【2025】知床五湖の紅葉の見頃時期や見どころを解説

2025年 知床五湖の紅葉はいつ？見頃の時期とピーク予想

世界自然遺産・知床。その核心部とも言える「知床五湖」は、日本で最も早く紅葉が訪れる場所の一つです。手つかずの原生林と静かな湖面が織りなす秋の風景は、まさに圧巻の一言。2025年に訪問を計画している方へ、最も重要な「見頃の時期」を、最新の状況を含めて詳しく解説します。

2025年の見頃は10月上旬～中旬！現在はピーク過ぎ

知床五湖の紅葉は、例年9月下旬から色づき始め、10月上旬から10月中旬にピークを迎えます。標高が高い知床峠（9月下旬～）から紅葉が始まり、それが麓の知床五湖へと下りてくるイメージです。

2025年10月23日（木）現在、知床五湖の紅葉は「落葉はじめ」の状況です。ウェザーニュースの紅葉情報（10月20日時点）でも「見頃（7～8割色づき）」と発表されており、まさにピークを迎えた直後と言えます。今週末（10月25日・26日）が、紅葉を楽しめる最後のチャンスとなるかもしれません。

見頃の主役は「草紅葉（くさもみじ）」！黄金色の湿原

知床五湖の紅葉の最大の特徴は、一般的なカエデなどの紅葉（こうよう）だけではなく、湿原の草が黄金色に染まる「草紅葉（くさもみじ）」が同時に楽しめることです。

特に、高架木道の終点にある「一湖」の展望台から見渡す景色は圧巻です。目の前には黄金色に輝く広大な草紅葉の絨毯が広がり、その奥には雄大な知床連山がそびえ立ちます。この「黄金色の湿原」と「冠雪し始めた山々」のコントラストこそが、知床五湖の秋を象徴する風景です。

例年の色づき始めとピーク（ナナカマド・カエデ類）

草紅葉が黄金色に染まり始めるのと時を同じくして、原生林の木々も色づきます。知床の森では、鮮やかな「赤」を見せるナナカマドや、「黄色」に染まるイタヤカエデ、ハウチワカエデなどが主役です。これらの木々が湖面に映り込む「逆さ紅葉」は、地上遊歩道を散策する際の見どころの一つです。これらの木々のピークも、例年10月上旬から中旬となります。

最新の紅葉状況を公式サイト（フィールドハウス）で確認する方法

知床五湖の紅葉は非常に短く、天候によっては一気に落葉してしまうこともあります。訪問前には、必ず最新の情報を確認してください。

最も信頼できる情報源は、「知床五湖フィールドハウス」の公式サイトです。現地のスタッフが、園内の紅葉の状況やヒグマの出没状況を日々更新しています。また、SNS（XやInstagram）で「#知床五湖」と検索し、リアルタイムで訪れている人の写真を確認するのも非常に有効です。

【重要】秋（10月）の散策ルール｜地上遊歩道は歩ける？

知床五湖の紅葉狩りを計画する上で、最も重要なのが現地の散策ルールを理解しておくことです。知床五湖は世界有数のヒグマ高密度生息地であり、安全を確保するために時期によって利用方法が厳しく制限されています。

紅葉シーズンである秋（8月1日～閉園まで）は、「植生保護期」にあたります（※2025年10月23日現在は「植生保護期」です）。

秋は「植生保護期」！ヒグマ活動期との違いは？

知床五湖のルールは大きく分けて2つあります。

• ヒグマ活動期（例年5/10～7/31）：
  ヒグマが活発に行動する時期。地上遊歩道はガイドツアー（有料・要予約）に申し込まないと一切歩けません。
• 植生保護期（例年8/1～閉園まで）：
  紅葉シーズンはこの期間にあたります。ヒグマの出没が「ヒグマ活動期」に比べて落ち着くため、ガイドツアーなしで地上遊歩道を個人で散策することが可能になります。

2025年10月23日（木）現在は「植生保護期」ですので、ガイドなしで五湖すべてを巡る「地上遊歩道」を歩くことができます。

①高架木道（一湖まで）：無料で自由に散策可能

まず、誰でも、いつでも（開園時間中）、無料で自由に散策できるのが「高架木道（こうかぼくどう）」です。これはヒグマの侵入を防ぐ電気柵が設置された、全長約800m（往復1.6km）のバリアフリーの木道です。

この木道の終点にある「一湖展望台」からは、目の前に広がる草紅葉と、知床連山の絶景を一望できます。知床五湖の紅葉のハイライトとも言える風景は、この高架木道からでも十分に楽しむことができます。時間が無い方や、気軽に紅葉を楽しみたい方にはこちらがおすすめです。

②地上遊歩道（五湖すべて）：レクチャー受講のみで個人散策OK（ガイド不要）

「植生保護期」である現在は、ガイドツアーを申し込まなくても、「地上遊歩道」を散策できます。こちらはヒグマの生息地である森の中（電気柵なし）を歩き、五湖すべて（または一湖・二湖のみ）を巡る本格的な散策路です。

ただし、自由に歩けるといっても、出発前に必ず「知床五湖フィールドハウス」で利用手続きをする必要があります。

地上遊歩道の利用手続きと料金（レクチャー時間）

地上遊歩道を歩くための手続きは以下の通りです。

1. 知床五湖フィールドハウスで受付：
   まず、フィールドハウス内のカウンターで、地上遊歩道を歩きたい旨を伝えます。
2. 利用料の支払い：
   券売機で利用料を支払います。料金は大人（12歳以上）250円、小人（11歳以下）100円です。
3. レクチャーの受講（約10分）：
   これが最も重要です。ヒグマに遭遇しないためのルール（食べ物・飲み物の制限、鈴の携帯など）や、現在のヒグマの出没状況などについて、約10分間のレクチャーを受けます。
4. 散策開始：
   レクチャーが終了すると「立入認定証」が渡され、地上遊歩道へ進むことができます。

※注意：ヒグマが目撃された場合、レクチャーを受けても即座に地上遊歩道は閉鎖されます。こればかりは運次第ですので、現地で最新の情報を確認してください。

知床五湖の紅葉 おすすめ見どころスポット4選

知床五湖の紅葉は、本州の紅葉名所とは少し趣が異なります。もちろんカエデ類の紅葉もありますが、最大の主役は湿原全体が黄金色に染まる「草紅葉（くさもみじ）」です。世界遺産の雄大な自然が、秋色に染まる圧巻の見どころを4つご紹介します。

①高架木道（一湖展望台）：知床連山と草紅葉の360度パノラマ

まず絶対に外せないのが、無料で散策できる「高架木道（こうかぼくどう）」です。ヒグマの侵入を防ぐ電気柵が設置されており、安全に知床の秋を体感できます。

全長約800mの木道を進んだ先にある「一湖（いっこ）展望台」からの眺めは、まさに知床の秋を象徴する風景です。目の前には、黄金色に輝く広大な「草紅葉」の絨毯が広がり、その奥には雄大な知床連山がそびえ立ちます。2025年10月下旬（まさに今）は、山頂が冠雪し始める時期でもあり、「雪の白・草紅葉の金・空の青」という三段染めのコントラストを楽しめる、一年で最も美しい季節の一つです。

②地上遊歩道・二湖の水面：空と紅葉を映す「逆さ紅葉」

「植生保護期」である現在、レクチャーを受ければ散策できる「地上遊歩道」の醍醐味は、湖を間近に感じられることです。高架木道からは見ることができない、二湖から五湖の神秘的な姿を楽しめます。

特に「二湖（にこ）」や「三湖（さんこ）」の湖畔は、風がなければ湖面が鏡のように周囲の景色を映し出します。知床連山の山並みと、湖畔を彩るナナカマドの赤、カエデの黄色が、静かな水面に「逆さ紅葉」として映り込む光景は、高架木道とは全く違う、静謐（せいひつ）な美しさがあります。2025年10月23日現在は落葉が始まっていますが、風のない日にはまだ美しいリフレクションが期待できるでしょう。

③黄金色に輝く「草紅葉」の湿原

知床五湖の秋の主役は、木々よりもむしろ「草紅葉（くさもみじ）」です。これは、湖の周囲に広がる湿原の草々（スゲやミズゴケなど）が一斉に黄金色に色づく現象です。

高架木道から見下ろす広大な湿原も圧巻ですが、地上遊歩道を歩くと、目線の高さに「黄金色の絨毯」が広がるのを体感できます。太陽の光を浴びてキラキラと輝く草紅葉の中を歩くのは、知床五湖ならではの特別な体験です。

④原生林を彩るナナカマドやカエデの赤色

黄金色の草紅葉の中で、鮮烈なアクセントとなるのが木々の紅葉です。知床の森では、特に「ナナカマド」の燃えるような真っ赤な実と葉が目立ちます。また、イタヤカエデやハウチワカエデなどが「黄色」に色づきます。

地上遊歩道の原生林コースでは、これらの鮮やかな「赤」や「黄」が、常緑樹の「緑」と混ざり合い、複雑で美しい色彩の森を散策することができます。落葉が始まった現在でも、足元に敷き詰められた「落ち葉の絨毯」が、秋の森の美しさを際立たせています。

知床五湖へのアクセス｜バス・車（駐車場）情報

世界自然遺産・知床五湖へのアクセスは、ウトロ市街地から車かバスで向かうのが一般的です。紅葉シーズンである秋（10月）は、夏の繁忙期とは異なり、マイカー規制（交通規制）はありませんので、自家用車やレンタカーで直接アクセス可能です。ただし、バスの運行期間や駐車場の営業時間に注意が必要です。

【車】ウトロ市街地・知床自然センターからのルート

ウトロの市街地から、国道334号線を羅臼（知床峠）方面へ進みます。途中にある「知床自然センター」を過ぎてすぐ、道道93号線（知床公園線）へ左折し、そのまま道なりに約10km（約15分）進むと、知床五湖フィールドハウスの駐車場に到着します。

なお、2025年10月23日現在、知床峠（知床横断道路）は10月24日から夜間通行止め（17:00～翌朝9:00）に入り、11月4日には冬期通行止めとなる予定です。羅臼側からのアクセスは日中に限られるためご注意ください。

知床五湖フィールドハウス駐車場の料金と混雑状況

知床五湖には専用の駐車場（有料）が完備されています。

• 駐車料金： 普通車 500円、バイク 200円
• 営業時間： 2025年10月23日現在は、8:30～17:00となっています。（10月21日～31日までの期間）

※フィールドハウスの閉館（＝遊歩道の最終入場）は駐車場の閉鎖よりも早いため（10月下旬は16:00頃）、時間に余裕を持って到着してください。

紅葉シーズンのピークと重なる週末（土日）は、日中（10:00～14:00頃）を中心に駐車場が満車になることがあります。特に2025年10月下旬は紅葉の最終盤にあたるため、多くの観光客が訪れる可能性があります。駐車待ちの渋滞を避けるため、朝一番（8:30）に到着するか、後述する路線バスの利用がおすすめです。

【バス】ウトロ温泉から斜里バスでのアクセス（秋季の運行期間に注意）

車の運転が不安な方や、駐車待ちを避けたい方は、路線バス（斜里バス）が便利です。JR知床斜里駅やウトロ温泉バスターミナルから、知床五湖行きの「知床線」が運行しています。

【最重要：運行期間】
2025年度の知床線（ウトロ～知床五湖）の夏ダイヤ（秋季運行）は、10月31日（金）をもって終了します。11月1日からは冬ダイヤとなり、知床五湖までのバス路線は運休となります。

2025年10月23日（木）現在はまだ運行期間中ですが、便数は夏に比べて少なくなっています。ウトロ温泉バスターミナルからの始発は9時台、知床五湖からの最終バスは16時台など、運行本数が限られています。必ず事前に斜里バスの公式サイトで最新の時刻表を確認し、乗り遅れのないよう計画を立ててください。

【服装・注意点】知床五湖の紅葉狩りで必須の準備

世界自然遺産・知床五湖の散策は、一般的な紅葉狩りとは異なり、「大自然の中にお邪魔する」という意識と準備が不可欠です。特に紅葉シーズン終盤の10月下旬は、寒さとヒグマ対策が最重要課題となります。安全に楽しむための必須の準備を解説します。

①服装：10月下旬は冬！ダウンジャケット・手袋は必須

紅葉が見頃とはいえ、2025年10月下旬の知床五湖は、本州の感覚で言えば「真冬」です。ウトロ市街地と比べても気温が数度低く、風が吹くと体感温度は氷点下になることも珍しくありません。

【必須の服装アイテム】

• アウター： 冬用のダウンジャケットや厚手のコートが必須です。風を通さない素材のものが望ましいです。
• インナー： ヒートテックなどの保温性インナーの上に、フリースやセーターを重ね着してください。
• 小物： ニット帽、手袋、マフラー（ネックウォーマー）は絶対に必要です。特に高架木道は風を遮るものがなく、耳や手が非常に冷たくなります。
• 足元： 高架木道だけならスニーカーでも歩けますが、冷え対策のために厚手の靴下を履きましょう。地上遊歩道を歩く場合は、朝露や霜で足場が濡れている可能性があるため、防水性のあるトレッキングシューズが最適です。

「紅葉狩り」という言葉の響きで秋の服装を想像していると、寒さで散策どころではなくなります。必ず万全の防寒対策で臨んでください。

②【必須】ヒグマ（熊）対策：地上遊歩道は熊よけの鈴を携帯

紅葉シーズンは「植生保護期」にあたり、ガイドなしで地上遊歩道を歩けますが、ヒグマの生息地であることに変わりはありません。ヒグマも冬眠を前に活発にエサを求めている時期です。

【地上遊歩道のルール】

• 熊よけの鈴： 必ず携帯し、音を鳴らしながら歩いてください。人間の存在をヒグマに知らせ、不意の遭遇を避けることが目的です。フィールドハウスでも販売・レンタルしています。
• 飲食の禁止： ヒグマを引き寄せないため、地上遊歩道へは「水」と「お茶（無糖）」以外は持ち込めません。アメやガム、ジュースなども一切禁止です。
• レクチャーの徹底： フィールドハウスで受けるレクチャーの指示（ヒグマに遭遇した場合の対処法など）を必ず守ってください。

※高架木道は電気柵に守られているため、鈴や飲食の制限はありませんが、食べ物のゴミなどを木道から落とさないよう注意してください。

③売店・トイレ情報（フィールドハウスで済ませること）

知床五湖の散策エリアは、自然保護のために人工的な設備が極限まで制限されています。

• トイレ： 「知床五湖フィールドハウス」内のトイレが唯一のトイレです。高架木道の途中や地上遊歩道には一切トイレはありません。散策（往復1.6km以上）を始める前に、必ずここで済ませてください。
• 売店・自販機： フィールドハウス内の売店と自動販売機が最後です。地上遊歩道へ持ち込める「水」や「お茶」も、ここで購入するか事前に用意しておく必要があります。

また、10月下旬は日没が非常に早いです。フィールドハウスの閉館・駐車場の閉鎖時間（10/23現在は16:30～17:00頃）も早まりますので、時間に余裕を持った計画を立てましょう。

まとめ：2025年は知床五湖で日本最速の絶景紅葉を楽しもう

世界自然遺産・知床五湖の紅葉は、日本で最も早く訪れる絶景の一つです。2025年のシーズンは10月上旬から中旬にピークを迎え、10月23日現在は「落葉はじめ」となり、間もなくフィナーレを迎えます。

知床五湖の秋の主役は、黄金色に輝く「草紅葉（くさもみじ）」です。誰でも無料で歩ける「高架木道」からは、冠雪し始めた知床連山と、眼下に広がる黄金色の湿原という、圧巻のパノラマを一望できます。

また、紅葉シーズン（10月現在）は「植生保護期」にあたるため、事前のレクチャー（有料）を受けるだけで、ガイドなしで「地上遊歩道」を散策し、五湖すべての湖畔を巡ることも可能です。（※ヒグマ出没時は即時閉鎖されます）

訪問の際は、「10月下旬は真冬」という意識の防寒対策（ダウンジャケット・手袋・帽子）が必須です。また、地上遊歩道を歩く場合は、ヒグマ対策（鈴の携帯、飲食禁止ルールの徹底）も欠かせません。万全の準備を整えて、世界遺産が誇る日本最速の秋の絶景をお楽しみください。