磐梯横向温泉の紅葉 2025年の見頃はいつ?
福島県の磐梯朝日国立公園内、標高約1,000メートルという高地に湧き出る秘湯「磐梯横向温泉」。ここは、日本有数の紅葉スポットがひしめく磐梯エリアの中でも、「日本一美しい紅葉」と称賛されることもある、知る人ぞ知る名所です。
その最大の理由は、標高の高さゆえの平地よりも早い見頃と、温泉地を包み込むブナやシラカバの原生林が織りなす「黄金色」の輝きにあります。
2025年に最高の紅葉狩りを計画するために、まずは最も重要な「いつが見頃なのか」という情報を、例年の傾向とあわせて詳しく解説します。
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例年の見頃(10月中旬~11月上旬)
磐梯横向温泉の紅葉は、標高が高いため、猪苗代湖畔などの平野部よりも早く色づき始めます。
例年、10月中旬頃から徐々に色づきが始まり、10月中旬から11月上旬にかけてピークを迎えます。
この温泉地の紅葉の特徴は、カエデやモミジといった「赤色」だけでなく、ブナ(ブナ)、シラカバ(白樺)、カラマツ(唐松)といった木々が主役であることです。特にブナの原生林が一斉に黄金色に染まる「黄葉(こうよう)」は圧巻で、鮮やかな赤(ナナカマドやウルシ)と見事なコントラストを描き出します。
11月上旬を過ぎると、徐々に落葉が始まり、山々は冬支度へと移っていきます。
2025年の紅葉見頃時期予想
2025年の磐梯横向温泉の紅葉も、例年通り10月中旬から11月上旬に見頃を迎えると予想されます。
紅葉の色づきは、秋の気象条件に大きく左右されます。秋の朝晩の冷え込みが厳しく、日中との寒暖差が大きくなるほど、ブナの黄金色は輝きを増し、モミジの赤はより一層鮮やかになります。
磐梯横向温泉は、「磐梯吾妻スカイライン」(9月下旬~10月上旬が見頃)から紅葉が降りてくる、絶好の場所に位置しています。スカイラインの紅葉が終わる頃に、横向温泉がピークを迎える「紅葉のリレー」を楽しめるのも、このエリアならではの魅力です。
確実にピークを狙うなら、10月の3週目から4週目(10月20日~31日頃)に訪れるのが最もおすすめです。
磐梯横向温泉 紅葉の3大見どころ
磐梯横向温泉の紅葉が「日本一美しい」とまで言われるのには、明確な理由があります。それは、標高1,000mのブナ原生林という類まれな環境と、そこに湧き出る名湯が奇跡的な融合を果たしているからです。
ここでは、磐梯横向温泉を訪れたら絶対に外せない「3つの見どころ」をご紹介します。
見どころ①:温泉地を包む「ブナ原生林」の黄金色の輝き
磐梯横向温泉の紅葉の主役は、一般的なモミジやカエデの「赤」だけではありません。この地を最大の魅力たらしめているのは、温泉地全体を包み込む広大なブナ(ブナ)の原生林です。
秋が深まると、このブナの木々が一斉に黄金色に輝き始めます。さらに、シラカバ(白樺)の白い幹と黄色の葉、カラマツ(唐松)の針葉樹が加わり、そこにナナカマドやウルシの鮮烈な「赤」が差し色として混ざり合います。
この「黄金色」をベースとした、水々しく透明感のある色彩のグラデーションこそが、「日本一美しい」と称される理由です。ただ燃えるように赤い紅葉とは一線を画す、上品で奥行きのある全山紅葉は圧巻の一言です。
見どころ②:【温泉地ならでは】絶景!紅葉の「露天風呂」
紅葉狩り(こうようがり)と温泉(おんせん)。この二つを同時に、しかも最高のクオリティで体験できることこそ、磐梯横向温泉の最大の贅沢です。
見どころの2つ目は、「紅葉に360度包まれる露天風呂」です。温泉旅館の露天風呂は、この黄金色の原生林の中に溶け込むように造られています。
鉄分を多く含んだ茶褐色の名湯に身を浸し、顔を上げれば、目の前には鮮やかに染まったブナやモミジの枝が迫ります。川のせせらぎや鳥の声を聞きながら、ひらひらと舞い落ちる葉を湯船に浮かべて楽しむ時間は、まさに至福のひととき。
見るだけの紅葉ではなく、五感すべてで秋の森を感じることができる、温泉地ならではの最高のアクティビティです。
見どころ③:穴場ビュースポット「横向大橋」からの眺め
温泉地での滞在だけでなく、そこへ至る道中にも見どころは潜んでいます。それが、国道115号線から横向温泉へと入る道にある「横向大橋(よこむきおおはし)」です。
この橋は、深い渓谷に架けられており、紅葉シーズンには隠れた絶景ビュースポットに変わります。橋の上から下を覗き込めば、遥か眼下に広がる渓谷が、底から燃え上がるような紅葉で埋め尽くされているのを見ることができます。
温泉地とはまた違った、ダイナミックでスリリングな構図の紅葉を楽しめる穴場スポットです。車を停める際は、周囲の交通に十分注意してください。
紅葉狩りとセットで楽しむ!磐梯横向温泉の日帰り入浴情報
磐梯横向温泉を訪れる最大の醍醐味は、「紅葉」と「温泉」を同時に体験できることにあります。標高1,000mの黄金色の原生林に包まれながら浸かる露天風呂は、まさに至福のひとときです。
宿泊せずとも、この贅沢な体験を可能にしてくれる「日帰り入浴(立ち寄り湯)」を受け入れている施設がいくつかあります。ここでは、紅葉シーズンにぜひ訪れたい温泉施設をご紹介します。
森の旅亭 マウント磐梯
磐梯横向温泉で日帰り入浴といえば、まず名前が挙がるのが「森の旅亭 マウント磐梯」です。
ここの最大の魅力は、渓流沿いに設けられた野趣あふれる露天風呂です。目の前には紅葉に染まったブナの原生林が広がり、川のせせらぎを聞きながら、まさに紅葉の森に溶け込むような湯浴みが楽しめます。
温泉の泉質も個性的で、鉄分を豊富に含んだ茶褐色の「にごり湯」です。源泉100%掛け流しの新鮮なお湯は、ほんのり鉄の香りや、一部で「タイヤ臭」とも表現される独特の香りが特徴の名湯です。メタケイ酸も豊富で「美肌の湯」としても知られています。
- 日帰り入浴時間: 10:30 ~ 16:00
- 日帰り入浴料金: 大人 700円~800円程度(※料金は変動する可能性があるため要確認。毎月26日は割引デーの場合あり)
- タオル: フェイスタオル販売あり(別途料金 約200円)
ホテルプルミエール箕輪
横向温泉エリアにある「ホテルプルミエール箕輪」も、日帰り入浴を受け入れている施設の一つです。
19時までと比較的遅い時間まで日帰り利用が可能なのが嬉しいポイントです。標高1,050mに位置し、こちらも紅葉に囲まれた中での入浴が期待できます。
- 日帰り入浴時間: 10:00 ~ 19:00
- 日帰り入浴料金: 大人 1,000円~
滝川屋旅館
歴史ある「滝川屋旅館」でも、日帰り入浴が可能な場合があります。
ただし、営業時間が11:00~14:00と非常に短いため、訪問を計画する場合は、必ず事前に確認が必要です。料金は1,600円~と、他と比べてやや高めの設定となっています。
- 日帰り入浴時間: 11:00 ~ 14:00
- 日帰り入浴料金: 大人 1,600円~
※ご注意:かつて営業していた「中の湯旅館」は閉館しています。また、紅葉シーズンの週末は日帰り入浴が混雑したり、宿泊客優先で日帰り受付を早めに終了・休止したりする可能性もあります。訪問前には必ず事前に電話で営業状況を確認することを強くおすすめします。
磐梯横向温泉へのアクセス・駐車場ガイド
磐梯横向温泉は、標高約1,000mの山中に位置する「秘湯」です。そのため、訪問を計画する際は、事前にアクセス方法をしっかりと確認しておくことが非常に重要です。
基本的には車(自家用車・レンタカー)でのアクセスが圧倒的に便利ですが、公共交通機関と送迎サービス(宿泊の場合)を組み合わせる方法もあります。
ここでは、福島方面からと猪苗代方面からの両方のアクセスルート、そして駐車場の情報について詳しく解説します。
車でのアクセス方法(IC・所要時間)
磐梯横向温泉は、福島市側と猪苗代町のほぼ中間に位置しており、高速道路のインターチェンジからも比較的アクセスしやすい立地にあります。
- 郡山・猪苗代方面から(南側から):
磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC」から、国道115号線を福島市方面へ。ICから約25分~30分で到着します。 - 福島市方面から(北側から):
東北自動車道「福島西IC」から、国道115号線(土湯バイパス・土湯トンネル)を猪苗代方面へ。ICから約35分~40分で到着します。
どちらのルートも、国道115号線という主要な国道から「横向大橋」を目印に温泉地へと入っていくため、道順は比較的わかりやすいです。
公共交通機関(電車・バス)でのアクセス
公共交通機関を利用する場合、最寄り駅はJR磐越西線の「猪苗代駅」となります。
ただし、駅から温泉地まで直接行ける路線バスはありません。
- 方法①:猪苗代駅からタクシー
猪苗代駅から磐梯横向温泉までは、タクシーで約30分程度かかります。 - 方法②:猪苗代駅から路線バス + タクシー(または送迎)
猪苗代駅から会津バスの「中ノ沢・達沢方面行き」に約20~30分乗車し、「沼尻(ぬまじり)」または「沼尻駅前」バス停で下車します。しかし、バス停から横向温泉まではさらに約5kmほどの距離があるため、そこからタクシーを呼ぶか、宿泊先の送迎(要事前予約)を利用する必要があります。
日帰り入浴目的で公共交通機関を利用するのは、時間と費用の両面でハードルがかなり高いと言えます。宿泊の場合は、「森の旅亭 マウント磐梯」などが猪苗代駅や福島駅からの送迎(完全予約制)を行っている場合があるため、必ず事前に宿泊先へご確認ください。
駐車場の有無・料金
車で訪問する際の駐車場については、心配無用です。
「森の旅亭 マウント磐梯」をはじめ、各宿泊施設(日帰り入浴を受け入れている施設)には、広々とした無料の専用駐車場が完備されています。「森の旅亭 マウント磐梯」だけでも90台~100台ほどの収容台数があり、予約も不要です。
紅葉シーズンの週末であっても、駐車場が満車で停められないという心配はほとんどないでしょう。日帰り入浴の利用者も、安心して各施設の駐車場を利用してください。
訪問前にチェック!紅葉シーズンの服装と注意点
磐梯横向温泉での紅葉狩りを最高のものにするために、訪問前に知っておきたい「混雑状況」と、特に重要な「服装」についての注意点を解説します。
特に服装は、標高1,000mという環境を甘く見ていると、寒さで紅葉や温泉どころではなくなってしまうため、万全の準備をしていきましょう。
紅葉シーズンの混雑状況は?
磐梯横向温泉は、すぐ近くを通る「磐梯吾妻スカイライン」や「磐梯山ゴールドライン」といったメジャーな紅葉ドライブコースと比較すると、比較的混雑が少なく、ゆったりと紅葉を楽しめる「穴場」的なスポットと言えます。
国道115号線から温泉地へ入る道が一本道であるため、紅葉シーズンのピーク(10月中旬~下旬の週末)には交通量が増えますが、ひどい渋滞が発生することは稀です。
ただし、注意したいのが「日帰り入浴」の混雑です。
特に「森の旅亭 マウント磐梯」などの人気施設では、週末のお昼前後(11時~14時頃)は、日帰り入浴の受付や脱衣所が混み合う可能性があります。
もし可能であれば、混雑を避けて平日に訪れるか、週末であれば日帰り入浴の受付開始直後(午前10時半~11時頃)を狙うと、ゆっくりと絶景の露天風呂を楽しめる可能性が高くなります。
服装の準備(平地よりかなり寒い!)
紅葉シーズンの磐梯横向温泉訪問で、最も注意すべき点が「服装(防寒対策)」です。
温泉地の標高は約1,000m。これは、平地の市街地(例:福島市や郡山市)とは比べ物にならない寒さであることを意味します。一般的に、標高が100m上がると気温は約0.6℃下がると言われており、平地よりも常に5℃~7℃ほど気温が低いと想定してください。
見頃を迎える10月中旬から下旬は、平地では「秋晴れで過ごしやすい日」であっても、横向温泉では「冬の入口」のような気候です。
最低気温は氷点下近くまで下がることも珍しくなく、日中でも10℃に届かない日もあります。
「温泉に入るから大丈夫」と油断せず、フリースやセーターはもちろんのこと、その上に羽織るダウンジャケットや厚手のコート、ウインドブレーカーといった、しっかりとした防寒着を必ず持参してください。
また、露天風呂から上がった後に湯冷めしないよう、首元を温めるマフラーや、手袋、ニット帽などもあると万全です。
磐梯横向温泉と巡る!周辺のおすすめ紅葉スポット3選
磐梯横向温泉の素晴らしい点は、それ自体が最高の紅葉スポットであると同時に、福島県を代表する他の紅葉名所へのアクセス拠点としても抜群の立地にあることです。
国道115号線沿いに位置するため、福島市側にも猪苗代・裏磐梯側にもスムーズに移動が可能です。
ここでは、磐梯横向温泉での宿泊や日帰り入浴とあわせて、ぜひ訪れたい「磐梯三ライン」などの周辺絶景スポットをご紹介します。紅葉の見頃が少しずつずれているため、紅葉のリレーを楽しむドライブ計画を立てるのもおすすめです。
① 磐梯吾妻スカイライン(天の道)
「日本の道100選」にも選ばれている、全長約29kmの日本屈指の山岳観光道路です。
磐梯横向温泉からは、国道115号線を福島市方面へ少し走れば、すぐにスカイラインの土湯ゲート側入口にアクセスできます。
ここの紅葉は、標高がさらに高い(最高1,622m)ため、横向温泉よりも早く、例年9月下旬から10月上旬にピークを迎えます。「つばくろ谷」の断崖を埋め尽くす紅葉や、浄土平周辺の荒涼とした火山風景と高山植物の草紅葉(くさもみじ)の対比など、横向温泉の「静」なるブナ林の紅葉とは対照的な、「動」のダイナミックな絶景が楽しめます。
② 磐梯山ゴールドライン
猪苗代町の磐梯山麓と裏磐梯高原を結ぶ、全長約17.6kmの観光道路です。磐梯横向温泉からは、国道115号を猪苗代側に下り、磐梯河東IC方面へ向かうとアクセスできます。
紅葉の見頃は10月中旬から10月下旬と、横向温泉とほぼ同時期です。
最大の見どころは、猪苗代湖の大パノラマを見下ろす「山湖台」や、磐梯山の荒々しい爆裂火口壁を間近に望む「黄金平」です。横向温泉がブナの黄葉中心なのに対し、こちらはモミジやウルシの「赤色」も多く、また違った鮮やかな紅葉ドライブが楽しめます。
③ 達沢不動滝(たつさわふどうたき)
猪苗代町にある、知る人ぞ知る名瀑「達沢不動滝」。磐梯横向温泉や中ノ沢温泉からも比較的近い場所にあります。
駐車場から遊歩道を10分ほど歩くと、勇壮な男滝(おだき)と優美な女滝(めだき)が現れます。紅葉の見頃は10月中旬から下旬で、横向温泉と同時期です。
岩肌を流れ落ちる白い滝の水しぶきと、周囲を彩る赤や黄色の紅葉とのコントラストは息をのむ美しさで、絶好の写真撮影スポットとしても人気があります。マイナスイオンを浴びながら、しっとりとした紅葉を楽しみたい方におすすめです。
まとめ
この記事では、2025年に訪れたい福島県の秘湯「磐梯横向温泉」の紅葉について、見頃時期や見どころ、日帰り入浴情報、アクセス方法まで詳しく解説しました。
磐梯横向温泉の紅葉は、標高1,000mのブナ原生林が黄金色に輝くのが最大の特徴で、「日本一美しい」とも称されます。2025年の見頃は、例年通り10月中旬から11月上旬となる予想です。
最大の見どころは、この絶景を「露天風呂」に浸かりながら楽しめることです。「森の旅亭 マウント磐梯」などでは日帰り入浴も可能で、鉄分豊富なにごり湯と紅葉のコラボレーションは、まさに至福の体験です。
アクセスは車が基本となり、磐越道「猪苗代磐梯高原IC」または東北道「福島西IC」から国道115号線を経由するのが便利です。
訪問の際に最も注意すべき点は「服装」です。平地よりも5℃~7℃は気温が低いため、10月であってもダウンジャケットや厚手のコートなどの冬用防寒着が必須です。
磐梯吾妻スカイラインや磐梯山ゴールドラインといった絶景ルートとのアクセスも抜群です。2025年の秋は、万全の準備をして、黄金色に輝く秘湯の紅葉を訪れてみてはいかがでしょうか。