荒川高原の紅葉

岩手県

【2025】荒川高原の紅葉の見頃時期や見どころを解説

【2025年最新】荒川高原の紅葉の見頃時期はいつ?

「民話のふるさと」として知られる岩手県遠野市。その北部に広がる荒川高原は、早池峰山の南麓、標高約700mから1,000mに位置する広大な高原です。夏には馬が放牧される(荒川高原牧場)のどかな風景が広がりますが、秋になると、この雄大な草原と周辺の木々が一斉に色づき、圧巻の紅葉風景へと姿を変えます。

高原を遮るものがないため、360度の大パノラマで紅葉を楽しめるのが最大の魅力です。この絶景を確実に見るために、最も重要な「見頃の時期」について、2025年の最新予想と例年の傾向を詳しく解説します。

【2025】岩手県でおすすめの紅葉スポット7選と見頃時期予想
【2025】岩手県でおすすめの紅葉名所7選と見頃時期予想

【2025】岩手県の紅葉見頃時期のエリア・標高別予想 岩手県の紅葉の最大の魅力は、その広大な県土と標高差が織りなす「壮大な紅葉リレー」にあります。北海道の大雪山系に次いで、「本州で最も早く紅葉が始まる ...

続きを見る

2025年の見頃予想と最新の色づき情報

2025年(令和7年)の荒川高原の紅葉は、10月中旬から色づきが始まり、10月下旬から11月上旬にかけてピークを迎えると予想されています。(※2025年10月23日時点の予想)

ウェザーニュースの紅葉情報(10月23日時点)によると、まさに見頃(10月23日頃〜)を迎えたとされています。標高が高いため、岩手県内の平野部よりも一足早く紅葉が進行します。高原特有の朝晩の強い冷え込みと、日中の日差しによって、鮮やかな色づきが期待できます。今週末から11月初旬にかけてが、最も美しい紅葉ドライブを楽しめる絶好の機会となりそうです。お出かけ前には、最新の紅葉情報を再度確認することをおすすめします。

例年の見頃は10月中旬~11月上旬(カエデ・ナラ・ブナ)

例年の傾向を見ても、荒川高原の紅葉は10月中旬に色づき始め、10月下旬にピークを迎え、11月上旬まで長く楽しめます。これは、高原全体が広大であり、標高差もあるため、色づきのタイミングが場所によって少しずつ異なるためです。

荒川高原の紅葉が特に美しい理由は、その木々の種類の豊富さにあります。鮮やかな赤色に染まる「カエデ」類、そして高原の広範囲を黄金色や褐色に染め上げる「ナラ(ミズナラなど)」や「ブナ」といった落葉広葉樹です。

これらの木々が、広大な牧草地の「緑(あるいは黄金色)」と混ざり合い、まるでパッチワークのような美しいグラデーションを描き出します。特に、高原を走る林道のドライブウェイから見下ろす「紅葉の絨毯」は圧巻です。

荒川高原の紅葉の見どころは?雄大な牧場風景と紅葉の絨毯

荒川高原の紅葉が他の名所と大きく異なる点は、その圧倒的なスケール感にあります。標高1,000m前後の高原地帯には、視界を遮るものがほとんどありません。広大な草原と、その向こうに連なる山々が一体となって色づく様は、まさに「紅葉の海」や「紅葉の絨毯」と呼ぶにふさわしい絶景です。

ここでは、荒川高原を訪れた際に絶対に見逃せない、紅葉の見どころを3つのポイントに分けてご紹介します。

見どころ①:遮るものがない!360度の大パノラマと紅葉

荒川高原の最大の魅力は、その開放感です。高原の中心部からは、360度見渡す限りの大パノラマが広がります。東には早池峰山(はやちねさん)を望み、周囲の山々がカエデやナラ、ブナによって赤や黄色、褐色に染め上げられます。

目の前に広がる広大なスロープがすべて紅葉している景色は、箱庭のような紅葉とは全く違う、荒々しくも雄大な自然の力を感じさせてくれます。特に、晴れた日の青空と紅葉のコントラストは息をのむ美しさです。どこまでも続くかのような紅葉のうねりを、ぜひ体感してください。

見どころ②:牧場風景と紅葉のコントラスト(荒川高原牧場)

荒川高原は、古くから馬産地として知られ、現在も「荒川高原牧場」として牛や馬(寒立馬など)が放牧されています。(※放牧期間は例年6月頃から秋まで。紅葉シーズン終盤には馬がいない場合もあります)

紅葉シーズンには、色づいた山々を背景に、広大な草原でのんびりと草を食む馬や牛の姿という、牧歌的で非常に美しい風景に出会える可能性があります。黄金色に変わりつつある牧草地の「黄」と、紅葉の「赤」、そして空の「青」が織りなす色彩豊かなコントラストは、荒川高原ならではの貴重な見どころです。動物たちがいる風景は、紅葉の美しさを一層引き立ててくれます。

見どころ③:舗装された林道(市道)は絶好のドライブコース

荒川高原の中心部を貫くように、舗装された林道(市道)が整備されています。この道こそが、荒川高原の紅葉を楽しむためのメインステージです。

道は高原の尾根伝いを走るため、左右に次々と絶景が現れる、まさに「天空のドライブコース」となっています。標高を上げるにつれて紅葉の色づきが深まり、見下ろす谷は一面の紅葉で埋め尽くされます。急なカーブやアップダウンが続くため運転には注意が必要ですが、車窓を流れるパノラマの紅葉は、他では味わえない格別な体験です。ライトアップや紅葉祭りといったイベントはありませんが、ありのままの自然が作り出す壮大な紅葉を存分に楽しめます。

おすすめの撮影・ビュースポット

高原全体が見どころですが、特におすすめなのは、林道沿いにあるカーブミラーの設置された場所や、道幅が広くなった待避スペースです。これらの場所は視界が開けていることが多く、車を安全に停めて(駐車方法は後述)、ゆっくりと景色を眺めたり、写真を撮影したりするのに最適です。

特に、高原の頂上付近から遠野市街地側を見下ろすアングルや、早池峰山を背景にする構図は、荒川高原の雄大さを写真に収めることができる定番スポットとなっています。

荒川高原へのアクセス方法と最重要の「駐車場」情報

荒川高原はその雄大な景色の反面、アクセスには事前の準備と十分な注意が必要です。「民話のふるさと遠野」の中心市街地からも離れた山間部に位置するため、訪問手段は実質的に車(またはバイク・タクシー)に限られます。

そして、訪問者が最も戸惑うのが「駐車場」の問題です。ここでは、高原への行き方と、最も重要な駐車場のルールについて詳しく解説します。安全に紅葉ドライブを楽しむために、必ずご確認ください。

車でのアクセス(遠野ICから約60分)

荒川高原への主なルートは、釜石自動車道「遠野IC」を起点とします。

遠野ICから荒川高原の中心部までは、車で約60分(約30km)ほどの道のりです。遠野市街地を抜け、国道340号線(立丸峠方面)または主要地方道を経由し、高原へ向かう舗装された林道(市道)へと入っていきます。

市街地を離れると、道幅は次第に狭くなり、急なカーブや勾配が続く山道となります。紅葉シーズンは落ち葉が積もり、濡れていると非常に滑りやすくなります。また、標高が高いため天候も変わりやすく、霧が発生することもあります。対向車にも十分注意しながら、時間に余裕を持って安全運転を心がけてください。

【最重要】荒川高原には専用駐車場がありません!駐車時の注意点

ここが荒川高原を訪れる上で、最も重要な注意点です。

荒川高原には、観光地によくある「専用の駐車場」「駐車場(〇〇台)」といったスペースは一切ありません。

では、どこに車を停めるのかというと、高原を走る林道(市道)の「路肩の広い場所」や「待避所」に、他の車の通行を妨げないように停めることになります。これが現地での唯一の駐車方法です。

紅葉が見頃を迎える週末は、これらのスペースも混雑します。絶景が広がる場所では路肩に車が連なることもありますが、カーブの途中や見通しの悪い場所での駐停車は非常に危険ですので絶対にやめてください。また、牧草地への車の乗り入れは厳禁です。

駐車スペースが見つからなくても焦らず、必ず安全な待避所や、道幅に十分な余裕がある直線部分を探して停めるようにしましょう。このルールを守ることが、荒川高原を楽しむための大前提となります。

公共交通機関(JR遠野駅)からのアクセスは可能?

公共交通機関でのアクセスは非常に困難です。

最寄り駅はJR釜石線の「遠野駅」となりますが、遠野駅から荒川高原へ向かう路線バスは運行されていません。

遠野駅から荒川高原(中心部)までは約25km~30kmの距離があり、徒歩や自転車での訪問は現実的ではありません。もし公共交通機関を利用する場合は、遠野駅前からタクシーをチャーターする必要があります。タクシーの所要時間は片道約60分、料金も高額になるため、事前にタクシー会社へ料金の目安や往復の可否を確認・予約しておくことを強く推奨します。

荒川高原の紅葉狩り|服装と持ち物・注意点

荒川高原は、標高700mから1,000mに達する山岳地帯です。市街地とは全く異なる環境であることを強く意識し、入念な準備をしてから訪れる必要があります。美しい紅葉を安全に楽しむため、服装や持ち物、そして最も重要な安全対策について詳しく解説します。

標高が高く寒い!万全な防寒対策を(服装ガイド)

紅葉の見頃となる10月中旬から11月上旬、荒川高原の気候は「晩秋」ではなく、「初冬」に近いと考えるべきです。

一般的に、標高が100m上がるごとに気温は約0.6度下がると言われています。遠野市街地(標高約200m)と比較すると、荒川高原(標高1,000mと仮定)は単純計算で約4.8度も気温が低いことになります。さらに、高原は風を遮るものがないため、体感温度はそれ以上に低く感じられます。

遠野市街地で「少し肌寒いな(10度前後)」と感じる日でも、高原の上は5度以下になっている可能性があります。紅葉ドライブとはいえ、車から降りて景色を楽しむことを想定し、以下の装備を強く推奨します。

  • アウター:風を通さない厚手のダウンジャケットや、冬用のコート。
  • インナー:フリースやセーター、保温性の高いインナー(ヒートテックなど)を重ね着する。
  • 小物類:ニット帽、手袋、マフラーやネックウォーマー。これらがあるだけで体感温度は全く違います。
  • :車から降りて路肩を少し歩くことを考え、スニーカーは最低限とし、できれば底がしっかりしたトレッキングシューズなどが望ましいです。

「少し大げさかな?」と思うくらいの防寒対策が、高原では「ちょうど良い」レベルです。

トイレ・売店は?訪問前に準備すべきこと

荒川高原は観光地化されていない「ありのままの自然」が魅力の場所です。そのため、高原の道中には売店やコンビニ、自動販売機は一切ありません。

また、公衆トイレも基本的に設置されていません。(※一部の施設(冬季休業の場合あり)を除く)

訪問する際は、必ず遠野市街地のコンビニやスーパーで、飲み物や軽食(アメやチョコレートなどの行動食)を事前に購入してください。トイレも市街地で済ませてから高原に向かうのが鉄則です。ガソリンも同様に、市街地で満タンにしておくことをおすすめします。

熊よけの鈴は必要?安全対策について

岩手県の山間部は、ツキノワグマの生息地です。荒川高原周辺も例外ではなく、熊との遭遇には最大限の注意が必要です。

車でのドライブがメインとはいえ、車から降りて景色を眺めたり、写真を撮ったりする際には、必ず「熊よけの鈴」を携帯・着用し、自分の存在を熊に知らせるようにしてください。複数人でいる場合は、時折大きな声で話すことも有効です。

特に、早朝や夕暮れ時(薄暗い時間帯)は熊の活動が活発になるため、できるだけ日中の明るい時間帯に訪問し、暗くなる前に高原を下りるスケジュールを立てましょう。もちろん、食べ物のゴミを捨てることは厳禁です。高原の美しい自然と自らの安全を守るため、徹底した対策をお願いします。

紅葉ドライブとあわせて立ち寄りたい!遠野市の周辺観光スポット

荒川高原の雄大な紅葉ドライブを楽しんだ後は、高原を下りて「民話のふるさと」遠野市内の観光スポット巡りはいかがでしょうか。荒川高原が「手つかずの広大な自然」の魅力だとしたら、遠野の里は「人の暮らしと伝承が息づく、どこか懐かしい風景」が魅力です。

高原の絶景で高まった気分を、ノスタルジックな風景が優しく受け止めてくれます。ここでは、荒川高原からの帰り道や、遠野観光の拠点として外せない定番スポットをご紹介します。

「遠野ふるさと村」で昔ながらの風景に出会う

荒川高原から遠野市街地へ戻る途中(方面)にあるのが「遠野ふるさと村」です。ここは、江戸時代から昭和初期にかけての遠野地方の農家の暮らしを再現した野外博物館のような場所です。

敷地内には、馬と人が同じ屋根の下で暮らした「曲り家(まがりや)」をはじめとする茅葺き屋根の古民家が移築・復元されており、訪れるとまるで時代劇の世界にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。広大な敷地をのんびりと散策すれば、荒川高原のドライブとはまた違った、心安らぐ時間を過ごせるでしょう。田んぼや小川、水車など、日本の原風景がここにあります。

カッパ淵や「伝承園」で遠野物語の世界へ

遠野と聞いて「カッパ」を思い浮かべる方も多いでしょう。市内中心部からほど近い「カッパ淵」は、柳田國男の『遠野物語』に登場する、カッパが数多く住んでいたと伝わる場所です。

うっそうとした茂みに囲まれた小さな小川は、今にもカッパが出てきそうな不思議な雰囲気に包まれています。すぐ隣には、遠野の文化や伝承を学べる「伝承園」があります。ここには、国の重要文化財である「菊池家曲り家」や、千体のオシラサマ(養蚕の神様)が祀られた「御蚕神堂(おしらどう)」があり、その光景は圧巻です。遠野ならではのディープな文化に触れるには必見のスポットです。

ランチ・休憩におすすめの道の駅・飲食店情報

荒川高原には飲食店や売店が一切ないため、ランチや休憩は遠野市街地に戻ってからとなります。車での立ち寄りに便利なのが「道の駅 遠野風の丘」です。

遠野ICのすぐ近くにあり、アクセスは抜群。レストランでは遠野名物の「ジンギスカン」や、郷土料理の「ひっつみ」などを味わえます。また、地元の新鮮な野菜や特産品、お土産も豊富に揃っているため、ドライブの最後に立ち寄る場所として最適です。

もちろん、JR遠野駅周辺にもジンギスカンの名店や、レトロな雰囲気の食堂が点在しています。高原ドライブで冷えた体を、温かい郷土料理で温めるのも良いでしょう。

まとめ:荒川高原で雄大な自然と紅葉のドライブを楽しもう

この記事では、「民話の里」遠野市が誇る絶景スポット、荒川高原の紅葉について詳しく解説しました。

荒川高原の最大の魅力は、標高700mから1,000mの高原地帯から見渡す、視界を遮るものが何もない360度の大パノラマです。広大な牧草地と、カエデ、ナラ、ブナなどが色づく山々が織りなす「紅葉の絨毯」は、他では決して味わうことのできない雄大さに満ちています。

2025年の見頃は10月下旬から11月上旬にかけて。まさに今が、絶好のドライブシーズンです。

ただし、この絶景を楽しむためには、入念な準備が不可欠であることを忘れてはいけません。アクセスは遠野ICから約60分かかり、道中は山道です。そして何より、

  • 専用の駐車場は無く、路肩の待避所に停める
  • トイレや売店、自動販売機は一切ない
  • 標高が高く、真冬並みの防寒着(ダウン、手袋、帽子)が必須
  • 熊よけの鈴を必ず携帯する

これらの重要事項を必ず守り、万全の体制で臨んでください。

しっかりとした準備さえすれば、荒川高原はあなたの期待を遥かに超える感動を与えてくれるはずです。高原の絶景ドライブを楽しんだ後は、遠野市内で「遠野ふるさと村」や「カッパ淵」を巡り、民話の世界に触れるのもおすすめです。

日常の喧騒を忘れさせてくれる圧倒的なスケールの紅葉を、ぜひ体感しに出かけてみてください。

にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ
国内旅行ランキング
  • この記事を書いた人

紅葉ラボ

紅葉ラボでは、紅葉に関するさまざまな知識や、全国の有名紅葉スポット情報をお伝えしています。 2025年の紅葉の見頃情報、各紅葉スポットの見どころや穴場情報まで余すことなくお伝えします。

-岩手県