兼六園の紅葉

石川県

【2025】兼六園の紅葉の見頃時期、見どころを解説

兼六園とは?日本三名園で楽しむ加賀百万石の秋

石川県金沢市の兼六園の紅葉
石川県金沢市の中心部に位置する「兼六園」。江戸時代の面影を今に残す、日本を代表する美しい大名庭園です。特に秋は、園内の木々が鮮やかに色づき、多くの観光客で賑わいます。ここではまず、兼六園が持つ歴史的な背景と、庭園としての特徴をご紹介します。

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水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並ぶ「日本三名園」

兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに、「日本三名園」の一つに数えられています。これは、日本で最も優れた三つの庭園を指す称号であり、兼六園が国内トップクラスの名園であることを示しています。

「兼六園」という名前は、宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望という、優れた景観の6つの要素(六勝)をすべて兼ね備えていることに由来します。その名の通り、広々とした開放感と、静かで趣のある雰囲気が見事に調和した、完璧な美しさを持つ庭園です。

加賀藩歴代藩主によって作られた大名庭園

兼六園は、江戸時代に「加賀百万石」と称された加賀藩の歴代藩主・前田家によって、長い年月をかけて作られてきました。その始まりは17世紀にさかのぼり、歴代の藩主が手を加えながら、約180年もの歳月をかけて現在の形になったと言われています。

藩の威信と財力をかけて造られた壮大な「大名庭園」であり、池を中心に、築山や茶屋を巡る「池泉回遊式庭園」の様式をとっています。秋には、この計算され尽くした庭園美と、モミジやケヤキの紅葉が見事に融合し、訪れる人々を魅了します。

【2025年】兼六園の紅葉の見頃はいつ?

日本三名園の一つ、兼六園が一年で最も華やかな色彩に包まれる紅葉の季節。この絶景を最高のタイミングで楽しむために、まずは紅葉の見頃の時期をしっかりと把握しておきましょう。ここでは、例年の傾向から導き出す2025年のベストシーズンと、お出かけ前に役立つ最新情報の確認方法について詳しく解説します。

11月上旬から下旬がベストシーズン

兼六園の紅葉は、例年10月下旬頃から園内のサクラなどが色づき始め、ピークを迎えるのは11月上旬から11月下旬にかけてです。

園内には約340本のモミジのほか、ケヤキやニシキギなど、多彩な木々が植えられています。これらの木々が赤、黄、橙と様々な色に染まり、常緑の松の緑と見事なコントラストを描き出します。特に、園内の「山崎山」のモミジ林が深紅に染まるこの時期は、庭園が最も美しい表情を見せる季節です。

2025年のピーク予想と最新の色づき状況の確認方法

2025年10月上旬現在、秋の気温は平年並みに推移する見込みです。そのため、紅葉の色づきも例年通りに進むと予想されます。2025年のピークは、11月中旬頃となる可能性が高いでしょう。この時期は、後述する雪吊りの作業も進み、ライトアップも開催されるため、兼六園の秋を最も満喫できる期間となります。

より正確な情報を得るためには、お出かけ前に以下の方法で最新の状況を確認するのがおすすめです。

  • 兼六園 公式サイト:
    「見どころ・園内マップ」のページや「お知らせ」で、紅葉の色づき状況やイベント情報が告知されます。最も信頼できる情報源です。
  • 石川県観光連盟公式サイト「ほっと石川旅ねっと」:
    県内の紅葉情報の一つとして、兼六園の色づき具合が紹介されます。
  • SNS(InstagramやX):
    「#兼六園」や「#兼六園紅葉」のハッシュタグで検索すると、訪れた人のリアルタイムな投稿を見ることができます。現在の色づき具合を判断するのに最適です。

【必見】紅葉と「雪吊り」の美しい共演

秋の兼六園を訪れるなら、絶対に見ておきたいのが「紅葉」と「雪吊り」が織りなす、この時期だけの特別な風景です。冬の風物詩として知られる雪吊りの準備が、ちょうど紅葉の見頃と重なるため、二つの美が共存する貴重な景色に出会うことができます。

雪吊りとは?北陸の冬に備える伝統技術

「雪吊り(ゆきつり)」とは、北陸地方特有の重く湿った雪の重みで、松の木の枝などが折れないように、縄で枝を吊って補強する冬支度のことです。

兼六園では、中心に立てた柱の先から放射状に縄を張る「りんご吊り」という美しい手法が用いられます。単なる補強作業ではなく、その幾何学的な縄の模様は、冬の庭園を彩る風物詩として、芸術的な美しさも兼ね備えています。

11月1日から始まる雪吊り作業と紅葉の貴重なコラボ

兼六園の雪吊り作業は、毎年11月1日に、園のシンボルである「唐崎松(からさきのまつ)」から始まるのが恒例となっており、冬の訪れを告げるニュースとして全国に報じられます。

作業は約1か月半かけて行われ、紅葉の見頃である11月中旬から下旬には、多くの木々で雪吊りが完了しています。そのため、燃えるような赤や黄色の紅葉と、端正な雪吊りの縄が織りなす、非常に珍しい景色を見ることができるのです。

秋の華やかさと、冬の厳しい季節に備える凛とした雰囲気が同居するこの光景は、まさに季節の移ろいそのもの。この時期にしか見られない、兼六園ならではの貴重な美しさを、ぜひその目に焼き付けてください。

夜の幻想庭園!紅葉ライトアップ「金沢城・兼六園四季物語」

兼六園の秋の夜を彩る「金沢城・兼六園四季物語 秋の段」は、この季節にしか見られない、特別なライトアップイベントです。昼間の優美な庭園とは全く異なる、光と影が織りなす幻想的な世界は、多くの観光客を魅了します。ここでは、2025年の開催が期待されるライトアップイベントについて、その魅力と注意点を解説します。

2025年「秋の段」の開催期間と時間(予想)

兼六園の紅葉ライトアップは、例年、紅葉が最も美しくなる時期に合わせて開催されます。2025年も、11月中旬から12月上旬にかけての約2週間、開催される可能性が高いでしょう。

時間は、午後5時30分から午後9時まで(最終入園は午後8時45分)となるのが通例です。そして、このライトアップ期間中の大きな魅力は、夜間開園時間帯の入園料が無料になることです。詳細な日程は公式サイトで発表されるため、お出かけ前には必ず最新情報をご確認ください。

徽軫灯籠や霞ヶ池が幻想的に照らされる

ライトアップの主役は、徽軫灯籠(ことじとうろう)や唐崎松(からさきのまつ)といった、兼六園を象徴する名所と、それらを取り囲む紅葉です。

闇夜に浮かび上がる徽軫灯籠や、雪吊りを施された松の姿は、まさに幽玄の世界。そして、中心にある霞ヶ池(かすみがいけ)のほとりのモミジが照らし出され、鏡のような水面にその姿を映し出す「逆さ紅葉」は、息をのむほどの美しさです。

ライトアップ鑑賞のポイントと注意点

大人気のイベントだけに、いくつか知っておきたい注意点があります。

  • 混雑:期間中の週末は大変な混雑が予想されます。特に徽軫灯籠の前は、写真を撮る人で長い行列ができることもあります。
  • 三脚の使用:混雑緩和と安全確保のため、園内の混雑する場所での三脚の使用は禁止されています。
  • 防寒:11月の金沢の夜は、冬の寒さです。ダウンジャケットや手袋、帽子など、しっかりとした防寒対策をしていきましょう。
  • 順路:夜間は安全のため、鑑賞ルートが一方通行などに制限される場合があります。

紅葉の見どころとおすすめ撮影スポット

加賀百万石の財力を尽くして造られた兼六園は、園内のどこを歩いても絵になる風景が広がっていますが、秋には特にその美しさが際立つスポットがいくつか存在します。ここでは、昼間の散策でぜひ訪れたい、4つの見どころをご紹介します。

【徽軫灯籠】兼六園のシンボルと紅葉の風景

兼六園のシンボルとして、あまりにも有名なのが「徽軫灯籠(ことじとうろう)」です。二本足の形が、楽器の琴の糸を支える「琴柱(ことじ)」に似ていることから、その名が付きました。

この灯籠と、手前にかかる虹橋、そして背景に色づくモミジの組み合わせは、兼六園の秋を代表する最も象徴的な光景です。多くの観光客がこの場所で記念撮影をします。夜間ライトアップ時にも、もちろん主役となるスポットです。

【霞ヶ池】水面に映る「逆さ紅葉」と蓬莱島

園内最大の池である「霞ヶ池(かすみがいけ)」は、庭園全体の景色の中心となっています。池の周りには、雪吊りを施された唐崎松や、モミジ、桜などが巧みに配置されています。

風のない穏やかな日には、色鮮やかな木々や雪吊りが鏡のような水面に映り込み、「逆さ紅葉」の美しい景色が広がります。池に浮かぶ「蓬莱島(ほうらいじま)」と共に、雄大で開放感のある紅葉狩りが楽しめます。

【山崎山】園内一のモミジ林

園内で最もモミジが密集し、燃えるような赤色を堪能したいなら「山崎山(やまざきやま)」がおすすめです。ここは、歴代藩主が紅葉を鑑賞するためにモミジを集めて植えたと言われる場所です。

小さな築山(つきやま)の斜面一帯が深紅や朱色のグラデーションで埋め尽くされ、まるで紅葉の海の中にいるかのよう。散策路を歩けば、頭上から赤色のシャワーが降り注ぐ、圧巻の景色に出会えます。

【花見橋】カキツバタと紅葉のコントラスト

園内を流れる曲水(きょくすい)に架かる木橋が「花見橋」です。初夏にはカキツバタが咲き誇ることで有名ですが、秋の景色もまた格別です。

小川のせせらぎを聞きながら、水辺を彩るように色づくモミジを眺めることができます。霞ヶ池の広大な風景とは対照的に、しっとりとした趣のある、落ち着いた秋の風情が楽しめます。

アクセス・入園料・駐車場情報

金沢観光の中心地にある兼六園。アクセスは非常に便利ですが、紅葉シーズンは多くの観光客で賑わうため、事前にルートや料金を確認しておくとスムーズです。ここでは、兼六園を訪れるための実用的な情報をまとめました。

【バス】金沢駅からのアクセスが基本ルート

JR金沢駅まで来たら、そこから路線バスを利用するのが最も簡単で便利なアクセス方法です。金沢駅の東口(兼六園口)バスターミナルから、兼六園方面へ向かうバスが頻繁に出ています。

  • 兼六園シャトルバス:
    東口6番乗り場から乗車。観光客に分かりやすく、主要なバス停にしか停まらないためおすすめです。
  • 城下まち金沢周遊バス:
    東口7番乗り場から乗車。右回り・左回りどちらでも行けますが、右回りの方が早く着きます。
  • 路線バス:
    東口7番乗り場などから、兼六園下を経由するバスが多数運行しています。

いずれも「兼六園下・金沢城」バス停で下車。所要時間は約15分です。

【車】周辺の駐車場と交通事情

兼六園には専用の駐車場はありません。車で訪れる場合は、庭園周辺にある石川県営の駐車場や、民間の有料駐車場を利用することになります。

「石川県兼六駐車場(普通車約500台)」が最も大規模ですが、紅葉シーズンの週末は、午前中の早い時間帯から満車になり、入庫待ちの渋滞が発生します。金沢市中心部は道が混雑しやすいため、できる限り公共交通機関の利用をおすすめします。

入園料・開園時間について

兼六園の入園料と開園時間は以下の通りです。(※2025年秋時点での目安)

  • 開園時間:
    10月15日まで:午前7時~午後6時
    10月16日以降:午前8時~午後5時
  • 入園料:
    大人(18歳以上):320円
    小人(6歳~18歳未満):100円
    65歳以上:無料(年齢を証明できるものが必要)

【ライトアップ期間中】
「秋の段」ライトアップの期間中は、夜間開園時間(例:午後5時30分~午後9時)の入園料が無料になります。昼間とは別扱いになるため、一度退園して再入場する形となります。

まとめ|金沢で楽しむ、伝統と格式の紅葉狩り

石川県金沢市の兼六園の紅葉
この記事では、2025年の兼六園の紅葉について、見頃の時期や見どころ、そして「雪吊り」やライトアップといった、この季節ならではの特別な楽しみ方まで詳しく解説しました。

「日本三名園」の一つにふさわしい、計算され尽くした庭園美が広がる兼六園。見頃となる11月上旬から下旬にかけては、園内が錦秋の衣をまとい、一年で最も華やかな季節を迎えます。

特に、燃えるような紅葉と、冬支度である「雪吊り」が同時に見られるのは、この時期の兼六園でしか体験できない貴重な光景です。さらに、夜には幻想的なライトアップも開催され、昼と夜で二つの顔を楽しむことができます。

金沢駅からバスで気軽にアクセスできる、日本を代表する名園へ。ぜひこの記事を参考に、加賀百万石の歴史と伝統が息づく、格調高い紅葉狩りに出かけてみてはいかがでしょうか。

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