2025年、谷汲山華厳寺の紅葉の見頃時期は?

岐阜県揖斐川町に佇む、谷汲山華厳寺(たにぐみさん けごんじ)。日本最古の観音巡礼である「西国三十三所」の第三十三番札所、すなわち最終目的地である「満願霊場(まんがんれいじょう)」として、古くから多くの参拝者を集めてきました。
歴史と信仰の深さを感じさせるこの古刹は、東海地方を代表する紅葉の名所でもあります。約1kmにわたって続く「もみじの参道」が真っ赤に染まる光景は、まさに圧巻の一言。そんな谷汲山華厳寺の紅葉を最高の時期に味わうため、2025年の見頃情報を確認していきましょう。
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例年の見頃は11月中旬~下旬
谷汲山華厳寺の紅葉は、例年11月中旬頃から色づきが本格化し、11月下旬に見頃のピークを迎えます。仁王門から本堂まで続く参道沿いに植えられた数百本のモミジが一斉に色づき、訪れる人々を美しい「紅葉のトンネル」で迎えてくれます。
東海エリアの平野部の紅葉スポットとしては、比較的遅めの見頃となるため、秋の終わりを楽しむのにぴったりの場所です。天候によっては12月上旬まで、名残の紅葉を楽しめる年もあります。
2025年の紅葉最盛期予想と最新情報の確認方法
その年の紅葉は、秋の気候によって色づきの進み具合が変動します。日本気象株式会社の最新の予測(10月2日発表)によると、今年は全国的に9月から10月の気温が高めに推移する見込みのため、紅葉の見頃は平年並みか、やや遅い傾向にあるとされています。
このことから、谷汲山華厳寺でも2025年の紅葉は、例年通り11月下旬頃に最も美しいピークを迎える可能性が高いと考えられます。「谷汲もみじまつり」も、この時期に合わせて開催されるのが通例です。
ただし、これはあくまで予測です。お出かけ前には、最新の色づき状況を確認しましょう。
【最新情報の確認方法】
- 公式サイトで確認する
「谷汲山華厳寺」の公式サイトや、「揖斐川町」の観光情報サイトで、紅葉やもみじまつりの情報が発信されます。 - SNSでリアルタイム検索をする
最もおすすめなのが、SNSでのリアルタイム検索です。InstagramやX(旧Twitter)で「#谷汲山華厳寺」や「#谷汲山」と検索すれば、訪れた人の最新の写真を見ることができ、参道の「今」の色づき具合を正確に把握できます。
「もみじのトンネル」は必見!谷汲山華厳寺の3大見どころ
西国三十三所の満願霊場として、厳かで神聖な雰囲気が漂う谷汲山華厳寺。その境内は、秋になると約1,000本ものモミジやカエデが色づき、訪れる人の心を和ませる華やかな景色に包まれます。ここでは、絶対に外せない3つの紅葉見どころスポットをご紹介します。
【見どころ1】約1km続く「もみじの参道」の紅葉トンネル
谷汲山華厳寺の紅葉のハイライトであり、象徴ともいえるのが、総門から仁王門までの約1kmにわたって続く「もみじの参道」です。道の両脇には数百本のもみじが植えられており、見頃の時期になると頭上を覆うように枝が広がり、まるで燃えるような赤色のトンネルを作り出します。
木漏れ日がキラキラと輝くトンネルの中を、足元の落ち葉を踏みしめながらゆっくりと歩けば、気分は最高潮。参道沿いにはお土産物屋さんや飲食店が軒を連ねており、賑やかな雰囲気も楽しめます。この参道を歩くためだけに、毎年多くの人が訪れる、まさに圧巻の景色です。
【見どころ2】仁王門や本堂を彩るカエデの古木
長い参道を抜けた先にある仁王門や、その奥に鎮座する本堂の周辺も見逃せないスポットです。これらの歴史ある建物の周りには、ひときわ大きく、見事な枝ぶりのカエデの古木が点在しています。
長い年月を経てきたことが感じられる荘厳な建物の黒や茶色と、鮮やかな紅葉の赤とのコントラストは、まさに日本の秋の美そのもの。特に、どっしりとした構えの仁王門と紅葉を一緒に写真に収めるのは、定番の撮影構図です。満願霊場ならではの神聖な空気の中で、静かに紅葉の美しさを堪能できます。
【見どころ3】笈摺堂(おいずるどう)周辺の静かな紅葉
本堂での参拝を終えたら、ぜひ満願堂のさらに奥にある「笈摺堂」まで足を延ばしてみてください。ここまで来ると参拝客の数もぐっと減り、より静かで落ち着いた雰囲気になります。
このお堂は、西国三十三所の巡礼を終えた人々が、旅を共にした笈摺(巡礼者の白衣)を奉納する場所。その周辺は美しい紅葉に包まれており、静寂の中でじっくりと紅葉と向き合える穴場スポットです。賑やかな参道とはまた違う、しっとりとした趣のある紅葉風景が、満願成就の感慨深さを一層引き立ててくれるかのようです。
【2025年】「谷汲もみじまつり」と夜間ライトアップ情報
谷汲山華厳寺の紅葉がピークを迎える頃、その美しさをさらに盛り上げるイベント「谷汲もみじまつり」が開催されます。期間中は、地元の特産品販売や様々な催しが行われ、多くの人で賑わいます。そして、このまつりのハイライトが、夜間に行われるライトアップです。昼間の華やかさとはまた違う、幻想的な夜の紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。
開催期間と主なイベント内容
「谷汲もみじまつり」は、谷汲山華厳寺の秋の風物詩として定着しているイベントです。
【2025年の開催期間について】
2025年の開催期間については、まだ正式な発表がありません(2025年10月上旬時点)。例年、紅葉の見頃となる11月中旬から下旬にかけての約2~3週間にわたって開催されることが多いです。
参考として、昨年度は11月の第2週から第4週の日曜日に主なイベントが開催されました。詳細な日程は10月下旬頃に「揖斐川町」の公式サイトなどで発表されますので、訪問前に必ず最新情報を確認してください。
期間中の週末には、もみじの参道沿いに地元の野菜や特産品を販売する「楽市楽座」が開かれたり、ステージイベントが開催されたりと、多くの人で賑わいます。
幻想的に照らされる「もみじの参道」のライトアップ
もみじまつりの期間中、週末の夜限定で行われるライトアップは、このイベント最大の目玉です。
【ライトアップ期間・時間】
例年、まつり期間中の土日祝日を中心に、17:00頃から21:00頃まで実施されます。詳しい開催日は公式サイトでの発表をご確認ください。
【見どころ】
ライトアップのメイン会場は、なんといっても約1kmにわたる「もみじの参道」です。数百本のもみじが下から照らし出され、昼間とは全く違う、光と影が織りなす幻想的な「光のトンネル」が出現します。闇夜に浮かび上がる燃えるような赤や黄色の葉は、息をのむほどの美しさ。日中の賑わいとはうってかわり、静かでロマンチックな雰囲気に包まれます。
【注意点】
11月の夜は山間部のためかなり冷え込みます。ダウンジャケットや手袋、カイロなど、真冬並みの防寒対策をしてお出かけください。また、ライトアップは大変人気があるため、駐車場が混雑することもあります。時間に余裕を持って行動しましょう。
西国三十三所・満願霊場としての歴史とご利益
谷汲山華厳寺の紅葉の美しさは、この寺が持つ深い歴史と信仰心を知ることで、より一層味わい深いものになります。ただ美しいだけでなく、なぜ多くの人々がこの地を目指すのか。その背景にある、日本最古の巡礼の終着点としての役割と、独特の参拝方法をご紹介します。
日本最古の観音巡礼「西国三十三所」の最終札所
「西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)」とは、今から1300年以上前に始まったとされる、日本で最も古い観音霊場巡りのことです。近畿2府4県と岐阜県に点在する33の観音菩薩を祀るお寺を巡拝します。
谷汲山華厳寺は、その長い巡礼の旅の最終目的地である第三十三番札所であり、「満願霊場(まんがんれいじょう)」として知られています。長い道のりを歩んできた巡礼者たちが、無事に旅を終えられた感謝を捧げる特別な場所なのです。そのため、境内には常に白装束の巡礼者たちの姿があり、他の観光寺院とは異なる、厳かで神聖な空気が流れています。
本堂の「戒壇めぐり」と「精進落としの鯉」
華厳寺の本堂では、満願霊場ならではの特別な体験ができます。
【戒壇(かいだん)めぐり】
本堂の床下にある、一寸先も見えない真っ暗な回廊を手探りで歩く修行です。暗闇の中を進み、ご本尊の真下にある錠前に触れることで、ご本尊と縁を結び、生まれ変わることができると言われています。視覚が奪われることで、感覚が研ぎ澄まされる不思議な体験です。
【精進落としの鯉】
本堂の柱には、なでられて黒光りする木彫りの鯉が取り付けられています。これは「精進落としの鯉」と呼ばれ、西国三十三所の巡礼をすべて終えた人が、最後にこの鯉に触れることで、巡礼中の精進潔斎(しょうじんけっさい)を終えるという習わしがあります。満願成就の象徴として、多くの人々の想いが込められた鯉です。
過去・現在・未来の三種類の「御朱印」
参拝の証としていただく御朱印。華厳寺では、他のお寺ではほとんど見られない、大変珍しい特徴があります。それは、「過去」「現在」「未来」を表す三種類の御朱印をいただけるということです。
- 本堂:「現在」を表す御朱印
- 満願堂:「過去」を表す御朱印
- 笈摺堂:「未来」を表す御朱印
これら三つをいただくことで、過去から未来までのご利益をいただけると言われています。満願霊場ならではの、ありがたい御朱印。訪れた記念にぜひいただいてみてはいかがでしょうか。
谷汲山華厳寺へのアクセスと駐車場情報
岐阜県西部の揖斐川町に位置する谷汲山華厳寺。自然豊かな山里にありますが、東海地方や関西方面からのアクセスも比較的良好です。ここでは、車で訪れる場合と公共交通機関を利用する場合、それぞれのアクセス方法と、紅葉シーズンに特に重要となる駐車場情報について詳しく解説します。
車でのアクセス方法(大垣IC・関ケ原ICから)
車で訪れる場合、高速道路の利用が便利です。最寄りのインターチェンジは複数あります。
【名神高速道路から】
「大垣IC」または「関ケ原IC」から、国道や県道を経由して約30~40分で到着します。
【東海環状自動車道から】
「大垣西IC」が最寄りとなり、約30分で到着します。名古屋方面からのアクセスに便利です。
インターを降りてからは、案内看板に従って国道417号線などを経由し、谷汲方面を目指します。カーナビの目的地は「谷汲山華厳寺」または「谷汲観光駐車場」に設定すると良いでしょう。
公共交通機関でのアクセス方法(養老鉄道・揖斐川町コミュニティバス)
公共交通機関を利用する場合は、電車とバスを乗り継いで向かいます。
【ステップ1:電車】
まず、養老鉄道養老線の終点「揖斐(いび)駅」を目指します。JR大垣駅で養老鉄道に乗り換えるのが一般的なルートです。
【ステップ2:バス】
揖斐駅の駅前から、「揖斐川町コミュニティバス」の揖斐・谷汲線に乗車し、「谷汲山」バス停で下車します。所要時間は約25~30分です。
【最重要注意点】
このコミュニティバスは、運行本数が1~2時間に1本程度と非常に少ないため、事前の時刻表確認が必須です。特に帰りのバスの最終時刻は必ず確認し、乗り遅れることのないよう、時間に余裕を持った計画を立ててください。
駐車場の場所・料金と混雑状況
華厳寺の門前町入口には、約800台を収容できる広大な「谷汲観光駐車場」が整備されています。紅葉シーズンや「もみじまつり」の期間中は、環境整備協力金として駐車料金(普通車1台500円程度)が必要です。
広大な駐車場ですが、もみじまつりが開催される週末のお昼前後は大変混雑し、満車になることもあります。また、駐車場に続く道が渋滞することも珍しくありません。
週末に訪れる場合は、渋滞や満車を避けるため、午前中の早い時間帯(10時より前)に到着することをおすすめします。
参拝の楽しみ!門前町の食べ歩きグルメ&お土産
谷汲山華厳寺のもう一つの大きな楽しみが、総門から仁王門まで約1kmにわたって続く「門前町」の散策です。美しいもみじの参道の両脇には、数十軒もの飲食店やお土産物屋さんがずらりと軒を連ね、活気に満ちあふれています。ここでは、参拝の道中にぜひ味わいたい、おすすめの食べ歩きグルメをご紹介します。
香ばしい香りがたまらない!手焼きせんべい
参道を歩いていると、どこからともなく漂ってくるのが、お醤油の焼ける香ばしい匂い。その香りに誘われて向かうと、職人さんが一枚一枚丁寧に炭火で焼き上げる「手焼きせんべい」のお店があります。
焼きたて熱々のおせんべいは、外はパリッと、中はサクサク。お米の甘みと、香ばしい醤油の風味が口いっぱいに広がります。様々な形や味があり、どれにしようか選ぶのも楽しい時間。紅葉のトンネルの下で、焼きたてのおせんべいを頬張る時間は、まさに至福のひとときです。お土産としても大変人気があります。
地元名産のこんにゃくを使った田楽
華厳寺がある揖斐川町は、清らかな水に恵まれ、古くからこんにゃく作りが盛んな地域です。そのため、門前町の多くの店先では、地元産の上質なこんにゃくを使った「こんにゃく田楽」を味わうことができます。
熱々のおでん鍋で温められた、ぷりぷりのこんにゃくに、柚子や山椒が効いた甘辛い田楽味噌をたっぷりと。シンプルながらも、素材の良さが際立つ素朴な味わいは、ハイキングで少し冷えた体にじんわりと染み渡ります。低カロリーでヘルシーなのも嬉しいポイント。地元ならではの味を、ぜひご賞味ください。
その他にも、みたらし団子や草餅、地元の野菜やきのこ、漬物など、魅力的なものがたくさん売られています。お店の人との会話を楽しみながら、お気に入りの一品を見つけてみてください。
まとめ:2025年の秋は、歴史と紅葉が彩る満願霊場・谷汲山へ

今回は、2025年の谷汲山華厳寺の紅葉について、見頃の時期から見どころ、歴史的背景、そして門前町の楽しみ方まで詳しくご紹介しました。
谷汲山華厳寺の魅力は、なんといっても約1kmにわたって続く「もみじの参道」の圧倒的な美しさと、日本最古の巡礼「西国三十三所」の最終目的地「満願霊場」としての深い歴史が融合している点にあります。ただ美しいだけでなく、訪れる人の心に静かな感動と達成感を与えてくれる、特別な場所です。
見頃は11月中旬から下旬。「もみじまつり」や夜間ライトアップに合わせて訪れれば、さらに華やかな雰囲気を楽しむことができます。戒壇めぐりや三種類の御朱印といった、ここでしかできない体験も見逃せません。
美しい紅葉に包まれながら、1300年の歴史を刻む巡礼のゴール地点に想いを馳せる。そんな心豊かな秋の一日を過ごしに、2025年はぜひ谷汲山華厳寺へお出かけください。