栗駒山の紅葉

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【2025】栗駒山の紅葉の見頃時期や見どころを解説

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【2025年最新】栗駒山の紅葉は今がピーク!現在の色づき状況(10月21日現在)

栗駒山の紅葉
岩手・宮城・秋田の三県にまたがり、その圧巻の紅葉から「神の絨毯」と称される栗駒山(くりこまやま)。例年「日本一早い紅葉」として9月下旬から10月上旬にピークを迎えることで知られていますが、2025年は異例の状況となっています。

紅葉狩りを計画されている方に、まずは最も重要な最新情報をお届けします。

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速報:2025年の見頃は10月下旬が最盛期!

【2025年10月21日現在、栗駒山の紅葉はまさに見頃のピーク・最盛期を迎えています!】

夏の天候不順や秋口の気温が高めに推移した影響で、2025年の紅葉前線は例年よりも約2週間から3週間近く遅れて山頂に到達しました。その結果、10月下旬の今、まさに山全体が燃え上がる「全山紅葉」のピークとなっています。

SNSや現地の観光協会からは、連日「今年の色づきは最高潮」「まさに神の絨毯」といった情報が発信されており、今週末(10月25日・26日)が2025年シーズンで最も美しい栗駒山に出会える絶好のタイミングとなりそうです。

"神の絨毯"と称される「全山紅葉」の魅力とは

栗駒山の紅葉が「神の絨毯」と呼ばれるのには理由があります。それは、標高の高い木々(ハイマツなど)が少ないため、山頂付近までカエデやナナカマド、ウルシといった紅葉・黄葉する低木がびっしりと山肌を覆っているためです。

これにより、山頂から見下ろした時、視界を遮るものが何もなく、赤・黄・オレンジ・緑が複雑に織りなすパッチワークのような絶景が、文字通り「絨毯」のように眼下に広がります。

特に2025年は、遅い見頃となったことで澄んだ秋空の日が多く、鮮烈な「赤色」の発色が例年以上に素晴らしいとの報告も上がっています。まさに「神が敷いた」としか思えないほどの色彩が、今、目の前に広がっています。

今週末(10/25・26)がラストチャンス?見頃はいつまで

10月下旬のピークということは、紅葉シーズンの終わりも近いことを意味します。山頂付近(標高1,626m)では、いつ雪が降ってもおかしくありません。

今週末(10月25日・26日)が最盛期であると予想されますが、週明けに強い雨や風が吹けば、一気に落葉が進んでしまう可能性も高いです。また、天候が崩れれば、山頂は雪に閉ざされます。

2025年の「神の絨毯」を確実に見るためには、今週末が事実上のラストチャンスと言えるでしょう。これ以上ない絶好の機会を逃さないよう、万全の準備をして訪問を計画してください。

"神の絨毯"はどこで見る?栗駒山・絶景紅葉スポット6選

栗駒山の「神の絨毯」は、特定の展望台から眺めるものではなく、登山道そのもの、そして山頂から見下ろす風景の総称です。栗駒山は宮城側・岩手側・秋田側の3県から登山道が整備されており、どのルートを選ぶかで出会える景色も変わってきます。

今まさにピークを迎えている「神の絨毯」を、最も美しく、効率的に楽しむための必見スポットと登山ルートの見どころを6つ厳選してご紹介します。

① 山頂(標高1,626m)|360度見渡す限りの紅葉じゅうたん

栗駒山の紅葉登山の最大の目的地、それが標高1,626mの山頂です。各登山口から約90分~120分の登山を経てたどり着くこの場所には、360度さえぎるもののない、圧巻のパノラマ絶景が待っています。

山頂から見下ろす風景こそが、まさに「神の絨毯」。カエデやナナカマド、ウルシが織りなす赤・オレンジ・黄色のパッチワークと、ハイマツの緑が織りなす色彩の海が、文字通り自分の足元から地平線まで続いていくように見えます。2025年の鮮やかな色づきを、その目に焼き付けることができる最高のご褒美スポットです。

② 東栗駒コース|"神の絨毯"を間近に望む定番ルート

「神の絨毯」を最もダイナミックに、そして「見下ろす」のではなく「間近に」感じたいなら、宮城側の「東栗駒コース」がおすすめです。ここは、登山道そのものが絶景の連続です。

急な斜面を登っていく途中、振り返るたびに、まるで燃え上がるような赤い紅葉の斜面が眼下に広がります。山頂から見る広大な景色とは異なり、紅葉の木々一本一本の力強さを感じられるのが特徴です。ただし、道は険しく健脚向けのコースとなります。

③ 須川コース(名残ヶ原)|黄金色の草紅葉(くさもみじ)と地塘

岩手県側の「須川コース」を選ぶと、山の紅葉とはまた違った景色に出会えます。それが、登山口から比較的すぐ(約20分)の場所にある湿原「名残ヶ原(なごりがはら)」です。

ここは、高層湿原全体が黄金色に染まる「草紅葉(くさもみじ)」の名所。黄金色の絨毯の中に木道が整備され、点在する小さな池「地塘(ちとう)」が、澄んだ秋空を鏡のように映し出します。比較的平坦で歩きやすいため、初心者やファミリーでも安心して楽しめる紅葉スポットです。

④ 昭和湖|神秘的なエメラルドグリーンと紅葉のコントラスト

岩手側の須川コースを登っていくと、山頂の手前に現れるのが「昭和湖」です。昭和19年の噴火でできたとされるこの火山湖は、独特のエメラルドグリーン(またはコバルトブルー)の湖面が特徴です。

今まさにピークを迎えた湖の周囲は、ナナカマドの鮮烈な「赤」やカエデの「黄」に彩られ、神秘的な湖の色とのコントラストが息をのむほどの美しさです。山頂を目指す途中の、絶好の休憩&撮影スポットとなります。

⑤ いわかがみ平|登山口周辺から広がる燃えるような赤

「体力に自信がない」「登山までは…」という方でも、栗駒山の紅葉の凄まじさを体感できるのが、宮城側のメイン登山口「いわかがみ平(ひら)」です。

標高約1,100mのこの駐車場に到着した瞬間から、すでに360度紅葉の真っ只中です。特にこのエリアは赤色の発色が強く、駐車場を囲む斜面全体が燃えているかのような光景が広がります。登山をしなくても、この場所に来るだけでも、栗駒山の紅葉のレベルの高さを十分に感じ取ることができます。(※ただし、ここまで来るアクセス道路が大渋滞します)

⑥ 須川高原温泉|湯けむりと紅葉の競演

岩手側の登山口「須川高原温泉」も、いわかがみ平と同様、登山口自体が絶景の紅葉スポットです。標高約1,100mに位置し、温泉旅館の周辺や大露天風呂(千人風呂)の周辺が、鮮やかな紅葉に包まれます。

ここの特徴は、なんといっても「湯けむり」。地面のあちこちから立ち上る湯けむりと、色づいた紅葉が織りなす風景は、まさに秘湯の情緒たっぷりです。登山客だけでなく、温泉と紅葉を日帰りで楽しみたい方にも最適のスポットです。

【レベル別】紅葉登山おすすめ定番コース3選(宮城側・岩手側)

今まさに最盛期を迎えた栗駒山の紅葉「神の絨毯」。この絶景を堪能するには、ご自身の体力や経験に合わせた登山コース選びが非常に重要です。栗駒山には複数の登山道がありますが、紅葉シーズンに特に人気があり、アクセスしやすい主要な3つのコースをレベル別にご紹介します。

どのコースを選んでも、10月下旬の山頂は非常に寒いため、防寒対策は万全にしてください。

①【宮城側・定番】中央コース(いわかがみ平 発)

  • 登山口:いわかがみ平(宮城側)
  • 難易度:★☆☆ (初心者向け)
  • 往復所要時間:約3時間 ~ 3時間30分

栗駒山の登山コースの中で、最も登山者が多く、最短距離で山頂を目指せる定番ルートです。登山口の「いわかがみ平」がすでに標高1,100mにあり、そこから山頂(1,626m)までの標高差が比較的小さいため、登山初心者やファミリーにもおすすめです。

コースは全体的によく整備されており、序盤は石畳の道を登ります。振り返れば、「いわかがみ平」周辺の燃えるような紅葉を眼下に見下ろすことができます。中腹からは低木の中の登山道となり、山頂に近づくにつれて視界が開け、360度の「神の絨毯」が広がります。

危険箇所は少ないですが、登山者が多いため、特に週末は登山道が渋滞しやすいのが特徴です。自分のペースを守り、譲り合いながら登りましょう。あまりの美しさに立ち止まって写真を撮る時間も考慮し、時間に余裕を持った計画を立ててください。

②【岩手側・初心者】須川コース(須川高原温泉 発)

  • 登山口:須川高原温泉(岩手側)
  • 難易度:★☆☆ (初心者向け)
  • 往復所要時間:約3時間 ~ 4時間

宮城側の中央コースと並んで人気があり、こちらも初心者向けのコースです。登山口の「須川高原温泉」からスタートし、序盤は黄金色の草紅葉が美しい湿原「名残ヶ原」の木道を歩きます。

その後、岩がちな登山道(通称:地獄谷)を抜けると、神秘的なエメラルドグリーンの「昭和湖」に到着します。湖と紅葉のコントラストを楽しんだ後、最後の急登を登りきれば山頂です。

中央コースに比べると距離はやや長くなりますが、湿原、火山湖、紅葉の斜面と、次々と景色が変わるため、飽きずに登山を楽しめるのが最大の魅力です。下山後に登山口の「須川高原温泉」で冷えた体をすぐに温められるのも嬉しいポイントです。

③【宮城側・健脚】東栗駒コース(いわかがみ平 発)

  • 登山口:いわかがみ平(宮城側)
  • 難易度:★★★ (中級者~健脚向け)
  • 往復所要時間:約4時間 ~ 5時間

「神の絨毯」を、山頂から見下ろすだけでなく、その絨毯の「中」に飛び込み、間近で体感したいという健脚な方には、この東栗駒コースがおすすめです。①の中央コースと同じ「いわかがみ平」からスタートしますが、途中から分岐します。

このコースのハイライトは、「神の絨毯」と呼ばれる紅葉のど真ん中を突っ切る急な斜面(沢筋)です。見上げれば紅葉、振り返れば一面の紅葉と、まさに360度紅葉に包まれる登山が体験できます。その絶景は栗駒山の全コースの中でも随一と言われます。

ただし、その分急登が続き、沢を渡る箇所や岩場もあるため、しっかりとした登山装備と体力が必要です。登山経験が豊富な方におすすめのルートです。多くの場合、登りをこの東栗駒コース、下りを①の中央コースで周回する登山者が多いです。

【最重要】紅葉ピーク時の「大渋滞」とアクセス対策(2025年)

今まさに最盛期を迎えている栗駒山。この「神の絨毯」を一目見ようと、今週末(10月25日・26日)は過去最大級の混雑と「大渋滞」の発生が確実視されています。

栗駒山の紅葉狩りにおいて、登山そのものよりも過酷なのが、この「アクセス問題」です。登山口にたどり着けなければ、絶景を見ることはできません。宮城側(いわかがみ平)と岩手側(須川高原温泉)では対策が全く異なります。今週末に行かれる方は、必ずこの情報を熟読し、万全の体制で臨んでください。

宮城側「いわかがみ平」のマイカー規制とシャトルバス情報

最も登山者が集中する宮城側の「いわかがみ平」登山口(中央コース、東栗駒コース)では、紅葉ピーク時の週末に「マイカー規制(自家用車通行止め)」が実施されます。

【2025年 規制予測(10/25・26)】

  • 規制区間:いこいの村跡地 ~ いわかがみ平 駐車場
  • 規制時間(予測):午前3:00頃 ~ 午後3:00頃(※注:夜中のうちから規制が始まります)

この時間帯、自家用車で「いわかがみ平」の駐車場まで登ることは一切できません。訪問者は、山麓に設置される臨時大駐車場(「いこいの村跡地」や「じゅくの森」など)に車を停め、そこから有料の「シャトルバス」に乗り換えて登山口を目指すことになります。

【シャトルバスの注意点】

シャトルバスの運行開始(例:午前5時~6時頃)を待つ人々で、早朝から1時間~2時間待ちの長蛇の列が発生します。シャトルバスで登山口に着くまでに、膨大な時間がかかることを覚悟してください。「いわかがみ平」の駐車場は、前夜のうちに現地入りした車(車中泊組)で、規制開始前に満車となります。

岩手側「須川高原温泉」の駐車場情報と混雑状況

一方、岩手県側の「須川高原温泉」登山口(須川コース)には、現在のところマイカー規制はありません。しかし、駐車場のキャパシティ(約300~400台)が、訪問者数に対して絶対的に不足しています。

紅葉ピークの週末は、この駐車場が「夜明け前」に満車となります。

【満車の目安(例年)】

  • 午前6:00:ほぼ満車
  • 午前5:00:満車に近い
  • 安全圏(予測):午前4:00到着

満車になると、駐車場に入れない車がアクセス道路(国道342号線)に溢れ、登山口を先頭に数キロにわたる「駐車場待ち渋滞」が発生します。この渋滞に一度捕まると、2~3時間、全く動かないことも覚悟しなければなりません。

今週末の渋滞・混雑回避のコツ(早朝4時到着でも満車?)

2025年のピーク(10/25・26)を攻略するコツは、「常識外れの早朝行動」しかありません。

  1. 【岩手側(須川)を狙う場合】
    午前4時までに須川高原温泉の駐車場に到着する覚悟で出発する。ヘッドライトを準備し、夜明け前から登山を開始する(ご来光と紅葉という最高の体験ができます)。
  2. 【宮城側(いわかがみ)を狙う場合】
    シャトルバスの始発便に乗るため、臨時駐車場に午前5時頃には到着しておく。または、マイカー規制開始(午前3時頃)「前」に、いわかがみ平の駐車場に入ってしまう(=前日深夜から車中泊)。
  3. 【最も確実】平日に休む
    もし可能であれば、週末を避け、月曜日(10/27)などに訪問するのが最も賢明です。(※ただし天候次第で紅葉が散るリスクもあります)

「朝8時頃に着いてゆっくり登ろう」という計画は、栗駒山の紅葉ピーク時には絶対に通用しません。今週末の訪問は、「登山」ではなく「交通戦争」と心得て、万全の体制で臨んでください。

【必須】紅葉登山(10月下旬)の服装と持ち物

2025年の栗駒山の紅葉は、10月下旬の今、まさに「奇跡的」な見頃を迎えています。しかし、「神の絨毯」が広がる山頂(標高1,626m)は、すでに「真冬」の世界であることを絶対に忘れてはいけません。

紅葉の美しさに目を奪われ、準備を怠ると、深刻な低体温症や遭難につながる危険性があります。特に今週末は、大混雑回避のために夜明け前(氷点下)から行動を開始する方も多いでしょう。万全の装備こそが、絶景を楽しむための最低条件です。

10月下旬の山頂は「真冬」!万全の防寒対策が必須

麓(ふもと)の市街地が日中15度だったとしても、標高1,600mを超える山頂の気温は、単純計算で約10度低い5度程度しかありません。さらに、風速1mにつき体感温度は1度下がります。風速5mの風が吹いていれば、山頂の体感温度は「0度(氷点下)」です。

【特に注意すべき時間帯】

  • 早朝(午前4時~7時):登山開始時の気温は、登山口(いわかがみ平・須川)でも0度前後か、それ以下(氷点下)になる可能性が非常に高いです。
  • 休憩時・山頂滞在時:歩いている時は暑くても、立ち止まった瞬間に汗が冷え、一気に体温を奪われます。

「紅葉狩り」という軽い気持ちではなく、「10月下旬の東北の1600m級の山に登る」という認識で、冬山一歩手前の装備を準備してください。

服装(レイヤリング)と必須装備(登山靴・雨具・防寒着)

基本は「レイヤリング(重ね着)」です。体温調節ができるよう、以下の3層を基本に準備してください。

  1. ベースレイヤー(肌着):
    【NG】綿(コットン)のTシャツや肌着は絶対に避けてください。汗で濡れると乾かず、命取りになる「汗冷え」を起こします。
    【推奨】ポリエステルなどの「化繊」または「ウール」の速乾性・保温性のある肌着(長袖)を選んでください。
  2. ミドルレイヤー(中間着):
    保温を担当する服です。フリース、または薄手のダウンジャケット、ウールのセーターなどが適しています。
  3. アウターレイヤー(上着):
    風と雨を防ぐ服です。「上下セパレートタイプのレインウェア(雨具)」が必須です。天気が良くても、防風着・防寒着として必ずザックに入れてください。ウインドブレーカーだけでは不十分です。

【必須の装備】

  • 登山靴(トレッキングシューズ):
    スニーカーや運動靴は絶対にNGです。岩場や濡れた登山道で滑り、捻挫の原因になります。必ず靴底がしっかりしたミドルカット以上の登山靴を履いてください。
  • 防寒着(休憩用):
    歩行中の中間着とは別に、休憩時や山頂で羽織るための「厚手のダウンジャケット」を必ず持参してください。
  • 防寒小物:
    「ニット帽」「冬用の手袋」「ネックウォーマー」。これらがないと寒さで行動不能になる可能性があります。特に手袋は必須です。
  • ズボン:
    ジーンズ(綿)はNG。伸縮性のある登山用パンツやジャージを選び、必要に応じてタイツを下に履いてください。

熊鈴(クマよけ)とヘッドライトの必要性

【熊鈴(クマよけ)】
栗駒山はツキノワグマの生息地です。紅葉の時期は熊も冬眠前に活発に行動します。登山者が多いとはいえ、自分の存在を知らせるために「熊鈴」は必ず携帯してください。

【ヘッドライト(ヘッドランプ)】
今週末、早朝に行動するなら「絶対に必要」です。大渋滞を避けるために午前4時~5時から登り始める場合、周囲は真っ暗です。スマートフォンのライトでは片手がふさがり危険です。必ず頭に装着できるヘッドライトと、予備の電池を持参してください。

その他、温かい飲み物を入れた魔法瓶(水筒)、行動食(チョコレートやナッツ)、携帯トイレ(山頂にトイレはありません)、地図、モバイルバッテリーなども準備しましょう。

登山の疲れを癒やす!栗駒山周辺のおすすめ日帰り温泉

「神の絨毯」を巡る登山は、想像以上に体力を使い、そして10月下旬の山頂の寒さで体は芯から冷え切ってしまいます。そんな過酷な登山を終えた後、最高のご褒美となるのが、山の麓に湧き出る極上の温泉です。

栗駒山は火山であり、その麓は岩手側・宮城側ともに日本有数の温泉地となっています。登山口のすぐそばにある秘湯から、設備が整った施設まで、冷えた体を解きほぐし、登山の疲れを癒やすのにおすすめの日帰り温泉をご紹介します。

【岩手側】須川高原温泉|大露天「千人風呂」

岩手側の「須川コース」登山口に位置するのが、「須川高原温泉」です。登山の拠点であり、同時にそれ自体が目的地となる名湯です。

ここの名物は、なんといっても圧倒的な開放感を誇る大露天風呂「千人風呂(せんにんぶろ)」です。その名の通り、非常に広大な湯船で、紅葉に染まる山々を眺めながら湯に浸かることができます。標高1,100mの澄んだ空気の中、地面のあちこちから立ち上る湯けむり(蒸気)に包まれる体験は、まさに圧巻の一言です。

泉質は、白濁した強酸性のみょうばん緑ばん泉で、いかにも「効能がありそう」な独特の香り(硫黄臭)がします。疲労回復効果も抜群で、登山でクタクタになった体に染み渡ります。下山後、靴を脱いですぐにこの名湯に直行できるのは、須川コースを選ぶ最大のメリットの一つと言えるでしょう。

【宮城側】ハイルザーム栗駒・駒の湯温泉

宮城側(いわかがみ平)へ下山した場合、登山口自体に温泉はありませんが、車で少し下った場所に素晴らしい温泉施設が点在しています。

【ハイルザーム栗駒】
いわかがみ平からシャトルバスで下りた後(または車での帰り道)に立ち寄りやすい、プールなども併設されたクアハウス(総合健康増進施設)です。広々とした内湯、露天風呂、サウナなどが完備されており、登山の汗と疲れを快適に洗い流すことができます。設備が整っているため、家族連れや、しっかり体を洗ってさっぱりしたい方におすすめです。

【駒の湯温泉】
ハイルザーム栗駒よりもさらに山奥、まさに秘湯の趣が漂う一軒宿が「駒の湯温泉」です。こちらは栗駒山の山麓から湧き出る源泉かけ流しの湯が自慢です。内湯と、野趣あふれる岩造りの露天風呂があり、紅葉に包まれながら静かに湯浴みを楽しめます。

「大渋滞を避けるために、少し時間を置いてから帰りたい」という時にも、こうした温泉でゆっくりと時間を過ごすのは非常に有効な戦略です。登山の感動を反芻しながら、栗駒山の恵みである温泉を存分に味わってください。

まとめ:2025年の栗駒山は今が最高潮!今週末は"神の絨毯"へ

栗駒山の紅葉
今回は、2025年の栗駒山の紅葉について、異例のピークを迎えている「今」の状況と、必見のスポット、登山コース、そして最も重要なアクセスと装備の注意点について詳しく解説しました。

結論から言うと、2025年の栗駒山は、例年より約3週間も遅れ、まさに今週末(10月25日・26日)が「神の絨毯」の最盛期となります。これ以上ないほどのタイミングであり、同時に、天候次第ではこれが本当に「最後のチャンス」となります。

この奇跡的な絶景を目指す方に、最後にもう一度、最も重要な3つのポイントを強調します。

  1. 訪問は「交通戦争」と心得る
    絶景は登山口にたどり着かなければ見られません。今週末は歴史的な大混雑が予想されます。宮城側(いわかがみ平)はマイカー規制とシャトルバスの長蛇の列、岩手側(須川高原)は午前4時到着でも満車を覚悟するレベルの駐車場争奪戦となります。「朝8時に行けばいい」という考えは一切通用しません。
  2. 装備は「真冬の登山」で
    山頂(1,626m)の体感温度は、風が吹けば氷点下(=真冬)です。速乾性の肌着、フリース、厚手のダウンジャケット、ニット帽、冬用手袋、しっかりした登山靴は最低限の装備です。綿のTシャツやスニーカーは絶対にNGです。
  3. 「ヘッドライト」と「熊鈴」を忘れずに
    大混雑を避けるために早朝(暗闇)から行動する方はヘッドライトが必須です。また、全域が熊の生息地であるため、熊鈴も必ず携帯してください。

アクセスと装備という2つの大きなハードルを乗り越えた人だけが、2025年で最も鮮やかに燃え上がる「神の絨毯」を目撃することができます。

万全の準備と計画で、この奇跡的な週末に、一生モノの絶景体験をぜひ掴み取ってください。

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