【穴場】東北地方で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ2

コラム

【穴場】東北地方で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ

なぜ東北で「穴場の紅葉スポット」を探すべきなのか?

東北地方の秋は、息をのむほど美しいものです。ブナの原生林が広がる山々は黄金色に染まり、カエデやウルシの鮮やかな赤が渓谷を彩ります。そのスケールの大きさと、色彩の豊かさは、まさに圧巻の一言。日本国内でも随一の紅葉狩りスポットとして、毎年多くの観光客を魅了しています。

しかし、その圧倒的な人気と美しさには、一つの大きな悩みが伴います。それが「想像を絶するほどの混雑」です。

有名スポットの混雑状況と「穴場」の魅力

例えば、青森の「奥入瀬渓流」、宮城の「鳴子峡」、秋田の「角館」や「抱返り渓谷」、福島の「五色沼」…。これらの超人気スポットは、紅葉シーズンのピーク、特に土日祝日ともなれば、早朝から駐車場は満車、周辺の道路は数キロにわたって動かないという事態も日常茶飯事です。

「絶景」と名高い展望台や遊歩道は、人で埋め尽くされ、ゆっくりと景色を眺めたり、写真を撮ったりすることさえ難しい。美しい紅葉を静かに楽しむために訪れたはずが、人混みと渋滞に疲弊してしまう…。そんな「紅葉疲れ」を経験したことがある方も少なくないでしょう。

私たちが今回注目するのは、そうした喧騒とは無縁の「穴場スポット」です。穴場の魅力は、何と言ってもその「静けさ」と「贅沢な時間」にあります。自分のペースでゆっくりと歩き、風の音や落ち葉を踏みしめる音に耳を澄ませる。遮るもののない景色を心ゆくまで堪能し、時には「景色を独り占め」できるような瞬間に出会えること。これこそが、穴場探し最大の醍醐味です。

「穴場」だからこそ出会える東北の原風景

東北地方は6県にまたがる広大なエリアであり、その魅力は「有名な観光地」だけに集約されているわけではありません。

有名スポットから少し車を走らせた山道、地元の人々が大切に守ってきた古刹の境内、観光客の足が向かない静かな湖畔。そうした場所には、まだ観光地化されていない、手つかずの自然が息づいています。

それは、厳しい冬を越え、短い秋を精一杯彩る木々の力強さであり、雄大な自然と共生してきた人々の営みが感じられる「東北の原風景」そのものです。派手さや華やかさはないかもしれませんが、心に深く、静かに染み渡るような本質的な美しさがそこにあります。

この記事では、「混雑を避けて、本物の東北の秋をじっくりと味わいたい」と考えるあなたのために、プロの目線で厳選した「本当に価値のある穴場」だけをご紹介していきます。あなただけの特別な秋の風景を見つける旅へ、ご案内します。

【県別】東北の紅葉「穴場」スポット厳選リスト

ここからは、東北6県の「本当に知る人ぞ知る」穴場スポットを、見どころのポイントと共に具体的に紹介します。「有名だけど混雑する場所」を避け、ゆっくりと秋の色彩を堪能できる場所だけを厳選しました。

青森県:奥深さが魅力の穴場紅葉

【穴場】青森県で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ
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蔦沼(つたぬま)「以外」の八甲田の沼群

「朝焼けの蔦沼」はあまりにも有名で、シーズン中は早朝から場所取り合戦が繰り広げられます。しかし、八甲田には「蔦七沼」と呼ばれる他の沼(鏡沼、月沼、瓢箪沼など)や、酸ヶ湯温泉周辺の「地獄沼」「睡蓮沼」など、訪れる人が格段に少ない美しい沼が点在しています。特に睡蓮沼は、駐車場からすぐの場所にも関わらず、八甲田連峰を背景にした見事な紅葉が楽しめます。

中野もみじ山(なかの もみじやま)

黒石市にある「東北の小嵐山」とも呼ばれるスポット。奥入瀬や十和田湖という巨大な観光地に隠れがちですが、約100本のカエデが燃えるように色づく様は圧巻です。渓流沿いの遊歩道や、赤い「不動橋」と紅葉のコントラストは写真映えも抜群。夜間ライトアップ(期間限定)も幻想的ですが、比較的混雑が穏やかな日中が穴場です。

岩手県:雄大な自然に隠された穴場紅葉

【穴場】岩手県で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ
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安比高原(あっぴこうげん)のブナ二次林

スキーリゾートとして有名な安比ですが、秋は日本最大級とも言われる広大なブナの二次林が黄金色に輝きます。その美しさは息をのむほど。「安比ゴンドラ」で山頂に登れば、360度のパノラマ紅葉が待っています。エリアが非常に広大であるため、人が密集しにくく、自分のペースでトレッキングを楽しめるのが最大の魅力です。

夏油高原(げとうこうげん)

日本有数の豪雪地帯である夏油は、その厳しい自然環境ゆえに、手つかずの紅葉が残されています。「夏油温泉」の秘湯と紅葉をセットで楽しめるのが、他のスポットにはない大きな強み。紅葉シーズンの週末に運行される「夏油高原ゴンドラ」から見下ろす、赤、黄、緑のグラデーションは、まさに「天空の絨毯」です。

宮城県:定番地の「裏」にある穴場紅葉

【穴場】宮城県で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ
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はじめに:鳴子峡だけじゃない!宮城の”通”が選ぶ静かな紅葉の穴場へ 宮城県の秋といえば、多くの人がまず思い浮かべるのが「鳴子峡」の絶景ではないでしょうか。大谷川の深い渓谷が燃えるような赤や黄色に染まり ...

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七ツ森(ななつもり)湖畔公園

仙台市内からもアクセスしやすい南川ダムの湖畔公園。鳴子峡や秋保(あきう)といった超定番スポットの影に隠れ、地元の人々がのんびりと過ごす穏やかな穴場です。広大な芝生エリアや展望台があり、ダム湖の水面に映る「逆さ紅葉」が非常に美しい。ピクニックや軽い散策に最適な、家族連れにもおすすめの場所です。

定義如来(じょうぎにょらい)西方寺

「三角あぶらあげ」で有名な定義如来ですが、そのグルメ人気に先行され、紅葉スポットとしては見落とされがち。荘厳な五重塔や、歴史ある本堂の周辺が、見事なカエデやイチョウで彩られます。特に、貞能堂(さだよしどう)へ向かう参道や、五重塔を背にしたアングルは格別。参拝とグルメを楽しみつつ、静かに紅葉を愛でることができます。

秋田県:秘境ムード漂う穴場紅葉

【穴場】秋田県で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ
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はじめに:角館だけじゃない!秋田の”通”が選ぶ静かな紅葉の穴場へ 秋田県の秋と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、黒板塀と燃えるような紅葉のコントラストが美しい「角館武家屋敷通り」や、エメラルドグリー ...

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小安峡(おやすきょう)大噴湯

角館や抱返り渓谷の混雑が嘘のような、栗駒国定公園内にある秘境ムード満点の渓谷です。最大の魅力は、断崖絶壁の遊歩道を歩きながら、98℃の熱湯と蒸気が激しく噴き出す「大噴湯」と紅葉を同時に楽しめること。ゴツゴツとした岩肌、立ち込める湯気、そして燃えるような紅葉のコントラストは、ここでしか見られない光景です。

阿仁(あに)ゴンドラと森吉山(もりよしざん)

「花の百名山」として知られる森吉山ですが、秋の紅葉も一級品です。秋田内陸線「阿仁合駅」からアクセスできる「阿仁ゴンドラ」に乗れば、約20分で山頂駅へ。眼下に広がる360度のブナ原生林の紅葉は圧巻。山頂からのトレッキングコースも整備されており、混雑とは無縁の空中散歩と山歩きが楽しめます。

山形県:山岳信仰と共にある穴場紅葉

【穴場】山形県で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ
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面白山(おもしろやま)紅葉川渓谷

山寺や蔵王の影に隠れた、まさに「穴場」と呼ぶにふさわしい渓谷。JR仙山線の「面白山高原駅」は、ホームの目の前が絶景の紅葉という秘境駅のようなロケーションが魅力。渓谷沿いの遊歩道は片道約1時間ほどですが、大小の滝や吊り橋を越えながら進む道中は、冒険気分も味わえます。中級以上のトレッキング装備は必要ですが、その分、静けさは格別です。

鳥海ブルーライン(山形県側)

秋田県との県境にまたがる鳥海山ですが、山形県側の「鳥海ブルーライン」(無料)は、標高を上げるにつれて変化する紅葉のグラデーションをドライブで楽しめます。山頂の「鉾立(ほこだて)展望台」まで行くと紅葉は終わっていることが多いですが、その手前、標高1,000m前後が見頃。広大すぎて人が分散するため、快適なドライブが可能です。

福島県:歴史と水辺の穴場紅葉

【穴場】福島県で混雑が少ない穴場紅葉スポットまとめ
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はじめに:定番だけじゃない!福島の”通”が選ぶ静かな紅葉の穴場へ 福島県の秋といえば、多くの方がまず思い浮かべるのは、まるで絵の具を散りばめたような絶景が続く「磐梯吾妻スカイライン」や、神秘的な湖沼群 ...

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裏磐梯(うらばんだい)の「五色沼以外の」湖沼群

五色沼の遊歩道は、シーズン中、外国人観光客も含め大混雑します。そこでおすすめなのが「桧原湖」「小野川湖」「秋元湖」といった、より大きな湖沼での水上アクティビティです。カヌーやボート、遊覧船の上からしか見られない、静かな湖面に映る紅葉は格別。特に早朝の「朝もや」と紅葉が織りなす風景は、幻想的としか言いようがありません。

新宮熊野神社(しんぐうくまのじんじゃ)の長床(ながとこ)

会津若松や大内宿の喧騒から離れた、喜多方市にある古社。ここの主役は、樹齢約800年と言われる「大イチョウ」です。国指定重要文化財である拝殿「長床」の前にそびえ立ち、黄葉のピーク時には、散った葉が地面を埋め尽くし、「黄金色の絨毯」を作り出します。イチョウの見頃はカエデより少し遅め。その神々しいまでの黄一色の世界は、一見の価値ありです。

東北の穴場紅葉を最大限に楽しむための3つのポイント

せっかく「穴場」の紅葉スポットを訪れるなら、その魅力を最大限に引き出し、快適な旅にしたいものです。ここでは、混雑を避け、安全に、そしてより深く東北の秋を味わうための実践的な3つのポイントをご紹介します。

1. ベストな訪問時期と「混雑を避ける時間帯」

東北地方は広大で、山岳エリアが多いため、紅葉の見頃は場所によって大きく異なります。標高の高い山頂エリア(八甲田や安比高原など)では9月下旬から色づき始め、10月中旬には見頃を迎えますが、里山や湖畔(中野もみじ山や七ツ森など)は10月下旬から11月上旬がピークとなります。

狙うスポットの「見頃のピーク」をピンポイントで把握することが、穴場攻略の第一歩です。必ず最新の情報をチェックしましょう。自治体や観光協会の公式ウェブサイトが最も信頼できますが、最近ではX(旧Twitter)やInstagramでリアルタイムの発色状況を検索するのも有効です。

そして最も重要なのが「時間帯」です。穴場とはいえ、紅葉シーズンはどこも通常より人が増えます。鉄則は「平日の早朝」です。土日祝日を避けられるなら、それに越したことはありません。もし週末しか行けない場合でも、朝8時までには現地に到着することを強くおすすめします。

早朝の訪問にはメリットしかありません。まず人が圧倒的に少なく、静寂の中でゆっくりと景色を独り占めできます。さらに、朝の澄んだ空気と斜めから差し込む柔らかい光(斜光)は、紅葉の色彩を最も美しく照らし出してくれます。日が高くなるにつれて光が強くなり、観光客も増えてくる前の「ゴールデンタイム」をぜひ狙ってください。

2. 「穴場」ゆえの注意点:アクセスと装備

「穴場」であることの裏返しとして、「アクセスが不便である」という点は覚悟しておく必要があります。公共交通機関でのアクセスが難しい場所も多く、基本的には車での移動が前提となります。

しかし、その道中も注意が必要です。渓谷沿いや山間部へ続く道は、道幅が非常に狭かったり、対向車とのすれ違いが困難だったりするケースが多々あります。また、「面白山紅葉川渓谷」のように、本格的なトレッキングが必要な場所も含まれます。自分の運転技術や体力と相談し、無理のない計画を立ててください。

装備に関しても、「ちょっと散歩」という感覚は禁物です。最低でも履き慣れたスニーカーは必須。渓谷や遊歩道を歩く場合は、防水性のあるトレッキングシューズが望ましいでしょう。落ち葉で滑りやすくなっている場所や、霜でぬかるんでいる場所もあります。

そして何より重要なのが「服装(防寒着)」です。東北の秋、特に山間部の朝晩は、平地の真冬並みに冷え込みます。日中は暖かくても、日が傾くと一気に気温が下がります。フリースや薄手のダウンジャケットなど、着脱しやすく体温調節ができる服装を必ず用意してください。また、山間部では携帯電話の電波が届かない場所も珍しくありません。熊よけの鈴なども携帯しておくと安心です。

3. 紅葉と一緒に楽しみたい!周辺の秘湯・グルメ情報

穴場スポットの多くは、観光地化されたエリアから少し離れた場所にあります。その周辺には、同じく「穴場」となっている素晴らしい温泉やグルメが隠れているものです。

東北は言わずと知れた「温泉天国」。紅葉狩りで冷えた体を、源泉かけ流しの「秘湯」で温めるのは、この上ない贅沢です。今回紹介した夏油高原や小安峡はもちろん、他のスポットの周辺にも、日帰り入浴が可能な素晴らしい温泉が点在しています。事前にリサーチして、紅葉と温泉の「黄金セット」を計画に組み込むことをおすすめします。

また、秋の東北は「食の宝庫」でもあります。新米、キノコ、山菜、そば、果物など、旬の味覚が溢れています。観光地価格のレストランではなく、地元の人が通う食堂や、道の駅の産直コーナーにこそ、本物の味があります。紅葉で目を満たし、温泉で体を癒し、旬の食事で舌を満たす。これこそが、東北の穴場紅葉を最大限に楽しむための秘訣です。

まとめ:静かな東北で、あなただけの穴場紅葉体験を

今回は、「混雑が少ない東北の穴場紅葉スポット」というテーマで、青森から福島まで、東北6県の隠れた名所と、その楽しみ方をご紹介してきました。

東北地方の紅葉は、そのスケールの大きさ、色彩の豊かさにおいて、国内でも随一の美しさを誇ります。それゆえに、どうしても特定の有名スポットに多くの人が集中しがちです。

しかし、この記事で取り上げたように、ほんの少し視点を変え、定番の観光ルートから一歩踏み出すだけで、驚くほど静かで、深く、美しい紅葉の世界があなたを待っています。

「穴場」と呼ばれる場所は、決して有名スポットに美しさが劣っているわけではありません。むしろ、アクセスが少し不便であったり、大々的な宣伝がされていなかったりするだけで、そこには手つかずの自然と、ありのままの秋の色彩が大切に残されています。

人混みの中で一瞬だけ眺める紅葉も素晴らしいものですが、静かな渓谷で水の音や鳥の声に耳を澄ませながらゆっくりと空を仰いだり、黄金色に輝くブナの森で落ち葉を踏みしめる音だけに包まれたりする時間。それこそが、「あなただけの特別な紅葉体験」ではないでしょうか。

もちろん、穴場には穴場ゆえの準備も必要です。ご紹介した「楽しむための3つのポイント」—訪問時期と「早朝」という時間帯の工夫、適切な装備(特に防寒着と靴)とアクセスの事前確認、そして周辺の秘湯や旬のグルメのリサーチ—をしっかりと行うことで、旅の安全性と満足度は格段に上がります。

東北の厳しい冬を前に、木々が一年で最も鮮やかに燃え上がる、短くも美しい季節。今年の秋は、ぜひ喧騒から離れ、静かな東北の奥地で、心ゆくまでその美しさと向き合ってみてください。

この記事が、あなたが「自分だけの絶景」を見つけ、素晴らしい秋の思い出を作るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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