2025年|神戸市立森林植物園の紅葉の見頃時期

神戸市の六甲山地に位置する「神戸市立森林植物園」は、日本の代表的な樹木だけでなく、世界各地の樹木約1,200種が集められた広大な植物園です。甲子園球場37個分もの敷地には、北米やヨーロッパ、アジアなど、世界各地をテーマにした森が点在しており、秋になるとそれぞれの森が順番に色づいていきます。ここでは、2025年に森林植物園のグローバルな紅葉を楽しむための、ベストな時期について解説します。
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例年の見頃は10月下旬~11月下旬
森林植物園の紅葉は、例年10月下旬から11月下旬まで、約1ヶ月という長い期間にわたって楽しむことができます。山間部に位置するため、神戸市内の平地よりも早く色づきが始まるのが特徴です。ウルシやハゼノキといった木々から紅葉が始まり、徐々にカエデ類、そしてラクウショウやメタセコイアへと、主役が移り変わっていきます。訪れるたびに違う表情を見せてくれるのが、この植物園の秋の大きな魅力です。
世界の森が順番に色づく!木の種類別の見頃
園内では、約38種・3,000本ものカエデをはじめ、多種多様な木々が時期をずらしながら紅葉します。
- 10月下旬~11月上旬:ウルシ、ハナノキ、カツラなどが色づき始めます。
- 11月上旬~中旬:園内の主役であるイロハモミジやオオモミジなど、日本のカエデ類がピークを迎えます。長谷池周辺やシアトルの森が最も華やかになる時期です。
- 11月中旬~下旬:北米原産のラクウショウ(ブリスベーンの森)や、中国原産のメタセコイア(天津の森)が美しいレンガ色に染まります。
このように、お目当ての木や森に合わせて訪問時期を選ぶことができます。
2025年の紅葉の見頃予想
紅葉の色づきは秋の気候に左右されますが、2025年10月現在の予報では、今年の秋は平年並みの気温で推移すると見込まれています。そのため、森林植物園の紅葉も、例年通り10月下旬から始まり、11月中旬に日本のカエデ類がピークを迎える可能性が高いでしょう。最も華やかな「ザ・紅葉」といった景色を楽しみたい方は、11月の10日過ぎ頃を目安に計画を立てるのがおすすめです。園の公式サイトでは、紅葉の進み具合をこまめに更新してくれる「紅葉情報」が掲載されるので、お出かけ前に確認すると確実です。
【エリア別】神戸市立森林植物園の紅葉の見どころ・おすすめスポット
神戸市立森林植物園の最大の魅力は、日本にいながらにして世界各国の森の紅葉を巡ることができる点です。園内はテーマごとにエリア分けされており、それぞれ全く異なる雰囲気の秋景色が広がっています。日本の原風景のような紅葉から、北米や中国の森を再現したエリアまで、一日かけてゆっくりと散策を楽しめます。ここでは、広大な園内で特に見逃せない、おすすめの紅葉スポットを5つご紹介します。
①長谷池(はせいけ)(水面に映る逆さ紅葉)
園内随一の写真撮影スポットとして知られるのが、日本の森エリアにある「長谷池」です。池の周りには約300本のイロハモミジやオオモミジが植えられており、見頃になると一斉に燃えるような赤色に染まります。風のない穏やかな日には、鏡のような水面に木々の色が映り込み、「逆さ紅葉」の絶景が広がります。日本の秋を象徴する、しっとりと美しい風景に心癒されることでしょう。
②シアトルの森(赤く染まるカエデ)
北米の森をテーマにした「シアトルの森」では、日本とはまた違った雰囲気の紅葉が楽しめます。ここでの主役は、カナダの国旗にも描かれているサトウカエデや、アメリカハナノキ、アメリカハナミズキなどです。特にサトウカエデは、日本のカエデよりも葉が大きく、鮮やかな赤やオレンジ色に染まるのが特徴。異国情緒あふれる、ダイナミックな紅葉風景が楽しめます。
③ブリスベーンの森(黄金色のラクウショウ)
オーストラリア区にある「ブリスベーンの森」では、水辺に育つラクウショウ(落羽松)の紅葉が見事です。秋が深まる11月中旬以降、羽のように繊細な葉が、黄金色からレンガ色へと美しく色づきます。水辺にそびえ立つ姿が水面に映る様子も幻想的。このラクウショウは、メタセコイアと並んで「生きている化石」とも呼ばれる珍しい木です。
④天津の森(メタセコイア並木)
中国の森を再現した「天津の森」のハイライトは、約200mにわたって続くメタセコイアの並木道です。すらりとした円錐形の美しい樹形が特徴のメタセコイアは、秋になると赤褐色に染まり、ロマンチックな雰囲気の並木道を作り出します。落ち葉でできたふかふかの絨毯の上を歩きながら、美しい秋の景色を堪能できます。見頃が11月下旬と、他の紅葉より少し遅いのも特徴です。
⑤ヨーロッパ区(ニシキギなど世界の紅葉)
ヨーロッパの森のエリアでは、ニシキギの鮮烈な紅葉が目を引きます。ニシキギは「世界三大紅葉樹」の一つに数えられ、その名の通り、まるで錦を織りなしたかのような、っとするほど鮮やかな真紅に染まります。そのほか、ヨーロッパブナなど、日本ではあまり見かけない木々の黄葉も楽しめ、多様な色彩に出会えるエリアです。
【2025年最新】「森の紅葉めぐり」と夜間ライトアップ情報
神戸市立森林植物園では、紅葉の美しい時期に合わせて「森の紅葉めぐり」と題したイベントが開催されます。日中の散策をより楽しむための企画や、夜の森が幻想的に輝くライトアップなど、秋の魅力を満喫できるプログラムが満載です。ここでは、2025年のイベントに関する最新情報をご紹介します。
イベント「森の紅葉めぐり」の開催期間
「森の紅葉めぐり」は、園内の木々が色づき始める時期から落葉するまでの長い期間にわたって開催されます。
開催期間:2025年10月25日(土)~12月7日(日)
期間中は、スタッフが園内の見どころを案内してくれる「もみじ散策会」や、コンサートなどの様々なイベントが企画されます。世界の森を巡りながら、知的好奇心も満たされる、植物園ならではの紅葉狩りを楽しめます。
夜間ライトアップ「紅葉のライトアップ~光のさんぽみち~」
「森の紅葉めぐり」の期間中、週末と祝日限定で夜間ライトアップが開催されます。日中とは全く違う、ロマンチックな夜の森を散策できます。
- 開催期間:2025年11月3日(月・祝)~12月7日(日)の土曜・日曜・祝日
- 点灯時間:16:30 ~ 19:30
ライトアップされるのは、長谷池周辺のイロハモミジや、天津の森のメタセコイア並木など一部のエリアです。照明に照らされて闇夜に浮かび上がる紅葉は、息をのむほどの美しさ。特に、水面に映り込む「逆さ紅葉」は必見です。
ライトアップの混雑状況とおすすめの時間帯
ライトアップは非常に人気があり、開催日の夕方から夜にかけては多くの人で賑わいます。特に、駐車場や入口周辺は混雑が予想されます。比較的ゆっくりと鑑賞したい場合は、点灯開始直後の16:30頃か、閉園に近い18:30以降がおすすめです。また、長谷池など一部のエリアは17時以降通行できなくなる場合があるため、日中のうちに園内を散策し、ライトアップの時間は主要なエリアで待機するのが賢い回り方です。
森林植物園の紅葉狩りに適した服装と持ち物
神戸市立森林植物園は、六甲山の山間部に位置し、広大な敷地を散策して楽しむ場所です。そのため、街中へのお出かけと同じ感覚で訪れると、寒さや足の疲れで十分に楽しめないことも。安全で快適な紅葉狩りのために、しっかりとした服装と持ち物の準備を心がけましょう。
服装:山間部なので暖かい服装を!
森林植物園は神戸市街地よりも気温が5℃ほど低いと言われています。特に秋は、日が陰ると急に肌寒く感じられます。そのため、簡単に着脱できる上着を用意し、体温調節がしやすい重ね着(レイヤード)スタイルが基本です。フリースや薄手のダウンジャケット、風を通しにくいマウンテンパーカーなどがあると安心。夜間ライトアップまで滞在する場合は、冬用のコートや手袋、帽子、カイロなどの防寒対策が必須です。
靴:歩きやすいスニーカーやトレッキングシューズが必須
園内は非常に広く、見どころを巡るにはかなりの距離を歩きます。また、舗装された道だけでなく、落ち葉が積もった unpaved の散策路や坂道も多くあります。ヒールのある靴やサンダルは絶対に避け、必ず履き慣れたスニーカーで訪れてください。足元の安全を考えるなら、足首をサポートし、滑りにくい靴底のトレッキングシューズやハイキングシューズが最も理想的です。快適な靴選びが、園内散策を最後まで楽しむための鍵となります。
持ち物:園内は広大!飲み物など
広い園内を快適に散策するために、以下のアイテムをリュックサックなどに入れて持っていくと便利です。
- 飲み物:園内にも自動販売機はありますが、散策の途中でいつでも買えるわけではありません。水分補給のために1本持っていくと安心です。
- 軽食:歩き疲れた時に糖分を補給できる飴やチョコレートなどがあると役立ちます。
- レジャーシート:芝生広場などで休憩したり、ピクニックをしたりする場合に重宝します。
- 雨具:山の天気は変わりやすいため、折りたたみ傘などがあると安心です。
- 虫よけスプレー:秋でも蚊などがいることがあるため、念のため用意しておくと良いでしょう。
神戸市立森林植物園の基本情報
神戸市立森林植物園への紅葉狩りを計画する上で欠かせない、開園時間や料金、交通アクセスといった基本的な情報をまとめました。特に、公共交通機関の運行は季節や曜日によって変動があるため、事前の確認が重要です。スムーズな訪問のために、ぜひお役立てください。
開園時間・休園日・入園料
園の利用時間や料金は以下の通りです。ライトアップ期間中は、夜間も開園しています。
- 開園時間:9:00~17:00(最終入園は16:30)
- ライトアップ開催日:9:00~19:30(最終入園は18:30)
- 休園日:毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 入園料:大人(15歳以上)300円 / 小人(小・中学生)150円
アクセス(電車・バス・車)
森林植物園へは、電車とバスを乗り継ぐか、車でアクセスするのが一般的です。
【電車・バスでのアクセス】
神戸電鉄「北鈴蘭台」駅から無料送迎バスが運行されています(約10分)。ただし、紅葉シーズン(10月~11月)の土日祝は運行がありません。代わりに、JR「三宮」駅や神戸電鉄「谷上」駅などから市バス25系統(期間限定運行)や、有馬温泉からの六甲・摩耶急行バス(土日祝のみ)を利用することになります。運行日が限られるため、訪問前には必ずバスの運行スケジュールを公式サイトで確認してください。
【車でのアクセス】
三宮から約25分。六甲山トンネルを抜けてすぐの場所にあります。
駐車場情報(料金・混雑状況)
園には約700台を収容できる大規模な駐車場が完備されています。
- 駐車料金:普通車 500円 / バス 2,000円(1日1回)
通常は余裕がありますが、紅葉シーズンの週末やライトアップ開催日は、多くの車で混雑します。特に、ライトアップの時間帯は駐車場が満車になる可能性も高いため、時間に余裕を持って到着するか、公共交通機関の利用を検討するのがおすすめです。
まとめ:世界の森を巡りながら一日中楽しめる紅葉スポット

今回は、神戸市立森林植物園の秋の魅力について、見頃の時期から世界の森々の見どころ、イベント情報まで詳しくご紹介しました。この植物園の最大の魅力は、日本にいながらにして、まるで世界旅行をしているかのように各国の森の紅葉を巡ることができる、そのスケールの大きさと多様性にあります。
長谷池のほとりで日本の伝統的な秋景色に心癒されたかと思えば、少し歩けば北米や中国の雄大な森が広がる。一日かけても飽きることのない、変化に富んだ風景がここにはあります。さらに夜にはライトアップも開催され、昼から夜まで秋の森を心ゆくまで満喫できます。
今年の秋は、ただ紅葉を見るだけでなく、知的好奇心も満たしてくれる森林植物園で、世界を旅するような紅葉狩りに出かけてみてはいかがでしょうか。きっと、普段とは一味も二味も違う、奥深い秋の魅力に出会えるはずです。