鳥崎八景

北海道

【2025】鳥崎八景の紅葉の見頃時期や見どころを解説

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2025年 鳥崎八景の紅葉はいつ?見頃の時期とピーク予想

北海道駒ヶ岳(こまがたけ)の南麓、茅部郡森町(かやべぐんもりまち)を流れる鳥崎川の上流に位置する「鳥崎八景(とりさきはっけい)」。手つかずの原生林が残る深い渓谷に、8つの滝や奇岩が点在する、知る人ぞ知る紅葉の秘境スポットです。

アクセスが容易ではない分、訪れる人も少なく、静かに北海道の圧倒的な自然と紅葉を楽しみたい方には最高の場所と言えます。2025年に訪問を計画している方へ、最も重要な「見頃の時期」を解説します。

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2025年の見頃は10月中旬~10月下旬!

2025年の鳥崎八景の紅葉は、10月中旬から10月下旬にかけて見頃のピークを迎えると予想されます。道南エリア(北海道南部)の中では、比較的早めに紅葉が始まる山間部・渓谷エリアにあたります。

具体的な日付としては、10月15日(水)頃から色づきが本格化し、10月20日(月)から10月30日(木)頃が、カエデやウルシの「赤」、ブナやイタヤカエデの「黄」が渓谷を彩る最も美しい時期となるでしょう。11月に入ると落葉が進み、早い冬の訪れを感じさせます。

例年の色づき始めとピーク時期の傾向

鳥崎八景は標高こそ高くないものの、深い渓谷であるため朝晩の冷え込みが早く、平地よりも早く色づき始めます。

例年、10月上旬(10日頃)から、ウルシの葉やツタウルシなどが赤く色づき始めます。その後、10月中旬にかけて気温がぐっと下がると、カエデ類が一斉に紅葉し、ピークを迎えます。函館市内の公園(五稜郭公園や函館公園)の見頃よりも、1週間から10日ほど早くピークが来ると覚えておくと良いでしょう。

最新の紅葉情報をSNSや森町の観光情報で確認する方法

鳥崎八景は自然のままの渓谷であり、その年の気候によって色づきのタイミングが前後しやすいスポットです。訪問前には、必ず最新の情報を確認してください。

X(旧Twitter)やInstagramで「#鳥崎八景」と検索すると、訪れた人のリアルタイムな写真が参考になります。また、「森町(もりまち)」の公式ホームページや観光協会のサイトで、紅葉情報が発信されることもあります。

【最重要】
鳥崎八景へのアクセスは「鳥崎林道」という未舗装路を通ります。この林道は、ヒグマの出没状況や天候(大雨・落石など)によって、予告なくゲートが閉鎖されることが頻繁にあります。紅葉の色づき状況とあわせて、必ず「林道ゲートが開いているか」という情報も確認してから出発するようにしてください。

鳥崎八景とは?渓谷美と紅葉が織りなす8つの絶景スポット

「鳥崎八景(とりさきはっけい)」とは、北海道駒ヶ岳の南麓、森町を流れる鳥崎川の上流にある「鳥崎渓谷」に点在する、8ヶ所の特に優れた景勝地を総称したものです。手つかずの原生林が残る深い渓谷沿いに、滝、奇岩、断崖などが次々と現れ、訪れる人々を圧倒します。

紅葉シーズンになると、これらのスポットがカエデやウルシの赤、ブナやイタヤカエデの黄色に染まり、まさに「秘境の絶景」と呼ぶにふさわしい風景が広がります。ここでは、鳥崎林道の入口から奥へと順に現れる(とされる)八景の魅力をご紹介します。

第一景:鳥崎渓谷(とりさきけいこく)

八景の入口にあたり、鳥崎八景のプロローグとも言えるエリアです。林道を進むと、鳥崎川が刻んだ深い渓谷が姿を現します。秋には川のせせらぎと、両岸を彩る紅葉のコントラストが美しく、これからはじまる絶景巡りへの期待感を高めてくれます。

第二景:二見ヶ滝(ふたみがたき)

鳥崎八景の中で、最も有名でアクセスしやすいハイライトの一つです。その名の通り、流れが二筋に分かれて落ちることから名付けられました。落差はそれほど大きくありませんが、黒い岩肌を伝うように白い糸となって流れ落ちる姿は非常に優雅です。紅葉シーズンには、真っ赤なカエデが滝を額縁のように彩り、多くの写真愛好家を魅了します。

第三景:蛤岩(はまぐりいわ)

渓谷沿いに現れる巨大な奇岩の一つです。その形状が、貝の「蛤(はまぐり)」が開いた姿に似ていることから名付けられたと言われています。原生林の中に突如として現れるユニークな形の岩と、周囲の木々の紅葉が織りなす風景は、自然の造形美を感じさせます。

第四景:屏風岩(びょうぶいわ)

鳥崎渓谷の中でも特にダイナミックな景観を誇るのが、この屏風岩です。高さ約100メートルにも達する断崖絶壁が、まるで巨大な屏風を立て巡らせたかのように続いています。秋になると、この岩肌が赤や黄色の紅葉で彩られ、その壮大なスケールに圧倒されます。

第五景:元宝(がんほう)の滝

渓谷のさらに奥、原生林の中にひっそりと隠れるように存在する滝です。「宝」の名を冠するように、その美しさは格別とされています。苔むした岩々の間を清らかな水が流れ落ちる様子は神秘的で、紅葉が加わると、まるで宝石箱のような鮮やかな色彩を見せてくれます。

第六景:上大滝(かみおおたき)

二見ヶ滝と並び、鳥崎八景のもう一つのクライマックスとなる名瀑です。アイヌ語で「ポロソー(大きな滝)」と呼ばれていた通り、落差約10メートルを高みから水煙を上げて一気に流れ落ちる姿は迫力満点です。滝壺の近くまで下りていくことができ、紅葉に包まれながら滝の迫力を間近で体感できます。

第七景:ラッコ岩

渓流の中に、まるでラッコが水面に浮かんでいるかのように見える奇岩です。長い年月の浸食によって磨かれた岩が、偶然にも動物の形に見えるという自然の遊び心を感じるスポット。紅葉の中、清流に浮かぶラッコの姿を探してみるのも一興です。

第八景:熊戻(くまもどし)の滝

鳥崎八景の最深部に位置するとされる滝です。その名の通り、「ヒグマでさえ引き返すほど険しい場所」にあることが由来とも言われています。訪れるには本格的なトレッキングの準備が必要となりますが、その分、たどり着いた者だけが見られる手つかずの紅葉と滝の絶景が待っています。

【必見】最大の見どころは「二見ヶ滝」と紅葉のコラボレーション

八景すべてを巡るのは時間と体力が必要ですが、紅葉狩りのハイライトとして「二見ヶ滝」と「屏風岩」、そして可能であれば「上大滝」はぜひ訪れたいスポットです。特に二見ヶ滝は、林道から比較的すぐに観賞でき、紅葉とのバランスが最も美しい場所として人気を集めています。

鳥崎八景へのアクセス方法|駐車場と注意点

鳥崎八景は「秘境の紅葉スポット」と呼ばれる通り、その最大のハードルがアクセスです。観光地として整備された公園とは異なり、手つかずの自然の中に入っていくため、事前の準備と情報確認が欠かせません。訪問は車が必須となり、運転にも注意が必要です。

【車】道央自動車道「森IC」からが基本ルート

鳥崎八景へのアクセスは、レンタカーまたは自家用車が必須となります。

最寄りのインターチェンジは、道央自動車道「森IC」です。森ICから国道5号線を経由し、鳥崎川に沿って道道606号線を進むと、「鳥崎林道」のゲート(入口)に到着します。森ICから林道ゲートまでは約15分~20分程度です。

ここからが核心部となります。鳥崎八景の各スポットは、この「鳥崎林道」という未舗装の砂利道(ダート)沿いに点在しています。二見ヶ滝まではゲートから約5km、最奥の上大滝までは約8kmの道のりとなります。道幅は狭く、すれ違いが困難な場所もあるため、対向車や落石に注意しながら最徐行で運転する必要があります。

無料駐車場の台数と場所(二見ヶ滝入口)

鳥崎八景には、整備された大規模な「駐車場」はありません。

紅葉のハイライトである「二見ヶ滝」や「上大滝」の入口付近の林道沿いに、車が数台程度停められる広くなったスペース(待避所)があるのみです。これが事実上の駐車スペースとなります。

収容台数は非常に限られており、紅葉が見頃となる週末は、この狭いスペースがすぐに埋まってしまう可能性があります。他の車の通行の妨げにならないよう、譲り合って駐車する必要があります。

【注意】公共交通機関(電車・バス)でのアクセスは困難

JR函館本線の「森駅」が最寄りの駅となりますが、駅から鳥崎八景の入口(林道ゲート)までは約10km以上離れています。路線バスなども運行されていません。

また、林道区間は未舗装のダートであり、携帯電話の電波も届きにくい(詳細は次項)ため、タクシーの利用も現実的ではありません。(往路は行けても、帰りのタクシーを呼ぶ手段がありません)

鳥崎八景を訪れる際は、必ずご自身で運転できる車(レンタカーなど)を手配してください。また、未舗装路の運転に不安がある方や、車高が極端に低い車での訪問は推奨されません。

鳥崎八景の紅葉狩りで知っておくべき重要事項

鳥崎八景は、整備された観光公園とは全く異なります。手つかずの原生林が残る「秘境」であり、その絶景には相応のリスクが伴います。「ちょっと紅葉を見に行く」という軽い気持ちではなく、「自然の渓谷に入る」という認識で、万全の準備をして臨んでください。

①服装は「登山・トレッキング」の準備を(スニーカー必須)

アクセス路は未舗装の林道で、滝の近くへは足場の悪い急な坂を下る場所もあります。サンダルやヒール、革靴などは絶対にNGです。最低でも、滑りにくく歩きやすいスニーカーが必須です。

理想は、防水性のあるトレッキングシューズや登山靴です。また、10月中旬~下旬の山間部は、平地よりも気温が5℃以上低いこともあります。脱ぎ着しやすい防寒着(フリース、ダウンジャケットなど)を必ず用意し、天候の急変に備えて雨具(レインウェア)も持参すると安心です。

②【最重要】ヒグマ対策は万全に!熊よけの鈴やスプレーを携帯

鳥崎八景の周辺は、ヒグマ(熊)の生息地です。実際に目撃情報も多く、林道ゲートがヒグマ出没によって閉鎖されることもあります。これは鳥崎八景を訪れる上で最大のリスクです。

単独での行動は避け、必ず複数人で行動してください。そして、熊よけの鈴やラジオなど、音が出るものを身につけて自分たちの存在を常にアピールしてください。食べ物のゴミを絶対に捨てないことはもちろん、念のため熊撃退スプレーを携帯することを強く推奨します。これは決して大げさな準備ではありません。

③林道(未舗装路)の運転と落石に注意

二見ヶ滝や上大滝へ続く「鳥崎林道」は、舗装されていない砂利道(ダート)です。路面はデコボコしており、大きな石が転がっていることもあります。パンクや車両下部を擦るリスクがあるため、車高の低い車での進入は避けるべきです。

運転は常に最徐行を心がけ、対向車に備えましょう。また、渓谷沿いは落石の危険性も常にあります。大雨が降った後などは特に危険なため、訪問を中止する勇気も必要です。

④携帯電話の電波が届きにくいエリアです

林道に入ると、ほとんどの場所で携帯電話の電波(4G/LTE)が圏外になります。二見ヶ滝や上大滝の周辺も、基本的に電波は届かないと考えてください。

これは、万が一車が故障したり、怪我をしたり、熊に遭遇したりしても、その場で助けを呼ぶことができないことを意味します。入山前に必ず家族や知人に行き先を告げ、帰宅時間を伝えておきましょう。

⑤トイレ・売店情報(事前に済ませておくこと)

鳥崎八景のエリア内(林道ゲートより奥)には、公衆トイレ、自動販売機、売店、飲食店などは一切ありません。

トイレは、森ICを降りた後や、森町の市街地のコンビニなどで必ず済ませてから向かってください。飲み物や軽食も、事前に購入して持参する必要があります。

まとめ:2025年は鳥崎八景でスリルと絶景の紅葉狩りを楽しもう

北海道森町に隠された紅葉の秘境、「鳥崎八景」。2025年の見頃は、函館などの市街地より一足早い10月中旬から10月下旬にかけてです。

手つかずの原生林の中に点在する「二見ヶ滝」や「屏風岩」、「上大滝」などが、赤や黄色の鮮やかな紅葉に彩られる姿は、まさに圧巻の一言。整備された観光地では決して味わえない、荒々しくも美しい大自然の絶景がそこにはあります。

しかし、その絶景を見るためには相応の準備と覚悟が必要です。アクセスは未舗装の林道(ダート)を車で進むしかなく、公共交通機関では到達できません。そして何よりも、ヒグマの生息地であるという最大のリスクが伴います。

訪れる際は、熊よけの鈴やスプレーの携帯、登山に適した服装、食料・飲料の事前準備、電波が圏外であることの認識など、万全の安全対策が必須です。「観光」ではなく「探検」に近いこの場所は、安易におすすめできるスポットではありませんが、十分な準備をした上で訪れれば、忘れられないスリリングな紅葉狩りとなるでしょう。

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