2025年 安達太良山の紅葉の見頃時期はいつ?

福島県を代表する名峰であり、日本百名山にも数えられる安達太良山(あだたらやま)。高村光太郎の詩「智恵子抄」で「ほんとうの空」があると詠われたこの山は、秋になると山全体が燃えるような赤や黄色に染まり、まさに天空の楽園と呼ぶにふさわしい絶景が広がります。
安達太良山の紅葉は、ロープウェイを利用して手軽に楽しめること、そして標高差があるために長期間楽しめることが大きな魅力です。2025年に訪問を計画されている方へ、最も重要な「見頃の時期」について、最新の状況と例年の傾向を詳しく解説します。
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2025年の最新色づき状況と見頃予想
2025年の安達太良山の紅葉は、9月下旬に山頂(標高1,700m)付近から順調にスタートしました。10月上旬から中旬にかけては、ロープウェイ山頂駅(標高1,350m)周辺や薬師岳がピークを迎え、多くの登山者や観光客で賑わいました。
紅葉前線は順調に山を駆け下り、現在(2025年10月20日時点)は、山頂付近やロープウェイ山頂駅周辺の紅葉はピークを過ぎ、「落葉盛ん」となっています。
一方で、現在見頃の最盛期を迎えているのは、ロープウェイの道中(中腹)から山麓の「岳(だけ)温泉」や「奥岳登山口」周辺です。特に奥岳登山口からロープウェイ乗り場にかけてのカエデ類が鮮やかに色づいており、今週末(10月下旬)にかけてが麓の紅葉の最後の見頃となりそうです。山頂はすでに冬の気配ですが、山麓ではまだ鮮やかな秋の景色が楽しめます。
例年の見頃は9月下旬~10月下旬
安達太良山は標高が高く、山頂から麓までの標高差が大きいため、紅葉の見頃が場所によって異なります。この「紅葉リレー」こそが、安達太良山の特徴です。
- 山頂付近(標高1,700m):9月下旬 ~ 10月上旬
ナナカマドやミネカエデが日本でも早い時期に色づき始め、登山シーズンの幕開けを告げます。 - ロープウェイ山頂駅(標高1,350m)周辺:10月上旬 ~ 10月中旬
「薬師岳」や「仙女平」周辺がピークを迎える、安達太良山の紅葉のハイライトです。ロープウェイから見下ろす「紅葉の絨毯」が最も美しくなる時期で、1年で最も混雑します。 - 山麓・岳温泉(標高約850m)周辺:10月中旬 ~ 10月下旬
紅葉前線が温泉街まで下りてきます。奥岳登山口や岳温泉の温泉神社周辺が鮮やかに色づき、温泉と紅葉を同時に楽しめます。
標高差で1ヶ月楽しめる!山頂から麓への紅葉リレー
前述の通り、安達太良山は山頂(1,700m)から麓の岳温泉(約850m)まで、標高差が800m以上あります。これにより、約1ヶ月という非常に長い期間、山中のどこかしらで紅葉のピークを楽しめるのが最大の強みです。
訪れる時期によって、目的を変えられるのも魅力です。9月下旬なら本格的な「紅葉登山」を、10月中旬ならロープウェイを使った手軽な「天空の紅葉狩り」を、10月下旬なら「温泉と紅葉」を、というように楽しみ方を選べます。
また、タイミングが合えば、山頂には「初冠雪(白)」、中腹は「紅葉のピーク(赤・黄)」、麓は「まだ緑の木々(緑)」という、3つの季節が同時に存在する「三段紅葉」の絶景に出会えることもあります。
安達太良山ロープウェイで行く!紅葉の絶景ビュースポット
安達太良山の紅葉の最大の魅力は、本格的な登山装備がなくても「あだたら山ロープウェイ」を利用することで、標高1,350mの別天地に広がる絶景を気軽に楽しめる点にあります。紅葉シーズンは、このロープウェイに乗ること自体が最大のアトラクションと言っても過言ではありません。ここでは、ロープウェイで行ける紅葉のビュースポットをご紹介します。
1. あだたら山ロープウェイ:眼下に広がる360度の紅葉絨毯
奥岳登山口の山麓駅(標高約950m)から、山頂駅(標高1,350m)までを結ぶ高速ゴンドラ「あだたらエクスプレス」。約10分間の空中散歩で、一気に標高差約400mを駆け上がります。
ゴンドラの窓からは360度のパノラマが広がり、標高が上がるにつれて景色は劇的に変化します。麓の緑、中腹の鮮やかな赤や黄色、そして山頂付近の荒々しい山肌と、紅葉のグラデーションが眼下に広がる様は、まさに「動く展望台」です。10月中旬のピーク時には、ナナカマドやカエデ、ウルシなどが織りなす燃えるような紅葉の絨毯の上を飛んでいるかのような感覚を味わえます。遠くには吾妻連峰や蔵王連峰、福島市から郡山市の街並みまでも見渡せます。
2. 薬師岳(やくしだけ)パノラマパーク:山頂駅すぐの展望台
ロープウェイの山頂駅を降りて、徒歩わずか5分ほどで到着するのが「薬師岳パノラマパーク」です。ここが、ロープウェイ利用者が最も手軽に安達太良山の雄大さを体感できる展望広場です。
広場には高村光太郎の詩集「智恵子抄」にちなんだ「ほんとうの空」の記念碑が建てられており、絶好の記念撮影スポットになっています。ここから見上げる安達太良山の山頂(通称:乳首)は圧巻の一言。眼下には先ほど登ってきた紅葉の斜面と阿武隈川、遠くの街並みが広がり、まさに「ほんとうの空」の下、遮るもののない大パノラマを楽しめます。最近では「あ」の形をしたオブジェも設置され、新たなSNS映えスポットとしても人気を集めています。
3. 仙女平(せんにょだいら)分岐:登山道随一の撮影スポット
薬師岳パノラマパークから、もう少しだけ足を延ばしてみたい方におすすめなのが「仙女平分岐」です。山頂駅から整備された登山道を片道約20~30分ほど歩いた場所にあります。
ここは安達太良山山頂へ向かう登山道と、くろがね小屋へ下る登山道が交差する分岐点であり、安達太良山の紅葉の中でも特に色彩が豊かとされる随一の撮影スポットです。ナナカマドの鮮烈な赤、ミネカエデの黄色、そしてハイマツの緑が複雑に混ざり合い、荒々しい山肌をキャンバスに見事なアートを描き出します。登山者でなくとも、軽ハイキングの装備(トレッキングシューズや雨具、防寒着は必須)があれば、この絶景に出会うことが可能です。
4. 薬師岳遊歩道(五葉松平):気軽に歩ける紅葉散策路
ロープウェイ山頂駅の周辺には、薬師岳パノラマパークを含め、「五葉松平(ごようまつだいら)」と呼ばれる遊歩道が整備されています。本格的な登山は難しいという方でも、スニーカーなどで気軽に高原の散策を楽しめるエリアです。
この一帯は名前の通り、厳しい自然環境で育った五葉松が多く自生しています。紅葉シーズンには、常緑樹である五葉松の深い緑と、色づくナナカマドやドウダンツツジの赤・黄色のコントラストが非常に美しい場所です。1周30分ほどの散策路をゆっくりと歩きながら、高原の澄んだ空気と紅葉を間近で楽しむことができます。
紅葉登山で巡る!安達太良山の見どころ
ロープウェイで手軽に楽しむ紅葉も素晴らしいですが、安達太良山の本当の魅力は、自らの足で一歩踏み出し、登山をすることで出会えるダイナミックな景観にあります。火山ならではの荒々しい山肌と、燃えるような紅葉が織りなす圧倒的なコントラストは、登山者だけが味わえる特権です。ここでは、紅葉登山で必ず訪れたい、山中の絶景見どころスポットをご紹介します。
1. 安達太良山山頂(乳首):火口と紅葉のコントラスト
ロープウェイ山頂駅から約1時間半(コースタイム)、安達太良山の主峰(標高1,700m)に到着します。その特徴的な岩峰の見た目から「乳首(ちくび)」という愛称で親しまれています。
この山頂からは、360度を遮るものが何もない、まさに「ほんとうの空」の下の大パノラマが広がります。眼下には、先ほどまでいた薬師岳や、これから向かう沼ノ平、そして遠くには磐梯山、吾妻連峰、飯豊連峰までを一望できます。火山岩の荒々しく灰色の山頂部と、その直下に広がる一面の紅葉の絨毯との鮮やかなコントラストは、登頂した者だけが味わえる達成感と絶景です。
2. 沼ノ平(ぬまのだいら):荒涼とした火口と色づく山肌
安達太良山の山頂のすぐ横には、「沼ノ平」と呼ばれる直径約1.4kmにも及ぶ巨大な爆裂火口が広がっています。明治時代にも噴火したこの場所は、今も硫黄の香りが立ち込め、植物がほとんど生えていない荒涼とした風景が続きます(※立入禁止区域)。
一見すると「紅葉」とは無縁に見えますが、この無彩色の荒涼とした火口壁と、それを取り囲むように燃え上がる鉄山(くろがねやま)方面の山肌との対比こそが、安達太良山の紅葉の大きな見どころです。生命感のない火口の風景が、逆に紅葉の鮮やかさを極限まで引き立てます。
3. くろがね小屋とくろがね沢:渓流沿いの紅葉
安達太良山の登山ルートにおいて、オアシス的な存在が山小屋「くろがね小屋」です。ここは源泉かけ流しの温泉(内湯)があることでも全国的に有名で、多くの登山者が疲れを癒やしに立ち寄ります。(※2025年現在、建て替え工事中の可能性があります。必ず最新情報をご確認ください)
この小屋が建つ「くろがね沢」周辺は、特に紅葉が美しいエリアとして知られています。渓流の音を聞きながら、沢沿いを彩る鮮やかなナナカマドやカエデの紅葉の中を歩く道のりは格別です。紅葉にすっぽりと包まれた山小屋の三角屋根は、安達太良山を象徴する秋の風景の一つとなっています。
4. 勢至平(せいしだいら):黄金色に輝く草紅葉
奥岳登山口からロープウェイを使わずに登る(または、くろがね小屋から下山する)ルート上にあるのが、広大な平原「勢至平」です。ここは、背の高い木々が少なく、視界が大きく開けています。
紅葉シーズンには、樹木の紅葉ではなく、湿原の「草紅葉(くさもみじ)」が一面を覆います。キンコウカなどが黄金色に輝く様子は、まるで金色の絨毯を敷き詰めたよう。仙女平や山頂の鮮烈な赤色とは異なる、穏やかで広大な秋の風景を楽しむことができます。振り返れば安達太良山の山頂も望める、開放的なスポットです。
初心者でも安心!安達太良山の紅葉ハイキング・登山コース
安達太良山が「初心者にもおすすめの百名山」として人気の理由は、ロープウェイの存在と、整備された登山道にあります。自分の体力や経験に合わせて、気軽に絶景を楽しめる散策コースから、本格的な登山を味わえる周回コースまで、多彩なルートが選べます。ここでは、レベル別におすすめの3つの紅葉ハイキング・登山コースをご紹介します。
【初心者向け】ロープウェイ利用の山頂駅周遊コース
コース概要:
ロープウェイ山頂駅 → 薬師岳パノラマパーク → 五葉松平遊歩道 → ロープウェイ山頂駅
所要時間:
約30分~40分(散策)
解説:
「登山」ではなく、あくまで「散策」や「観光」として安達太良山の紅葉を楽しみたい方に最適なコースです。登山装備は不要で、スニーカーなどの歩きやすい靴と暖かい服装があれば問題ありません。ロープウェイを降りてすぐの「薬師岳パノラマパーク」で「ほんとうの空」の記念碑と山頂の絶景を眺め、整備された遊歩道で五葉松と紅葉のコントラストを楽しむことができます。体力に自信のない方や、小さなお子様連れでも安心です。
【登山初級編】ロープウェイ利用の山頂ピストンコース
コース概要:
ロープウェイ山頂駅 → 仙女平分岐 → 安達太良山山頂 → (同じ道を下山) → ロープウェイ山頂駅
所要時間:
往復 約2時間30分~3時間(登り約90分、下り約60分)
解説:
「登山初心者だけど、百名山の山頂に立ってみたい」という方に最もおすすめの、定番コースです。ロープウェイで一気に標高1,350mまで登るため、山頂までの標高差は約350mほど。登山道は木道や岩場が整備されていますが、山頂直下は岩がちな急登になります。登山靴、雨具、防寒着といった基本的な登山装備は必須です。紅葉のピーク時には仙女平分岐からの景色が圧巻で、山頂からは360度の大パノラマと火口「沼ノ平」の絶景を望めます。
【中級者向け】奥岳登山口からの周回コース(くろがね小屋経由)
コース概要:
奥岳登山口 → 勢至平 → くろがね小屋 → 峰の辻 → 安達太良山山頂 → 仙女平分岐 → ロープウェイ山頂駅(→ロープウェイで下山、または徒歩で下山)
所要時間:
約5時間~6時間(ロープウェイ下山利用で約4時間~5時間)
解説:
ロープウェイを使わずに麓から登り、安達太良山の魅力を全て味わう王道の周回コースです。登りは沢沿いの紅葉が美しい「くろがね小屋」を経由し、山頂を踏んだ後、下りは紅葉のハイライト「仙女平」を通ります。黄金色の草紅葉が広がる「勢至平」も通るため、安達太良山の紅葉スポットを網羅できるのが魅力です。標高差が大きく歩行時間も長いため、登山経験としっかりとした体力・装備が必要です。体力に自信がなければ、帰りはロープウェイで下山すると負担を軽減できます。
安達太良山の紅葉狩りに適した服装と持ち物
安達太良山の紅葉狩りを成功させる鍵は「服装」です。紅葉が見頃を迎える10月、山頂付近はすでに「冬」の世界です。過去には10月下旬に低体温症による遭難事故も発生しています。「ロープウェイがあるから大丈夫」と油断せず、「麓の都市部とは気温が10℃以上低い」という前提で、万全の装備を準備してください。
10月の安達太良山(山頂・麓)の平均気温と天候
安達太良山の紅葉シーズン(特に10月)は、麓と山頂で全く気候が異なります。
- 麓(奥岳登山口・標高約950m):
10月の日中の気温は10℃~15℃程度で、秋の行楽に適した気候の日もあります。しかし、朝晩は10℃を下回り冷え込みます。 - 山頂駅(標高1,350m)・山頂(標高1,700m):
麓よりも気温は8℃~10℃程度低くなります。麓が15℃でも、山頂駅は7℃、山頂は5℃程度しかありません。紅葉ピーク時の10月中旬には、山頂の最低気温は氷点下になることも珍しくなく、初雪・初冠雪の便り(2023年は10月20日頃)が届く時期です。
また、山の天気は非常に変わりやすく、特に稜線(山頂付近)は風を遮るものがないため、強風が吹くと体感温度は一気に氷点下まで下がります。晴れていても急に霧が出たり、雨や「みぞれ」が降ったりすることもあるため、防寒・防風・防水対策は必須です。
ロープウェイ利用・登山別のおすすめ服装
目的別に必要な服装が異なります。共通して言えるのは「重ね着(レイヤリング)」で体温調節をすること、そして「綿(コットン)素材を避ける」ことです。
【ロープウェイ利用(山頂駅散策)の場合】
「麓の秋服」+「真冬のアウター」が基本です。
- アウター: 風を通さない冬用のダウンジャケットや、厚手のフリース+ウインドブレーカー。
- インナー: ヒートテックなどの保温性肌着+長袖シャツやセーター。
- ボトムス: 暖かい素材の長ズボン。ジーンズ1枚では寒いです。
- 靴: スニーカーでも散策可能ですが、遊歩道は濡れていることもあるため、防水性のあるウォーキングシューズが望ましいです。
- 小物: ニット帽、手袋、ネックウォーマーは必須です。
【登山(山頂を目指す)の場合】
夏山とは異なる「秋山・冬山」の装備が必須です。
- ベース(肌着): 汗冷えを防ぐ速乾性の化学繊維かウールの長袖アンダーウェア。
- ミドル(中間着): 保温を担当するフリースや薄手のダウンジャケット。
- アウター(外側): 防水・防風性に優れたレインウェア上下(GORE-TEXなど)。これが命を守る装備になります。
- ボトムス: 登山用の長ズボンの下に、保温タイツを履く。
- 靴: くるぶしまで覆う防水性の登山靴(トレッキングシューズ)。
- 小物: ニット帽、冬用手袋、ネックウォーマー(必須)。
必須の持ち物リスト(防寒着・雨具など)
登山はもちろん、ロープウェイ利用の散策でも、以下の持ち物はリュック(ザック)に入れて携行してください。
- 雨具(レインウェア上下):
必須中の必須アイテムです。傘は強風で全く役に立ちません。防寒着・防風着としても使います。 - 追加の防寒着:
フリースやインナーダウンなど、休憩中に羽織るもの。 - 帽子・手袋・ネックウォーマー:
これらがないと数十分で体が冷え切ってしまいます。 - 温かい飲み物:
魔法瓶(テルモス)に入れた温かいお茶やスープ。体の中から温められます。 - 行動食・非常食:
チョコレートやナッツなど、すぐにエネルギーになるもの。 - ヘッドライト:
山の日は早く暮れます。万が一のトラブルに備え、必ず携帯してください。(登山の場合) - 地図とコンパス(またはGPS):
霧で視界が失われた場合に備えます。(登山の場合) - 携帯トイレ:
ロープウェイ山頂駅以降、山頂を経由するルート上にはトイレがありません(くろがね小屋まで行く場合は別)。
安達太良山へのアクセス・ロープウェイ情報
安達太良山登山の拠点となるのは、ロープウェイ山麓駅がある「あだたら高原リゾート(奥岳登山口)」です。紅葉のピークシーズンは大変な混雑が予想されるため、アクセス方法と駐車場の情報を事前にしっかり確認しておくことが重要です。ここでは、2025年の最新情報を基に、アクセスとロープウェイの利用について詳しく解説します。
車でのアクセスと駐車場(あだたら高原リゾート)
最も一般的なアクセス方法は車です。
- アクセス:
東北自動車道「二本松IC」から国道459号を経由し、岳温泉(だけおんせん)方面へ約30分。 - 駐車場:
あだたら高原リゾートに約1,000台分の無料駐車場が完備されています。 - 【重要】紅葉シーズンの特定日有料化:
例年、紅葉がピークとなる10月の土曜・日曜・祝日は、ロープウェイ乗り場に最も近い「第1駐車場」が有料(例:1台1,000円)となります。無料駐車場は少し離れた場所に誘導されるため、時間に余裕を持って到着してください。
※夜間の車中泊は防犯上の理由から禁止されています。
公共交通機関(バス・電車)でのアクセス
車の運転が不要な公共交通機関でのアクセスも可能です。渋滞の心配がないため、特に混雑する週末にはおすすめです。
- 最寄り駅: JR東北本線「二本松駅」
- バス利用:
JR二本松駅前から、福島交通バス「岳温泉経由 奥岳(あだたら高原スキー場)行き」に乗車します。 - 所要時間・料金(2025年参考):
- 二本松駅前 → 奥岳(終点): 片道 大人800円
- 二本松駅前 → 岳温泉: 片道 大人500円
- 【注意】運行日と本数:
この「奥岳」行きのバスは、例年4月~11月の土曜・日曜・祝日のみ運行される季節限定のシャトルバス(錦秋号など)です。平日は運行していないか、手前の「岳温泉」バス停(奥岳まで約5km)までしか行かないため、訪問が平日の場合はタクシーの利用(二本松駅から約30分)も検討する必要があります。必ず事前に福島交通の最新時刻表をご確認ください。
あだたら山ロープウェイの運行時間と料金(2025年版)
「あだたらエクスプレス」の紅葉シーズンの情報は以下の通りです。
- 秋季運行期間: 2025年11月9日(日)まで(予定)
- 運行時間:
- 平日: 8:30 ~ 16:20(下り最終)
- 土日祝: 8:30 ~ 16:20(下り最終)
※紅葉ピーク時の土日祝は、混雑状況により運行開始が早まる(例:7:30~)場合があります。公式HPやSNSでの確認を推奨します。
- 乗車料金(2025年10月・紅葉期料金):
- 往復: 大人 2,200円 / 小人(4歳~小学生) 1,700円
- 片道: 大人 1,200円 / 小人 900円 (※通常期と料金が異なる場合があります)
※強風や悪天候により、予告なく運休する場合があります。訪問前に必ず運行状況をご確認ください。
紅葉シーズンの混雑状況と回避のコツ
安達太良山は、紅葉ピーク時(10月上旬~中旬)の土日祝日は、「日本で最も混雑する山の一つ」と言っても過言ではありません。以下の混雑を覚悟し、対策を立てる必要があります。
- 駐車場渋滞:
二本松IC出口から渋滞が始まり、駐車場に停めるまで1~2時間待ちになることもあります。 - ロープウェイ乗車待ち:
往復ともに60分~120分待ちの長蛇の列ができるのが常態です。 - 登山道の渋滞:
山頂直下の岩場や、仙女平周辺の狭い木道などで、登山者の「すれ違い渋滞」が発生します。
<混雑回避のコツ>
- 【最強の対策】平日に行く。
可能であれば、これに尽きます。土日とは比べ物にならないほど快適です。 - 土日祝日に行く場合の対策:
「早朝」に全てを賭けるしかありません。ロープウェイの運行開始が早まることを見越し、遅くとも朝7時までには駐車場に到着する覚悟で出発しましょう。公共交通機関(バス)利用の場合も、始発便を狙うのが賢明です。 - ロープウェイを使わない:
あえてロープウェイを使わず、麓から登る「くろがね小屋経由コース」を選ぶことで、ロープウェイの待ち時間を回避できます(ただし登山道の混雑はあります)。
紅葉とセットで楽しみたい!周辺のおすすめスポット
安達太良山で「ほんとうの空」と燃えるような紅葉を満喫した後は、ぜひその麓(ふもと)に広がる魅力的なスポットへも足を延ばしてみてください。登山や散策で疲れた体を癒やす日本有数の名湯、そして紅葉シーズンと時を同じくして開催される華やかな秋の祭典が、あなたの旅を一層思い出深いものにしてくれるはずです。
源泉かけ流し「岳(だけ)温泉」で疲れを癒やす
安達太良山登山の拠点、あだたら高原リゾートのすぐ麓に広がるのが「岳温泉」です。ここは、約1,200年の歴史を持つとも言われる、安達太良山の恵みを受けた高原の温泉郷です。
最大の特徴は、全国でも珍しい「酸性泉」であること。約8km離れた山中の源泉(くろがね小屋の近く)から引湯管でお湯を引き込んでおり、そのお湯は空気に触れると白く濁ります。殺菌効果が高いとされる泉質は、疲労回復や筋肉痛、皮膚病などに効能があるとされ、まさに登山・紅葉狩りで疲れた体を癒やすのに最適です。
温泉街には風情ある旅館や土産物屋が立ち並び、日帰り入浴を受け入れている施設も豊富にあります。10月下旬には温泉街周辺の紅葉も見頃を迎えます。安達太良山の絶景を思い返しながら、名湯に浸かるという最高の贅沢をぜひ味わってください。
「二本松の菊人形」で秋の風物詩を鑑賞
安達太良山の麓、二本松市で秋に開催される最大のイベントが「二本松の菊人形」です。これは、例年10月上旬から11月中旬にかけて(まさに安達太良山の紅葉シーズンと重なります)、二本松城跡である「県立霞ヶ城(かすみがじょう)公園」を会場に盛大に開催される、日本最大級の菊の祭典です。
会場内には、色とりどりの菊の花で見事に着飾った「菊人形」が、その年の大河ドラマや世相を反映したテーマに沿って展示されます。数千株の菊が咲き誇る様は圧巻の一言。精巧に作られた人形と、丹精込めて育てられた菊の美しさの融合は、まさに「花の芸術」です。
安達太良山で雄大な自然の紅葉を楽しんだ後は、二本松市内で日本の伝統的な秋の風物詩と、人の手による華麗な「菊の紅葉」を鑑賞する。そんな文化的な一日をプランに加えてみてはいかがでしょうか。
まとめ:2025年は安達太良山の「天空の紅葉」を満喫しよう

今回は、2025年の安達太良山の紅葉について、見頃の時期から楽しみ方、服装、アクセス情報まで詳しくご紹介しました。
安達太良山は、ロープウェイを使えば、登山初心者や観光の方でも標高1,350mの「ほんとうの空」が広がる別天地に気軽にアクセスでき、燃えるような紅葉の絨毯を間近に体感できる、日本でも有数の紅葉の名所です。
山頂から麓までの標高差があるため、紅葉リレーを約1ヶ月にわたって楽しめるのも魅力です。9月下旬の山頂登山から始まり、10月中旬のロープウェイ山頂駅(薬師岳)周辺のピーク、そして10月下旬の麓・岳温泉まで、訪れる時期によって異なる絶景が待っています。
ただし、この絶景を快適に楽しむためには、2つの重要な準備が必要です。一つは「服装」。紅葉ピーク時の山頂駅周辺は、麓とは10℃以上気温が低く、すでに「真冬」です。ダウンジャケットや手袋、帽子といった万全の防寒対策を絶対に忘れないでください。もう一つは「混雑対策」。10月中旬の土日祝日は、駐車場やロープウェイで数時間待ちの大混雑が予想されます。可能な限り平日に訪れるか、週末であれば早朝(朝7時前)に到着する計画を立てることが成功の鍵となります。
しっかりとした準備を整え、2025年の秋は、安達太良山が誇る圧巻の「天空の紅葉」と、下山後の名湯「岳温泉」を心ゆくまで満喫してください。