鶴仙渓の紅葉

石川県

【2025】鶴仙渓(山中温泉)の紅葉の見頃時期、見どころを解説

鶴仙渓とは?山中温泉街に広がる紅葉の絶景渓谷

鶴仙渓(山中温泉)の紅葉
石川県・加賀温泉郷の一つとして、1300年の歴史を誇る「山中温泉」。その温泉街のシンボルともいえるのが、大聖寺川(だいしょうじがわ)沿いに広がる「鶴仙渓(かくせんけい)」です。手つかずの自然が残る渓谷美と、紅葉が織りなす秋の風景は、多くの文人墨客にも愛されてきました。ここではまず、鶴仙渓がどのような場所なのか、その歴史と魅力の概要をご紹介します。

【2025】石川県でおすすめの紅葉スポット7選と見頃時期予想
【2025】石川県でおすすめの紅葉名所7選と見頃時期予想

【2025】石川県の紅葉見頃時期のエリア別予想 石川県は日本海に面し、霊峰白山から能登半島まで、豊かな自然環境が広がっています。 この多様な地形こそが、石川県の紅葉の魅力です。 高地から順に色づきが始 ...

続きを見る

松尾芭蕉も愛した景勝地

鶴仙渓は、かの有名な俳人・松尾芭蕉が「おくのほそ道」の道中に訪れ、その風景を称賛したことでも知られる景勝地です。芭蕉は山中温泉を「扶桑(日本)三名湯の一つ」と讃え、この渓谷沿いを歩いたと言われています。

渓谷沿いの遊歩道を歩くことは、芭蕉の足跡を辿る歴史散策でもあり、ただ美しいだけでなく、深い文化的な趣を感じさせてくれます。

約1.3kmの遊歩道を気軽に散策

鶴仙渓には、上流の「こおろぎ橋」から下流の「黒谷橋」まで、約1.3kmの遊歩道が整備されています。道はほとんど平坦で歩きやすく、片道30分ほどで気軽に散策することができます。

温泉街からすぐの場所に、これほど深く豊かな自然が広がっているのが鶴仙渓の最大の魅力。川のせせらぎを聞き、奇岩や紅葉を眺めながら歩く時間は、心身ともにリフレッシュできる、まさに癒やしのひとときです。

【2025年】鶴仙渓の紅葉の見頃はいつ?

山中温泉の渓谷を鮮やかに彩る鶴仙渓の紅葉。この美しい風景を最高のタイミングで楽しむために、まずは紅葉の見頃の時期をしっかりと把握しておきましょう。ここでは、例年の傾向から導き出す2025年のベストシーズンと、お出かけ前に役立つ最新情報の確認方法について詳しく解説します。

11月上旬から下旬がベストシーズン

鶴仙渓の紅葉は、例年10月下旬頃から渓谷の木々が色づき始め、ピークを迎えるのは11月上旬から11月下旬にかけてです。

モミジやカエデ、ケヤキなどが、渓谷を流れる大聖寺川の清流に美しい彩りを添えます。特に、渓谷に架かる三つの橋と紅葉が織りなす風景は、この時期だけの絶景。比較的長い期間にわたって、秋の深まりとともに変化する景色を楽しむことができます。

2025年のピーク予想と最新の色づき状況の確認方法

2025年10月上旬現在、秋の気温は平年並みに推移する見込みです。そのため、紅葉の色づきも例年通りに進むと予想されます。2025年のピークは、11月中旬頃となる可能性が高いでしょう。

より正確な情報を得るためには、お出かけ前に以下の方法で最新の状況を確認するのがおすすめです。

  • 山中温泉観光協会の公式サイト:
    鶴仙渓の紅葉情報や、「鶴仙渓川床」の営業情報、ライトアップの開催情報などが詳しく告知されます。最も信頼できる情報源です。
  • 山中温泉観光協会の公式SNS:
    日々の紅葉の進み具合が、美しい写真と共にリアルタイムで発信されます。最新の状況を知るには最適です。
  • SNSのハッシュタグ検索:
    Instagramなどで「#鶴仙渓」や「#こおろぎ橋」、「#あやとりはし」と検索すると、訪れた人の最新の写真を見ることができます。

【最大の見どころ】趣の異なる「三つの橋」と紅葉の共演

約1.3kmの鶴仙渓の遊歩道には、それぞれに全く違う個性を持つ「こおろぎ橋」「あやとりはし」「黒谷橋」という三つの橋が架かっています。この三つの橋を巡りながら、紅葉との共演を楽しむのが、鶴仙渓散策の最大の醍醐味です。ここでは、それぞれの橋が持つ魅力と、秋ならではの絶景をご紹介します。

【こおろぎ橋】総ひのき造りの風情ある太鼓橋

散策路の上流側の起点となるのが、風情あふれる「こおろぎ橋」です。その名前は、かつて行路が非常に危なかったことから「行路危(こうろぎ)」と呼ばれた説と、秋の夜に鳴くこおろぎに由来する説があります。

総ひのき造りの太鼓橋は、周囲の自然と見事に調和しており、特に紅葉の季節には、渓谷で最も趣深い景色と称されます。深い緑の渓谷に、橋の木肌と燃えるような紅葉が映える様は、まさに日本の秋の原風景。多くの文人墨客が愛したのも頷ける、しっとりとした美しさが漂います。

【あやとりはし】S字型のユニークなデザインと夜のライトアップ

こおろぎ橋から遊歩道を歩いた先、中流に現れるのが、モダンで斬新なデザインの「あやとりはし」です。

いけばな草月流の家元でもあった勅使河原宏氏がデザインしたこの橋は、名前の通り「あやとり」をモチーフにしたS字型のユニークなフォルムと、美しい藤紫色が特徴。竜が空を舞うような躍動感のある橋と、周囲の紅葉が織りなすコントラストは、非常にアーティスティックです。秋の夜にはライトアップのメイン会場となり、幻想的な姿を見せてくれます。

【黒谷橋】重厚感のある石造りのアーチ橋

遊歩道の下流側の終点となるのが、重厚で優雅な「黒谷橋」です。大正時代に造られた全面石造りのアーチ橋で、山中温泉のシンボル的な存在として親しまれています。

松尾芭蕉が奥のほそ道の旅で立ち寄ったのもこの橋の近くだと言われています。橋の上からは、鶴仙渓の紅葉を一望でき、散策のフィナーレを飾るにふさわしい景色が広がります。また、少し離れた場所から、紅葉の中に佇むアーチ橋の姿を眺めるのもおすすめです。

期間限定のお楽しみ!「鶴仙渓川床」で紅葉狩り

鶴仙渓の紅葉散策を、さらに風情豊かで特別な体験にしてくれるのが、期間限定で開設される「鶴仙渓川床(かわどこ)」です。渓流のすぐそばに設けられたお席で、せせらぎの音を聞きながら一休み。美しい紅葉と美味しい甘味を同時に味わえる、最高の贅沢が待っています。

川床とは?

「川床」とは、川の流れに沿って、あるいは川の上に張り出すように作られたお座敷のことで、京都の鴨川などが有名です。鶴仙渓では、あやとりはしの袂(たもと)の渓流沿いに、春から秋にかけての期間限定で川床が設けられます。

赤い野点傘(のだてがさ)と緋毛氈(ひもうせん)の敷かれたお席が並ぶ様子は、それ自体が絵になる風景。自然のBGMに包まれながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

渓谷のせせらぎを聞きながら味わう加賀棒茶とスイーツ

川床では、席料にお席で点てる香り高い「加賀棒茶」が含まれています。さらに、ぜひ味わいたいのが、山中温泉出身の料理人・道場六三郎氏が監修した、川床限定のオリジナルスイーツです。

上品な甘さの「冷製抹茶しるこ」や、優しい味わいの「川床ロール」など、どちらもここでしか味わえない逸品。紅葉に染まる渓谷の絶景を目の前に、せせらぎの音を聞きながら美味しいスイーツをいただく時間は、まさに至福のひとときです。

営業期間と料金について

鶴仙渓川床は、冬季は休業となります。紅葉シーズンは営業していますが、営業時間が通常期と異なるため注意が必要です。(※2025年時点での目安)

  • 営業期間:4月1日 ~ 11月30日
  • 営業時間(11月):午前10時 ~ 午後3時(ラストオーダーは15分前)
  • 料金:席料(加賀棒茶付き)300円、川床セット(道場六三郎スイーツ付き)600円など

予約はできず、来た順番での案内となります。紅葉シーズンの週末は混雑し、待ち時間が発生することもあります。また、雨天時や川が増水した場合は中止となるため、訪れる際は天候も確認しましょう。

夜の紅葉散策!ライトアップイベント情報

日が落ちると、鶴仙渓は昼間とは全く違う、幻想的な表情を見せ始めます。山中温泉では、秋の夜長を彩る恒例のライトアップイベントが開催され、多くの宿泊客や観光客で賑わいます。ここでは、夜の紅葉散策をロマンチックに演出するライトアップについてご紹介します。

2025年の開催期間と点灯時間(予想)

鶴仙渓のライトアップは、例年、紅葉シーズンを含む長期間にわたって開催されます。2025年も、10月上旬から11月下旬頃までの開催となる可能性が高いでしょう。

点灯時間は、日没後の午後5時頃から午後10時頃まで。温泉宿での夕食の後、浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむのにぴったりの時間帯です。観覧は無料で、誰でも気軽に楽しめるのが嬉しいポイントです。詳細な日程は、山中温泉観光協会の公式サイトでご確認ください。

ライトアップの主役「あやとりはし」

ライトアップのメインスポットであり、主役となるのが、ユニークなS字型の「あやとりはし」です。

夜の闇の中、照明を浴びて浮かび上がる藤紫色の橋の曲線美と、その背景で鮮やかに照らし出された紅葉とのコントラストは、まさに幻想的。その光景がすぐ下を流れる大聖寺川の川面に映り込み、昼間とは比較にならないほどドラマチックな世界を創り出します。

鶴仙渓川床は夜間営業していませんが、その周辺から眺めるライトアップされた「あやとりはし」の姿は、このイベント最大の見どころと言えるでしょう。

アクセス・駐車場・散策の服装

山中温泉・鶴仙渓への旅を快適なものにするために、アクセス方法や駐車場の情報、そして散策に適した服装について事前に確認しておきましょう。特に靴の選択は、安全に楽しむための重要なポイントです。

【電車・バス】JR加賀温泉駅からのアクセスが基本

公共交通機関を利用する場合、JR北陸本線・北陸新幹線の「加賀温泉駅」が起点となります。

駅前のバスロータリーから、加賀温泉バスの「山中温泉」行きに乗車し、約30~40分で温泉街に到着します。観光客向けの周遊バス「キャンバス(CANBUS)」も利用でき、他の観光地と合わせて巡るのに便利です。

【車】山中温泉の駐車場情報

車で向かう場合、北陸自動車道の「加賀IC」または「片山津IC」で降り、それぞれ約20~30分で山中温泉に到着します。

駐車場は、温泉街の中心にある総湯「菊の湯」の駐車場や、旅館組合の駐車場などを利用できます(一部有料)。ただし、紅葉シーズンの週末は混雑し、満車になることも多いため、早めの到着を心がけましょう。

服装と靴のポイント|歩きやすい靴が必須

服装は、街歩きができるような、動きやすい普段着で十分です。ただし、11月の渓谷沿いは日中でも肌寒く感じることがあるため、一枚羽織るものがあると安心。夜のライトアップを見に行く場合は、冬用の暖かい上着を用意しましょう。

最も重要なのが「靴」の選択です。鶴仙渓の遊歩道は、未舗装の土の道や、濡れた落ち葉で滑りやすい場所、階段などがあります。ヒールやサンダル、革靴などは非常に危険ですので絶対に避けてください。必ず、履き慣れたスニーカーやウォーキングシューズなど、滑りにくく歩きやすい靴で散策を楽しみましょう。

まとめ|温泉と紅葉、三つの橋を巡る秋の旅へ

鶴仙渓(山中温泉)の紅葉
この記事では、2025年の山中温泉・鶴仙渓の紅葉について、見頃の時期や最大の見どころである「三つの橋」、そして期間限定の「川床」やライトアップまで詳しく解説しました。

加賀温泉郷の名湯・山中温泉に抱かれた鶴仙渓は、歴史と自然、そしてアートが融合した、非常に趣深い紅葉の名所です。見頃となる11月上旬から下旬にかけて、渓谷全体が燃えるような色彩に包まれます。

総ひのき造りの「こおろぎ橋」、モダンな「あやとりはし」、重厚な「黒谷橋」と、個性豊かな三つの橋を巡る散策は、忘れられない思い出になるでしょう。日中は川床で一休みし、夜はライトアップされた幻想的な渓谷をそぞろ歩く…そんな贅沢な一日を過ごせます。

都心からのアクセスも良く、温泉情緒も楽しめる鶴仙渓へ。ぜひこの記事を参考に、歩きやすい靴を履いて、心癒される秋の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ
国内旅行ランキング
  • この記事を書いた人

紅葉ラボ

紅葉ラボでは、紅葉に関するさまざまな知識や、全国の有名紅葉スポット情報をお伝えしています。 2025年の紅葉の見頃情報、各紅葉スポットの見どころや穴場情報まで余すことなくお伝えします。

-石川県