磐梯山ゴールドラインの紅葉 2025年の見頃はいつ?

福島県を代表する紅葉ドライブコース「磐梯山ゴールドライン」。秋の紅葉シーズンになると、テレビや雑誌でも頻繁に紹介されるこの道は、まさに走る絶景スポットです。
全長約17.6kmのこの観光道路は、会津若松側の麓(標高約580m)から、裏磐梯側の猫魔八方台(標高約1,190m)までを結んでいます。標高差が約600mもあるため、紅葉の見頃が場所によって異なり、長期間楽しめるのが大きな特徴です。
2025年に最高の紅葉ドライブを計画するために、まずは例年の見頃時期と2025年の予想を把握しておきましょう。
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例年の見頃時期(10月上旬~10月下旬)
磐梯山ゴールドラインの紅葉は、例年10月上旬に、標高が最も高い「猫魔八方台(ねこまはっぽうだい)」周辺から色づき始めます。
その後、紅葉前線は徐々に標高を下げ、10月中旬から10月下旬にかけて、ルート全体がピークを迎えます。この時期になると、ブナやナラ、モミジ、ウルシなどが一斉に色づき、まさに「黄金(ゴールド)」の名前の通り、山全体が燃えるような赤や鮮やかな黄色に包まれます。
特に、猪苗代湖を見下ろす「山湖台」や、磐梯山の火口壁が迫る「黄金平」周辺の紅葉は圧巻です。
10月下旬を過ぎると、山頂側から徐々に落葉が始まり、11月上旬には麓の会津側が見頃の終盤を迎える、といった流れになります。標高差があるため、訪れるタイミングによって、色づき始め、ピーク、散り際と、様々な紅葉の表情を楽しめるのが魅力です。
2025年の紅葉見頃時期予想
2025年の磐梯山ゴールドラインの紅葉も、例年通り10月中旬から10月下旬に最も美しいピークを迎えると予想されます。
紅葉の色づきは、秋の気温や日照時間、適度な雨量によって左右されます。特に、秋の朝晩の冷え込みが厳しく、日中との寒暖差が大きい年は、ひときわ鮮やかな紅葉が期待できます。
もし「絶対にピークを逃したくない」という場合は、10月の3週目から4週目の週末(10月18日~26日あたり)を狙って計画を立てるのが最も確率が高いでしょう。
ただし、天候によっては見頃が前後することもあります。お出かけ前には、福島県道路公社や裏磐梯観光協会のウェブサイトで、最新の紅葉色づき情報を確認することを強くおすすめします。
磐梯山ゴールドライン紅葉の必見!6大見どころスポット
磐梯山ゴールドラインは、単に山道を走るだけではありません。ルートの途中には、息をのむような絶景をゆっくりと楽しめるよう、数多くの展望台(パーキングエリア)が設置されています。
全線をただ通過するだけではもったいない、車を停めてでも絶対に見るべき、選りすぐりの「6大見どころスポット」をご紹介します。会津側から裏磐梯側へ登っていく順にご覧ください。
見どころ①:山湖台(さんこだい)|猪苗代湖を見下ろす大パノラマ
ゴールドラインに入って最初に出迎えてくれる絶景スポットが「山湖台」です。その名の通り、日本で4番目に大きい湖「猪苗代湖」の大パノラマを、眼下に見下ろすことができます。紅葉シーズンには、手前に広がる山肌が赤や黄色に染まり、その先に広がる雄大な猪苗代湖の青とのコントラストが圧巻です。ゴールドライン随一とも言われる開放的な景色を、まずここで堪能してください。
見どころ②:黄金平(こがねだいら)|迫力満点の磐梯山爆裂火口
「黄金平」は、磐梯山の火山としての力強さを最も間近に感じられるスポットです。ここでは、1888年の噴火によって形成された磐梯山の荒々しい「爆裂火口壁」を、紅葉と共に望むことができます。噴火の凄まじさを物語る無数の岩肌と、それを彩る鮮やかな紅葉との対比は、美しさと同時に自然の厳かさを感じさせてくれます。
見どころ③:猫魔八方台(ねこまはっぽうだい)|裏磐梯の湖沼群を一望
ゴールドラインで最も標高が高い地点(標高1,190m)に位置するのが「猫魔八方台」です。ここは磐梯山登山の主要な登山口(八方台登山口)にもなっています。この展望台からは、桧原湖や小野川湖、秋元湖といった、裏磐梯の美しい湖沼群を一望できます。山湖台が「表磐梯」の猪苗代湖を望むのに対し、ここでは「裏磐梯」の景色を楽しめるのが特徴です。
見どころ④:滑滝(なめりたき)|紅葉に映える優雅な滝
ドライブの途中で、気軽に滝見物が楽しめるのもゴールドラインの魅力です。「滑滝」は、駐車場からすぐ近くで観賞できるアクセス抜群の滝です。一枚岩の川床を、水が文字通り滑るように優雅に流れていきます。紅葉の時期には、色づいた木々が滝の周囲を額縁のように彩り、一層風情のある景色を楽しめます。
見どころ⑤:まぼろしの滝・とび滝
「滑滝」のほかにも、「まぼろしの滝」や「とび滝」といった滝がルート沿いに点在しています。「まぼろしの滝」は、専用の展望台から遠望することができます。これらの滝が、変化に富んだドライブのアクセントとなってくれます。
見どころ⑥:全線を彩る「紅葉のトンネル」
最後に、最大の見どころは特定のスポットではなく「道中そのもの」です。磐梯山ゴールドラインは、ブナの原生林を縫うように走るため、全線がまるで「紅葉のトンネル」のようになります。特にヘアピンカーブが続く区間では、目の前に次々と迫ってくる鮮やかな紅葉に包まれながら走る、極上のドライブ体験が待っています。
【重要】磐梯山ゴールドラインの通行料金・通行時間・冬季閉鎖情報
磐梯山ゴールドラインの紅葉ドライブを計画する上で、最も重要で、必ず事前に確認しなければならないのが、通行料金と通行規制(通行止め)に関する情報です。
特に、紅葉シーズン終盤は「冬季閉鎖」の時期と重なってきます。「せっかく行ったのに通れなかった」という事態を避けるため、以下の情報をしっかりと押さえておきましょう。
通行料金は「全線無料」!
まず嬉しいニュースとして、磐梯山ゴールドラインは、現在「全線無料」で通行することができます。
以前は有料の観光道路でしたが、2013年(平成25年)に無料開放されました。そのため、ルート上にかつて料金所だった建物が残っている場合がありますが、現在は料金を支払う必要は一切ありません。
片道約17.6kmの絶景ルートを、通行料金を気にせず、何度でも往復したり、好きな展望台で自由に停まったりできるのは、紅葉ドライブにとって大きな魅力です。
2025年の冬季閉鎖はいつから?(11月中旬~)
磐梯山ゴールドラインは山岳道路のため、冬期間(11月中旬から翌年4月下旬まで)は、積雪や路面凍結のため「全線が通行止め(冬季閉鎖)」となります。
2025年(令和7年)の冬季閉鎖開始日時は、まだ正式に発表されていませんが、例年通りであれば「11月15日(金)頃の17時(午後5時)」から閉鎖となる可能性が非常に高いです。
つまり、紅葉の見頃が10月下旬まで続くため、紅葉シーズンの本当に最後のタイミング(11月中旬)に訪れようとすると、すでに閉鎖されているリスクがあります。11月に入ってからの訪問を計画する場合は、必ず最新の閉鎖情報を確認してください。
注意!紅葉シーズン終盤は「夜間通行止め」の可能性
冬季閉鎖と並んで注意が必要なのが、冬季閉鎖が始まる少し前(例年11月上旬頃から)に実施される可能性がある「夜間通行止め」です。
紅葉シーズン終盤になると、標高が高いエリアでは、朝晩の冷え込みによって路面が凍結(アイスバーン)する危険性が高まります。
そのため、安全確保のために、夕方17時(午後5時)から翌朝7時頃までの間、夜間だけ通行止めになる場合があります。
「夕日に染まる紅葉を見よう」と午後遅くに訪れた場合、裏磐梯側に通り抜ける前にゲートが閉まってしまう可能性もゼロではありません。10月下旬から11月にかけては、日中の明るい時間帯に、時間に余裕を持って通行するようにしましょう。
紅葉シーズンの混雑状況とアクセス情報
磐梯山ゴールドラインは、紅葉シーズンになると福島県内でも屈指の人気を誇るドライブスポットです。そのため、快適にドライブを楽しむには、混雑の傾向と対策を知っておくことが欠かせません。
また、会津側・裏磐梯側のどちらからでもアクセスできるため、ご自身の旅行プランに合わせた最適なルートを確認しておきましょう。
混雑のピークは「10月中旬~下旬の週末」
磐梯山ゴールドラインの混雑が最も激しくなるのは、やはり紅葉の見頃がピークを迎える「10月中旬から10月下旬」の「天気が良い週末(土日・祝日)」です。
この時期は、絶景を求める多くの観光客やツーリングのバイクで大変賑わいます。特に、日中の時間帯(午前9時頃~午後3時頃)は交通量が一気に増えます。
混雑が集中するのは、「山湖台(さんこだい)」や「黄金平(こがねだいら)」といった主要な展望台(パーキングエリア)です。これらの駐車場はそれほど大きくないため、駐車場待ちの車列が本線上に発生し、軽い渋滞を引き起こす原因にもなります。思うように車を停められず、絶景スポットを通過せざるを得ない、というケースも考えられます。
混雑を避けるコツは「早朝」と「平日」
この混雑を回避する最も確実な方法は、「平日」に訪れることです。週末に比べて交通量は格段に少なく、自分のペースでゆっくりとドライブや写真撮影を楽しめるでしょう。
もし週末にしか行けない場合は、「早朝の時間帯」を狙うのが鉄則です。
多くの観光客が動き出す前の午前7時から8時台にゴールドラインに入れば、まず間違いなく快適に通行できます。早朝の澄んだ空気の中で見る紅葉や猪苗代湖は格別ですし、朝日が斜めから差し込むことで紅葉の色がより鮮やかに見えるというメリットもあります。
車でのアクセス方法(IC・所要時間)
磐梯山ゴールドラインへのアクセスは、車(自家用車またはレンタカー)が基本です。磐越自動車道の利用が便利です。
- 会津若松側(南側)から入る場合:
磐越自動車道「磐梯河東IC(ばんだいかわひがしインター)」が最寄りです。ICを降りてから、県道64号を経由し、ゴールドラインの入口(旧料金所)まで車で約15分ほどです。 - 裏磐梯側(北側)から入る場合:
磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC(いなわしろばんだいこうげんインター)」で降ります。そこから国道115号を経由し、五色沼や桧原湖方面へ向かう国道459号(裏磐梯高原)に入ると、ゴールドラインの入口があります。ICからは約25分~30分が目安です。
公共交通機関(電車・バス)でのアクセス
磐梯山ゴールドラインを公共交通機関だけで自在に楽しむのは、あまり現実的ではありません。この道路の魅力は、あくまで「ドライブしながら景色を楽しむこと」と「点在する展望台に立ち寄ること」にあります。
ただし、紅葉シーズン中、JR「猪苗代駅」や「会津若松駅」を起点として、裏磐梯エリアの主要スポット(五色沼など)を結ぶ観光周遊バス(「森のくまさんバス」など)が運行されています。
これらのバスの一部がゴールドラインを経由するルートを通る場合もありますが、本数が非常に限られており、展望台で自由に乗り降りすることも難しいため、メインの交通手段としては推奨しにくいのが実情です。
電車で訪れる場合は、主要駅(猪苗代駅や会津若松駅)周辺でレンタカーを借りて、ドライブするのが最もおすすめです。
磐梯山ゴールドラインと巡る!周辺のおすすめ紅葉スポット3選
磐梯山ゴールドラインだけでも十分に圧巻の紅葉を楽しめますが、せっかく裏磐梯エリアまで来たのなら、周辺の絶景ルートも合わせて巡るのが断然おすすめです。
実は、このエリアには「磐梯山ゴールドライン」のほかに、「磐梯吾妻スカイライン」「磐梯吾妻レークライン」という2つの主要な観光道路があり、これらは総称して「磐梯三(ばん)ライン」と呼ばれています。
それぞれに全く異なる魅力があり、紅葉の見頃時期も少しずつずれているため、組み合わせて訪れることで、福島の秋を何倍も深く堪能できます。
① 磐梯吾妻スカイライン(天の道)
「日本の道100選」にも選ばれ、“空を走る道”と称される、まさに絶景ドライブルートの王様です。
磐梯山ゴールドラインよりもさらに標高が高い場所(最高標高1,622m)を走るため、紅葉の見頃が早く、例年9月中旬から色づき始め、9月下旬から10月上旬にピークを迎えます。
「つばくろ谷」の断崖絶壁を彩る紅葉や、「浄土平」周辺の火山性ガスが噴き出す荒涼とした景色と高山植物の紅葉(草紅葉)など、ゴールドラインとはまったく異なる、ダイナミックで荒々しい紅葉が楽しめます。
「ゴールドラインでは少し早すぎたかな?」という時でも、スカイラインなら見頃、ということもあり得ます。
② 磐梯吾妻レークライン(湖沼の道)
磐梯山ゴールドラインが「山」の景色なら、こちらは「湖」の景色を堪能できるルートです。
桧原湖、小野川湖、秋元湖という、裏磐梯を代表する3つの湖のすぐそばを縫うように走ります。紅葉の見頃は10月中旬から10月下旬で、ゴールドラインとほぼ同時期です。
最大の見どころは、ルートの途中にある「中津川渓谷(なかつがわけいこく)」です。駐車場に車を停めて遊歩道を少し歩けば、透き通った青い川の流れと、燃えるようなカエデの赤色が見事なコントラストを生み出す絶景に出会えます。
湖面に映る「逆さ紅葉」を楽しみながら、ゆったりとドライブしたい方におすすめです。
③ 五色沼湖沼群(ごしきぬまこしょうぐん)
ここはドライブコースではなく、磐梯山ゴールドラインの裏磐梯側出口(北側ゲート)のすぐ麓にある、裏磐梯観光のハイライトです。ゴールドラインと「セット」で訪れるべき必見スポットと言えます。
毘沙門沼、赤沼、みどろ沼など、エメラルドグリーンやコバルトブルーに輝く、神秘的な色の湖沼群と紅葉のコントラストは、まさに絵画のような美しさです。
全長約3.6kmの平坦な「五色沼自然探勝路」という遊歩道が整備されており、紅葉の見頃(10月中旬~下旬)には、ドライブとは違った「歩きながら」の紅葉狩りが楽しめます。特に、最も大きい毘沙門沼から望む、紅葉した磐梯山の姿は格別です。
まとめ

この記事では、2025年の「磐梯山ゴールドライン」の紅葉について、見頃時期や必見のビュースポット、通行規制(冬季閉鎖)や混雑情報まで詳しく解説しました。
磐梯山ゴールドラインは、猪苗代湖を見下ろす「山湖台」、磐梯山の火口壁が迫る「黄金平」、そして美しい滝など、変化に富んだ景色を楽しみながら紅葉狩りができる、福島県屈指の絶景ドライブルートです。
2025年の紅葉の見頃は、10月中旬から10月下旬がピークとなる予想です。この時期の週末は混雑が予想されるため、平日に訪れるか、週末であれば早朝の時間帯に通過することをおすすめします。
嬉しいことに通行料金は全線無料ですが、11月中旬頃には冬季閉鎖に入ってしまいます。紅葉シーズン終盤は夜間通行止めにも注意が必要です。
訪問する際は、ぜひ周辺の「磐梯吾妻スカイライン」や「磐梯吾妻レークライン」、そして「五色沼湖沼群」と組み合わせて、裏磐梯の壮大な秋の絶景を心ゆくまで満喫してください。