可能な温泉施設が点在しています。最もユニークで立ち寄りやすいのが、JR北上線の「ほっとゆだ駅」の駅舎に直結している「川尻温泉 ほっとゆだ」です。駅の中に本格的な温泉浴場（サウナ付）があるという全国的にも珍しい施設で、交通信号機を利用した「入浴信号」も名物です。

他にも、山あいの静かな「湯川温泉」など、風情ある湯が点在しています。錦秋湖の紅葉で目を癒し、最後は名湯で体を芯から温める。これぞ西和賀町の秋を満喫する最高の締めくくり方です。

まとめ：錦秋湖でしか見られない水と紅葉が織りなす絶景を楽しもう

この記事では、岩手県西和賀町が誇る紅葉の絶景スポット「錦秋湖」について、2025年の見頃や独自の見どころ、イベント情報、アクセス方法を詳しく解説しました。

その名の通り「錦の秋」を体現する錦秋湖の紅葉は、10月下旬から11月上旬がピーク。広大な湖面に山々の紅葉が映り込む「逆さ紅葉」は、まさに圧巻の一言です。

さらに、錦秋湖の魅力を唯一無二のものにしているのが、「水没林」の幻想的な風景と、紅葉の渓谷を赤い列車が渡る「JR北上線」の存在です。これらが一体となった風景は、他の紅葉名所では決して見ることができません。

2025年10月26日(日)には「にしわが紅葉まつり」も開催され、紅葉ドライブとあわせて地元のグルメやイベントも楽しめます。

訪問の際は、以下の3つのポイントをぜひ押さえてください。

1. アクセスは「湯田IC」から車で約5分と抜群。拠点は「道の駅 錦秋湖」が最適。
2. 湖畔は非常に寒いため、ダウンや手袋、帽子など「真冬並みの防寒対策」が必須。
3. ドライブ後は、駅舎温泉「ほっとゆだ」など「湯田温泉峡」で冷えた体を温めるのが最高のプラン。

車窓から、展望台から、そして湖畔から。様々な角度で楽しめる錦秋湖の壮大な紅葉を、ぜひ満喫しに出かけてみてください。